温泉の禁忌症の一部が変更に

小田です。

 

 

 

 

 

                 

九州HRCは、温泉湯治場ですが、温泉入浴には、温泉入浴による効果を期待できる「適応症」と、入浴してはいけない症状を示した「禁忌症」があります。
そして、この適応症と禁忌症は、一般的なもの、泉質特有のものに分けられています。
             
●温泉の一般的適応症
神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、慢性消化器病、痔疾、冷え性、病後回復期、疲労回復、健康増進
            
●温泉の一般的禁忌症
急性疾患(特に熱がある場合)、活動性の結核、悪性腫瘍、重い心臓疾患、呼吸不全、腎不全、出血性の疾患、高度の貧血、その他一般に病勢進行中の疾患、妊娠中(特に初期と末期)
         
        
そして、泉質別の禁忌症もありますが、ほとんどの場合、「一般的禁忌症に準ずる」となっていて、泉質ごとの特徴は見受けられない状況です。
そのため、温泉法においては、温泉地における掲示については、禁忌症を必ず掲示することを求めていますが、どの温泉地にいっても、事実上、書いてある内容は一緒と考えてよいでしょう。

九州HRCも、温泉湯治場ですので、一般的禁忌症が掲示されていますが、全く同じ内容です。

でも、本来、泉質が違った場合、あるいは入浴する温度、時間、さまざまな条件により生体への影響は変化するはずであって、その影響が「効果」であり「副作用」となるはずです。
それが、全ての温泉一律に定められていることに対する疑問の声は、前から出ていましたが、今回、その禁忌症の一つが削除されることになりました。
              
            
●妊婦の温泉入浴OK…環境省32年ぶり禁忌症から削除
http://www.sponichi.co.jp/society/news/2014/04/04/kiji/K20140404007908630.html
              
環境省は3日、温泉の入浴を避けるべき禁忌症から32年ぶりに「妊娠中」の文言を削除することを決めた。妊婦が温泉に入ると悪影響があるという科学的根拠がなかったため。 

82年に定められた現行基準には、禁忌症に重い心臓病などとともに「妊娠中(特に初期と末期)」という項目が含まれている。ただ根拠は不明で、専門家にあらためて調査を依頼した結果、温泉浴が流産や早産を招くといった医学論文や研究はなかったという。温泉施設の掲示からも削除するよう、今年夏までに各都道府県に通知する。
              
            
実際の状況に合わせて、こうした表示がしっかり変更になってくることは良いことだと思います。
今後、禁忌症だけでなく、適応症についても、疾病ごとの有効性が認められるようになるといいですね。

                            
おまけ★★★★西のつぶやき

法律で定められている事項については、その根拠があるものと考えてしまいがちだが、古くからの慣習により定められているものも多く、今回のように、エビデンスを積み重ねることで明らかになり、変更になってくるものも多い、ということだろう。
このように、医療に関する情報も、「今ある情報(医師の持つ情報)が全て正しい」とは限らない、ということもいえる。
新たな情報が積み重なることで、将来、その取り扱いが変化してくることもある、ということだろう。
アトピー性皮膚炎の治療でも、日々、新たな研究でいろいろな変化が生じている。もっとも、「研究を行う側の事情」もあり、特に薬剤に関する情報は、ネガティブな研究は行われづらいところではあるが、患者が必要としている情報ならば、ぜひ、しっかり積み重ねて患者のためになる情報を伝えて欲しいところだ。