乾燥、冬のアトピー対策(2)

今日は昨日の続きじゃ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                           
昨日は、バリア機能の低下(表皮育成因子の不足による)がアトピー性皮膚炎を生みだす原因となり、アトピー性皮膚炎による痒みで掻き壊しが起きるとバリア機能が低下し、その低下したバリア機能がさらなるアトピー性皮膚炎の悪化につながる、という悪循環の輪が形成されておることについて述べた。
今日は、この悪循環の輪は、どうすれば断ち切れるのかについて考えていきたい。
             
●悪循環の輪を、どこで断ち切るのが良いのか?
             
昨日、示したアトピー性皮膚炎が慢性化した状態にある人の悪循環の基本とは次の通りじゃ。
          
                           
1.まず、肌の乾燥状態(表皮育成因子の不足から生じた)から異常細菌叢が引き起こる

2.定着した黄色ブドウ球菌がデルタ毒素によりIgEを増加、アレルギー的な要因を増やす

3.炎症が生じて痒みが増加

4.掻き壊すことでバリア機能が低下

5.バリア機能が低下することで、異常細菌叢がさらに定着

6.「2」のアレルギー的要因を増やすに戻る
          
                 
現在、病院で行っておる治療は、ご存知のように「ステロイド剤」「プロトピック軟膏」による治療が主流じゃ。
これらの薬剤の共通点は「免疫抑制作用」といえる。
アトピー性皮膚炎の痒みとは、主に皮膚に生じた炎症から化学伝達物資により生み出されておる。
つまり、炎症が痒みの原因、ということじゃ。
したがって、病院で行われておる治療は、この悪循環の中でいうと「3.炎症が生じて痒みが増加」という部分を断ち切ろうとしておるわけじゃ。
「3」の部分を打ち消すことで、その後の4、5、6への流れを断ち切ることができる。
したがって、ステロイド剤など薬物治療を行うことで、症状が一時消えることがある(患者自身は「治った」と感じる)のは確かじゃろう。
             
じゃが、残念なことに、バリア機能が低下して異常細菌叢が生み出される原因は、表皮の育成因子が不足しておること(「1」の部分)が関係しておる。
したがって、いくら途中の輪を一度断ち切っても、「1」の状態を抱えたままであれば、条件が整うことで(生活の要因や生活環境の要因などで)、再び2、3へとつながっていくじゃろう。
そして、3を断ち切るため再度ステロイド剤を使う、じゃが大元の原因が解消されておらんから、再び1から2、3へとつながる、といった具合に陥っていくわけじゃ。
              
              
●肌の乾燥、この状態を解決することが輪を断ち切る

では、どこの部分で「輪」を断ち切るのが最も良いのか?
もうわかるじゃろう。
そう、大元の「1」の状態につながる「肌の乾燥」を止めることがまず最初の「基本」ということじゃな。
表皮の育成因子を自ら生み出せるようになるのならば、その方法が最も良いのかもしれん。
じゃが、「バリア機能の低下」には皮脂膜が大きな役割を担っておる。
いくら表皮育成因子が健常であっても、皮脂膜が作れない状態にあるのならば、バリア機能の低下は避けられんじゃろう。
何より表皮の育成因子が不足しておる状態は、薬剤などで解決できる方法が今のところは見つかっておらん。
もしかすると、今後、遺伝子治療などによりそうした因子を機能として持たせられるような治療法が出来るのかもしれんが、今のところは無理じゃ。

そこで、「代替え」として必要になってくるのが肌の乾燥を防ぐための「スキンケア」じゃ。
まず最初の「1」の部分に大きく関わっておる「肌の乾燥」を防ぐことで、悪循環の輪が生み出されるのを防ごう、ということじゃな。

もっとも、バリア機能の低下は「乾燥」のみが原因ではない。
じゃが、ほとんどのバリア機能の低下は「乾燥」がベースにあることは確かじゃ。
では、どういったケアが大切なのか、続きは明日じゃ。

                      
おまけ★★★★大田のつぶやき

アトピー性皮膚炎の治療法の一つに、一切の保湿剤を断ち、自分の体の機能でスキンケアを行えるまで「待つ」、脱保湿という考え方があります。
いくらヒトの体に刺激が少ないように作られたスキンケアアイテムでも、その成分は「自己」ではない以上、刺激がゼロ、とはなりません。少ないだけであり、その「少なさ」が生み出す刺激は個人差が大きいと言えます。
そうした点でみると、一切の保湿剤を使わない、ということは理にかなった部分があります。
そして、脱保湿とは、今日、博士が書いていた条件でいえば「表育成因子が健常」であった場合、自分で皮脂膜が作れるようになれば、「成功」する可能性が高まる、といえます。
逆にいえば、表皮育成因子が健常でなかった場合、いくら皮脂膜を自分で作り出すことができても、皮膚のバリア機能の低下は完全には防げないと言えますので、脱保湿が成功しづらいのかもしれません。
また、皮脂膜とは汗と皮脂が乳化して作られます。
つまり「汗」がかける体なのかどうかは、大きなポイントです。
脱保湿を成功させることができる方が、一部の方に過ぎないのは、こうした「脱保湿」があうアトピー性皮膚炎なのか、ということも関わっているのでしょう。