グリチルリチン酸の記事を紹介します(2)

北です。

 

 

 

 

 

 

 

 

               
今日は、昨日の続きで、グリチルリチン酸の効果と副作用、そしてどのように付き合えば良いのかについて述べましょう。
             
            
●お手持ちのスキンケアアイテムに「グリチルリチン酸」が配合されていないかを
 チェックしましょう!
(2016年7月号あとぴナビレターより)
         
▼グリチルリチン酸の効果とは?
         
なぜ、アトピー性皮膚炎など、敏感肌用として販売されているスキンケアアイテムなどにグリチルリチン酸が配合されていることが多いのでしょうか?
その理由の一つは「抗炎症効果」です。
グリチルリチン酸は角質層から浸透しにくいという人もいますが、浸透しにくいのであれば、効果が少ないということになります。
そして、皮膚に掻き壊しが見られる場合は、さらに大きな問題があります。
グリチルリチン酸は、乱れた角質層の隙間から侵入します。同時に化粧品に配合された他の成分もダメージを受けた肌に侵入、本来なら、「浸みる」など不快感を感じることになります。しかし、浸みることで生じる炎症を、あらかじめこのグリチルリチン酸の免疫抑制作用が抑えてくれることで不快感を感じづらくしているのです。
※なお、掻き傷で出血がある場合、グリチルリチン酸が破れた血管から血中に入ってしまうことがあります。血中に入ると、体全体への悪影響が心配されます。
この、皮膚に生じる可能性がある炎症を先に抑えてくれることで、使用した方は「刺激が少ない」と勘違いをし(実際には、刺激は受けているわけですが)、お肌に優しい=敏感肌用のスキンケアアイテム=低刺激性、と受け取ります。
つまり、グリチルリチン酸を配合する大きな理由は「低刺激性」と謳うためであり、また刺激がないのではなく、刺激を「隠すため」だと考えても良いでしょう。
       
▼グリチルリチン酸の副作用とは?
         
では、グリチルリチン酸の副作用にはどのようなものがあるのでしょうか?
先ほど紹介した厚生労働省の通達は、医薬品の場合ですし、服用されるものではなく外用に配合されているものの場合、元々、高分子で吸収されづらいこともあって、擬アルドステロン症が現れることは非常に稀だと言えるでしょう。
ただ、免疫抑制効果を考えた場合、皮膚にダメージがあって「吸収されやすい状況」であれば、炎症を抑える効果が発揮されれば同時に、「免疫を抑制される」ことによるリスクも生じることになります。
外用のステロイド剤におけるもっとも大きなリスクとは、副腎皮質ホルモンが持つ直接の副作用よりも、免疫を抑制することで皮膚のバリア機能を低下させることによって生じる「アトピー性皮膚炎の悪化因子」の側面が強いと言えるでしょう。
そして、同じ免疫抑制効果である以上、グリチルリチン酸にも、バリア機能低下によるアトピー性皮膚炎の悪化要因というリスクは避けられません。
ただ、グリチルリチン酸はステロイド剤ほど、炎症を抑える効果が強くなく、効果が弱ければ比例して副作用も弱い傾向が見られます。さらに、皮膚からの吸収もされにくい性質がありますので、効果も弱い=副作用も弱い、という状況は確かでしょう。
しかし、万一、副作用の症状が見られた場合、その症状はステロイド剤で見られるリバウンド症状と似ており、個人差はあるものの、皮膚症状としては、体液の流出、強い炎症と痒み、夜の睡眠に支障が見られるなどQOL(生活の質)に対する影響など、さまざまな辛い状況が見られることがあります。
        
▼グリチルリチン酸と、どう付き合えば良いのか?
         
敏感肌、アトピー肌用のスキンケアアイテムやシャンプー、ソープなどの洗浄剤など、多種多様なアイテムにグリチルリチン酸は使われることが多いのですが、特に「アトピー用」として配合されている場合、その配合目的はステロイド剤と同じ「免疫抑制作用」による抗炎症効果が中心となります。
ステロイド剤による抗炎症効果は、一時的な症状の改善につながっても、その後のバリア機能の低下や、IL – 4(インターロイキン4)が関与するIgEの増強などでアレルギーを悪化させることは、これまでの研究などで明らかになっていますので、リスクが生じやすい長期連用に対する警鐘は医師も注目するようになっています。
グリチルリチン酸も同様で、炎症を抑えることによる短期的な「効果」と、炎症を抑えることによる(免疫を抑制することによる)長期的な「リスク」は、十分、検討した方が良いと言えるでしょう。特に、スキンケアアイテムや洗浄剤アイテムは、薬と違い、症状の有無に関わらず長期連用されやすいアイテムです。
アトピー性皮膚炎の方で、皮膚に症状が現れている方は、グリチルリチン酸の「効果(炎症を抑える)」も得られる代わりに「リスク(アトピー性皮膚炎を悪化させる)」も受けることになります。
長期間、反復継続して使用していくアイテムだからこそ、「短期の効果」、「長期のリスク」は、しっかり見極めるようにしたいものです。
ちなみに、あとぴナビでは、「長く連用することでアトピー性皮膚炎の症状を悪化させる恐れがある成分」として禁止している成分やアイテムがいくつかありますが、グリチルリチン酸も、禁止している成分の一つです。
長期連用によるバリア機能の低下がアトピー性皮膚炎の悪化につながる事例も数多く出ていますので、お使いの化粧品やスキンケアアイテム、シャンプー、ソープなどの洗浄剤に、グリチルリチン酸が配合されていないかは、しっかり確認するようにしましょう。
             
         
今回の記事は、以上となります。
グリチルリチン酸が抱えるリスクは、ステロイド剤よりも低いと考えられますが、「グリチルリチン酸でないとできない」というものはありません。効果の強弱はあっても、代替えの方法は数多くあります。
ベネフィットとリスクは、その比重を考える必要がありますが、リスクを軽視したばかりに影響を受けることは、「後で後悔する」ことになります。
実際、そうしたご相談は決して少ない数ではありません。
必要でない、ということは選択肢として高くする必要がないことも意味しています。
できる限り、リスクを抱える「成分」は、排除していくように心がけてみましょう。

                            
おまけ★★★★北のつぶやき

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