2015年あとぴナビ冬号より「冬のアトピーケア」(3)

編集の北です。

 

 

 

 

 

 

 

                     
ジョシュア君のプレゼントの告知を間に挟みましたが、一昨日の続きを今日から書きたいと思います。
今日からの分は、入浴編です。
              
            
●冬にあわせた適切なケアでお肌の状態アップ!
(あとぴナビ2015年冬号より)
     
▼入浴編
         
寒さが厳しくなる冬の季節、もともとアトピー性皮膚炎の方は冷えを感じているケースが多いのですが、その傾向はより強まることになります。では、なぜアトピー性皮膚炎の方は冷えの対策を行う必要があるのか、そして入浴で冷え対策を行う際、どういった入浴方法、入浴環境に注意すれば良いのかを考えていきましょう。
        
■冬の季節は、なぜ冷え対策が必要なのか?
         
冷えとは、手足などが冷たくなる状況、というイメージをお持ちの方は多いと思いますが、「冷え」がどういった状態なのかというと、それは「血流が悪い状態」のことです。
ヒトは恒温動物で外的環境に関わらず常に体温を一定に保とうという体の仕組み(自律神経の働き)を持っています。体温を下げる際は、皮膚から汗をかいてその気化熱で「冷ます」わけですが、逆に体温を上げる場合には、体の内臓や筋肉、骨など各器官で熱を作り出し、その熱を血液に載せて体の隅々まで運びます。
しかし、血流が悪い状態では、この「熱を運ぶ」という作業が上手く行えず、末端部位において十分な熱が供給されない状況に陥り、その部位に「冷え」を感じるわけです。このように、「冷え」の原因は血流が悪い状態にあるわけですが、では、なぜこの「冷え」がアトピー性皮膚炎にとって良くないのでしょうか?
それは、手足が冷たい、という状態がアトピー性皮膚炎に悪いのではなく、「血流が悪い」という状況がアトピー性皮膚炎にとって良くない、ということです。
血液は心臓から出て、体中を駆け巡り、再び心臓に戻るまで一周約5分ほどの時間がかかると言われています。そして、血液は体中を駆け巡りながら、さまざま「仕事」をしています。
「熱を運ぶ」というのも大切な仕事です。また、各細胞に酸素を運びエネルギーを供給します。栄栄養素も細胞の構築には必要ですし、内臓や各器官に内分泌(ホルモン)で「情報」を届けます。
アトピー性皮膚炎の場合で考えてみると、ダメージを受けた肌の修復に必要な栄養素や酸素の供給は血液によって行われます。また、炎症を「引き起こす」「止める」指示の一部も内分泌やサイトカイン(タンパク質)によって行われます。
つまり、血流が悪い、ということは炎症や掻き傷の修復に大きな影響を与えている、ということです。
こうした血流が悪い状態は、外気温に関係なく体に現れますので、基本的に季節は問いませんが、冬の季節は他の季節と比べて、熱を外気に奪われないよう、血管を収縮させるため、血流が「悪く」なりやすい、ということです。
したがって、ただでさえ、冷えの状況がみられるアトピー性皮膚炎の方の場合、冬の季節は、冷えを解消する「行動」をしっかり行わないと、皮膚の修復や炎症を抑える働き、さらには、前述した自ら行うスキンケアの機能についても低下したまま、とういことになります。
では、冷えの状況を解消するためには、どういった行動が良いのでしょうか? 冷えの状況とは血流が悪い状態、ということですから、基本的には、「血流を良くする」ことが冷えの解消につながります。
血流を良くするケアは、日常生活の中では「運動」や「入浴」などがありますが、一時的に血流を良くするのではなく、常に血流を良くした状況を維持していくためには、運動や入浴を、反復継続して行うことが必要になります。
血流を良くするだけでなく、「熱を生みだす」効果も考えると、冷えの解消には運動の方がよいのかもしれませんが、毎日継続して行っていくことを考えると、生活習慣の一部となっている入浴の方が、運動よりも継続しやすく、多くの人が取り入れやすい「ケア」と言えるでしょう。
※併用して行うのが理想的です。
              
              
まず今日は、今の季節になぜ冷えの対策が必要なのかを述べました。
皮膚を構成する細胞、その中には、保水を維持するための因子も含まれますが、勝手に皮膚上で生まれ育つわけではありません。
その因子が十分に機能するためには、血液によって、必要な栄養素や酸素が供給されることが必要です。
つまり、冷えの状態は、間接的にスキンケアも阻害している、ということが考えられます。
まず、寒い時期、特に皮膚の乾燥状態がみられる方は、冷えの対策をしっかり考えていきましょう。

明日は、寒い時期の入浴方法について考えてみましょう。

                               
おまけ★★★★博士のつぶやき

よく「冷えは万病のもと」と言われることがあるが、血液によって介在される因子を考えれば、頷ける部分も多い。
血流が常に悪い状態を維持することは、内臓機能、内分泌機能、そして各細胞の機能を考えた場合、マイナス面を蓄積する恐れもあるからじゃ。
冷えの対策はしっかり行いたいものじゃの。