アトピー性皮膚炎の「姿」とは?(1)

大田です。

 

 

 

 

 

 

 

                     
アトピー性皮膚炎が、一般的に広く認識されるようになったのは、20年ぐらい前でしょう。
以前から「アレルギー性皮膚炎」は認知されていましたが、どちらかというと、乳幼児の食物アレルギーに対する蕁麻疹のような皮膚炎の位置づけが多かったようです。
アトピー性皮膚炎の病態自体は、相当以前から記録が残っているようですが、患者数が現在のような普遍的な疾患として位置付けられてからは、まだ四半世紀もたっていません。

アトピー性皮膚炎は、最近まで、その原因はアレルギーからスタートしていると考えられていました。
もっとも、アトピー性皮膚炎自体は、単体の疾患というより、皮膚に病変を持つ疾患の総称的な位置づけでもあるため、アレルギーからスタートするアトピー性皮膚炎ももちろんあるのでしょう。
しかし、最近、増加してきたアトピー性皮膚炎患者の多くは、皮膚のバリア機能からスタート、症状悪化の原因としてアレルギーが関与しているケースと考えられるようになりました。

つまり、症候群としてのアトピー性皮膚炎の中で、アレルギー的な要因から発症する昔ながらのパターンが増加したのではなく、新たな原因として皮膚のバリア機能の低下を原因として発症したアトピー性皮膚炎が増加してきた、という考え方です。
この異なる原因を抱えたアトピー性皮膚炎に対して、同一の治療を行う現状が、アトピー性皮膚炎の難治化を招いていることは否めないでしょう。

特に問題なのは、最近増加していると考えられる、バリア機能低下を起点として発症するアトピー性皮膚炎です。
主に乳幼児が発症、成長と共に自然治癒することが多いとされてきたアレルギーを起点とするアトピー性皮膚炎は、痒みの主因は炎症反応です。
それに対してバリア機能が起点の場合、痒みの主因は神経線維に対する刺激、そして副因として掻き壊しから生じた炎症反応による二次的な痒みが挙げられます。

ステロイド剤をはじめとする薬剤の効果は「炎症反応」の抑制です。二次的に生じる痒みに対して効果を示せても、主因の神経線維への刺激から生じる痒みには十分な効果が示せません。
現在、アトピー性皮膚炎に対する治療として画一的に行われている薬剤の治療は、昔ながらのアレルギーを主因とするアトピー性皮膚炎に対しての効果が示せても、最近増加しているアレルギー以外を主因とするアトピー性皮膚炎に対しては抑制できない痒みがあることで慢性化させている、と言えるでしょう。

このように、アトピー性皮膚炎は、見た目は病変部が皮膚に生じる掻痒性の同じ疾患ですが、病気の原因は個々人により異なることで、治療を難しくしている面があるのです。

では、その治療はどのような「姿」であることが正しいのでしょうか?
続きは明日にしたいと思います。

                       
おまけ★★★★南のつぶやき

皮膚に掻痒性を持つ疾患は、他にも尋常性乾癬など、いろいろなものがありますが、その多くは、痒みが炎症を起因とすることが多いため、ステロイド剤の治療が行われています。
万能薬のように使われるステロイド剤ですが、全ての痒みに対して有効ではありません。
正しい病気の把握と同時に、正しい薬の使い方も大切と言えるでしょう。