アメリカFDAがトランス脂肪酸を全面禁止に

西だ。

 

 

 

 

 

 

 

                    
安全に関する日本の基準と外国の基準は、必ずしも一致しない。
それは、各国で持つエビデンスの違いがあったり、あるいは大企業の思惑が法律制定を妨げる、逆に法律制定に動く、といったことが関係している場合もあるだろう。
例えば、アトピー性皮膚炎に対して使用されるステロイド剤やプロトピック軟膏なども、全世界で統一基準があるかというと、そういったものはないのが現状だ。

先日、NHKのニュースで、そういった「国の判断基準の違い」といった記事が出ていたので紹介しよう。
          
          
●米 トランス脂肪酸 3年後までに禁止
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150617/k10010117411000.html
         
マーガリンなどに含まれとりすぎると心筋梗塞などのリスクを高めるとされる「トランス脂肪酸」について、アメリカのFDA=食品医薬品局は3年後までに加工食品などでの使用を全面的に禁止すると発表しました。
トランス脂肪酸はマーガリンや揚げ物などに使われる油に比較的多く含まれる脂肪分で、とりすぎると心筋梗塞や動脈硬化のリスクを高めると指摘されています。
このためアメリカでは、食品に含まれるトランス脂肪酸の量の表示を義務づけるなどして、1人当たりの摂取量は大きく減ってきていますが、冷凍ピザや電子レンジで調理するポップコーンなどの加工食品にはまだ多く使われています。
こうしたなかアメリカのFDAは16日、「食品への使用が安全とは認められない」として、国内の加工食品などへの使用を全面的に禁止すると発表し、企業に対し、3年以内に代替品に切り替えるなどの対策を求めました。
FDAではトランス脂肪酸を禁止することで年間2万件の心臓発作を防ぎ、心臓病による死者が7000人減ると見込んでいます。日本では今のところ「通常の食生活では健康への影響は小さい」として、食品に含まれる量の表示の義務などはありません。
         
         
トランス脂肪酸は、心疾患との関連が研究により分かっているが、アメリカの疫学調査によると、摂取が多い群においてCRPなどの炎症因子が増加していることが確認された。
そしてこの炎症因子がアトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患の増悪因子に繋がっていると指摘する専門家もいる。
いずれにしても、トランス脂肪酸の摂取を擁護する声は少なく、危険視する声が多いことは事実と考えてよいだろう。
もっとも、ここで問題になるのは、あくまで水素添加の過程で生じる人工的なトランス脂肪酸であって、天然のトランス脂肪酸のことではない。なぜなら、天然のトランス脂肪酸は含有されいてもその量が微量だからだ。
代表的なトランス脂肪酸を含む食品としては、マーガリンやショートニングなどがある。
今回の勧告により、3年後、アメリカではトランス脂肪酸の使用が全面的に禁止となるが、日本が今のところ、トランス脂肪酸が健康に対する影響を与える範囲が大きくないとして、追従することはないだろう。
アメリカの場合、1日に摂取する全カロリーに対してトランス脂肪酸の割合が2.6%なのに対して、日本では0.3%と、WHOの勧告である1%未満に抑える、という目標は達成している、ということもあるのかもしれない。

ただ、この0.3%とは、和食を基準とした場合であって、洋食が中心の場合には、この数値は撥ねあがる、とする意見もあるようだ。
いずにれしても、今回の報道が日本において大きく議論される可能性は極めて低いように思う。
しかし、食習慣が欧米化してくれば、同様のリスクが高まることは確かなことであり、先行した研究を顧みることなく、そのリスクに目を向けなければ、防げたであろう「疾患」が防げなかった、というこもあるかもしれない。

最初に書いたように、国により生活習慣が異なる以上、同じ物差しで測ることは危険なのだが、生活習慣が「近い」状況になれば、測るための「物差し」も同じものが必要になることは明らかなのではないだろうか。

                       
おまけ★★★★博士のつぶやき

日本の企業では、自主的にこのトランス脂肪酸の摂取を減らそうとする取り組むところも多いようじゃ。
西君が書いておるように、元々の食習慣が異なっておる以上、同じ状況が「現時点」で生じている、ということではないじゃろう。
じゃが、和食から洋食に変わりつつある食卓の中で、近い将来、現状、アメリカが生じている問題が日本においても問題になる可能性は否定できん。
あらかじめ分かっておることならば、その対処も容易であることは忘れてはならんじゃろうの。