あとぴナビの特集より、前向きな気持ちがアトピーを改善(4)

編集の北です。

 

 

 

 

 

 

                                
今日は、今回のテーマの最後です。
          
        
●あとぴナビ・サイエンス
前向きな気持ちがアトピーを改善する
         
<実験2> マウスのドーパミン報酬系を自然な形で活性化する
         
実験1の方法は、ピンポイントでドーパミンを分泌するVTAの神経細胞を活性化することができるので、本当の意味でのドーパミン報酬系とアレルギー反応の因果関係を示すことができる実験ということができます。しかし、これだけでは物足りません。というのは、これはあくまで人為的な方法なので、現実的にはあり得ないことです。
そこで、実験2のような方法が考えられました。次に紹介するのは、あくまで日常的に考えられる自然な方法での検証です。つまり、マウスの自発的な行動によってドーパミン報酬系を活性化させるという実験です。
この実験では、飼育マウスの飲水ボトルに人口甘味料(サッカリン)を混ぜて自由に飲んでもらいます。比較対象は甘味料を含まない水を日常的に摂取するマウスです。このふたつのマウスの集団に実験1同様のアレルギー反応(じんましん)を誘発する注射を打って比較してみました。
人工甘味料を摂取するグループのマウスは、水を飲むことが甘みの摂取(=快楽)に結びつくのでドーパミンを分泌しやすくなります。つまり、実験1のVTA活性化マウスと似た状況になります。ただし、この場合はVTAだけが顕著に活性化するわけではない(たとえば血糖値なども上がってしまう)ので、実験1ほどの厳密性は望めません。
しかしながら、この実験でも人工甘味料を摂取したマウスのグループの方が、水だけを摂取したマウスのグループよりも、アレルギー反応(じんましん)の症状が抑制されるという結果が出ました。
         
<実験3> マウスのドーパミン報酬系を薬で活性化させる
          
最後の実験では、ドーパミン報酬系を活性化させるために薬を使いました。医療現場では、実際に脳内ドーパミンを増やす薬が使われています。パーキンソン病という病名を聞いたことがある方は多いと思います。この病気は脳内ドーパミンの不足が原因で起こるので、治療ではドーパミンを脳に送り込むL-ドーパという薬を使います(ちなみにL-ドーパとは、ドーパミンの前駆体(前段階の物質)です。ドーパミン自体を注射しても脳内には入れないため、脳への関門を通過できるL-ドーパを注射すると、脳内でドーパミンに変換されます)。
この実験では、L-ドーパを注射してドーパミン報酬系を活性化したマウスと通常のマウスを使い、実験1、2と同様の比較を行いました。そしてその結果はまたもや同じでした。つまり、L-ドーパによりVTAが活性化したマウスの方がじんましんの症状が軽かったのです。
          
▼気持ちで症状をコントロールしよう
            
3つの実験結果は、結局どれも同じでした。前向きな感情をもたらす脳内の神経回路(ドーパミン報酬系)によって、アレルギー症状が緩和されたのです。「病は気から」「気の持ちよう」とよくいいますが、そのメカニズムの一端が明らかになったといってよいでしょう。
今回紹介した研究成果は、読者の皆さんのアトピー治療にも大いに役立つと思います。毎日の生活において前向きな気持ちをキープすることが、症状の緩和につながるからです。「気の持ちよう」だけでも、アレルギーの症状をコントロールできることが科学的に解明され始めた今、アトピー治療は新たな時代を迎えつつあるのかもしれません。
          
         
記事は以上です。
気持ちの持ち方が症状に影響を与えることが分かったのは、非常に興味深いところです。
自分だけでなく他者との関わりも考えなければならないことが多いものですが、できる限り、自分の状態を良くできるような考え方を身につけたいですね。

                                
おまけ★★★★南のつぶやき

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