腸内細菌がアレルゲンを抑制?。

東です。

 

 

 

 

 

 

 

                   
腸内細菌の研究は、これまでブログでも何度か紹介したとおり、いろいろな発表がされていますが、今日は、アメリカでの研究結果について紹介します。
             
          
●腸内細菌に食物アレルギー改善効果の可能性、研究
http://news.livedoor.com/article/detail/9184456/
            
滅菌された環境で飼育されたマウスや生後間もなく抗生物質を投与されたマウスは、食物アレルギーを予防すると考えられている一般的な腸内細菌が不足していたとの研究論文が25日、米国科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of Sciences)に発表された。
クロストリディア(Clostridia)と呼ばれるこの細菌は、マウスがピーナツに対してアレルギー体質となる可能性を最小限に抑えることができると考えられ、人間に対しても同様の効果を持つかどうかの研究が現在進められている。
米シカゴ大学(University of Chicago)のキャスリン・ネグレ(Cathryn Nagler)教授(食物アレルギー)率いる研究チームは、より成長したマウスにクロストリディアを含有するプロバイオティクスを投与する実験も行った。結果、アレルギー症状が改善される可能性があることを確認できたという。
食物アレルギーの原因は、はっきりとは明らかになっていないが、複数の研究では、食生活の変化や衛生状態、さらには抗菌石けんや殺菌製品の使用が腸内環境に変化を及ぼし、そのために人体が影響を受けやすくなる可能性が指摘されている。
実験では、生まれてから無菌状態で飼育されたマウスと生後直後に抗生物質が投与されて腸内細菌が著しく減少しているマウスをピーナツのアレルゲンと接触させた。
その結果、両グループのマウスのピーナツに対する抗体反応値は、平均的な腸内細菌を持つ一般的なマウスに比べて著しく高かった。その一方で、マウスの腸内にクロストリディアを注入したところ、食物アレルゲンへの感作が軽減される可能性が確認できたという。
ネグレ教授は、人間にも同様の効果が得られるかどうかを確認するためには、さらなる研究が必要としている。
            
             
腸内細菌の状況が、消化吸収に関わることは、他の研究でも明らかですが、今回の記事で木になった点は、「生後直後に抗生物質が投与されて腸内細菌が著しく減少しているマウスを」とある部分でしょうか?
この過程は、研究のために作られたものですから(腸内細菌を減らすために抗生物質を投与しているため)、当たり前なのですが、乳幼児の段階で抗生物質を多量に投与された場合、食物アレルギーが出やすい、ということを、以前、乳幼児のアトピーで取材を行った際に医師が話をしていたことを思い出したからです。
実際、風邪などで抗生物質を処方されることは多いと思いますが、生体に対して腸内細菌の観点から影響を受けていることは明らかであり、それがアトピー性皮膚炎などアレルギーを持つ方にとって、悪化要因になりうる(食物アレルギーがある場合など)ことが考えられます。
もっとも、風邪などに対する治療で使われる抗生物質を使わない方が良いか、というと、そうではありませんから、結果としていたしかたない、という部分かもしれませんが、少なくとも薬剤以外で腸内環境を乱す要因(今回の記事では、「抗菌石けんや殺菌製品の使用が」と書かれている部分)は生活の中からできる限り、排除した方が良いのかもしれませんね。

                          
おまけ★★★★南のつぶやき

公衆衛生が発達した国の方が、アレルギー的な疾患が多いことはよく知られていますが、ヒトは無菌状態が必ずしも良いとはいえない、ということでしょう。
もちろん、現在、流行中のエボラは、こうした公衆衛生が発達してないからこそ、拡大しているという点がありますので、一概には言えませんが、病原性を持った細菌やウィルスによる疾患以外のアレルギー的な疾患に対しては、病原性を持たない「菌」との共存は考えていく必要があるのかもしれません。