セラミドとアトピー肌

季節は、秋から冬へと移り変わっておるようじゃ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                           
最近、春と秋が短くなった、という話をよく聞くのじゃが、今年は残暑も少し早めに終わったから秋が少しは長く過ごせるかと思っておったが、このまま気温が下がっていくと、逆に冬が早くくることになるかもしれんの。
アトピー性皮膚炎の方の多くは、冬は苦手な季節になる。
スキンケアも、秋用から冬用に早めに切り替えた方が良いかもしれんの。

さて、今年の9月に京都大学でフィラグリンに関する研究発表があったのを覚えておる方も多いじゃろう。
アトピー性皮膚炎の方は、皮膚にバリア機能に大切な役割を果たすフィラグリンが少ないことで、乾燥肌、そしてバリア機能の低下が見られることが分かっておるが、このフィラグリンの発現を促進させる「JTC801」という化合物が発見され、動物実験でアトピー性皮膚炎様の症状に効果があった、という報告じゃ。
研究に対する解説などは、今月号のあとぴナビ(電子版・11月号)に掲載しておるから、詳しくはそちらをご覧いただければと思う。
             
             
●あとぴナビ11月号(電子版)
http://www.atopinavi.com/eb/201311_navi/index.html
          
            
同様に、アトピー性皮膚炎の方にとって、皮膚に少ない因子としてわかっておるのが、「セラミド」じゃ。
皮膚の角質層は、角質細胞がレンガ状に10~15層ほどに積み重なってできておる。
このレンガ状に積み重なった角質細胞のすき間を満たしているのがセラミドじゃ。
セラミドは脂質なのじゃが、水分と結びつきやすい性質を持っており、水と結びついたセラミドは、細密な構造を作る。これが、刺激物質から体を守るバリアとなり、同時に水と結びつくことで肌の潤いも守られる、つまり乾燥からお肌を守ることにつながってくるのじゃ。

角質層にセラミドが少ないと、レンガ状の角質細胞のすき間を埋めることができないことになる。例えると、レンガとレンガのすき間を埋めるセメントがないような状況じゃな。
セラミドが均一でない皮膚は、角質細胞が不安定ではがれやすくもなる。
角質細胞がはがれやすくなると、角質層内の水分も失われやすくなるのじゃ。
そうなると、肌の潤いが少なくなり、カサカサした肌、つまり乾燥肌になってくると言えるじゃろう。
同時に、バリア機能も低下するから、外部からの刺激物質も容易に皮膚下に侵入しやすくなり、炎症、かゆみが生じることがあるわけじゃ。
もちろん、このことでお肌の乾燥が続けば、かゆみを知覚する神経線維も角質層内に侵入してくることになるから、外部から肌に対する刺激をかゆみとして余計に知覚しやすくなって、掻き壊しを生じさせ、余計にバリア機能が低下、という悪循環の連鎖に入りやすいとも言えるじゃろう。

このように、セラミドはアトピー性皮膚炎の方にとっても、大きく関わっておるのじゃが、セラミドは本来、分子量が大きい物質のため、外部からの供給は難しいのが現状じゃ。
掻き傷が多い方が、セラミドを配合したスキンケアアイテムを使用すると浸みやすいことがあるのじゃが、これも高分子のため、皮膚に浸透しようとした際の刺激が浸みるといった感覚になると言われておる。
また、セラミド、と一言でいっても、何種類もの構造体があり、皮膚にとって必要なセラミドと同一のセラミドを外から十分に補給するのは困難とも言われておる。

結局のところ、セラミドを「補給」するためには、自分の体でセラミドが十分に合成できるように促進させられるものを摂取することが大切と言えるじゃろう。
先に述べた、フィラグリンを促進する化合物も、フィラグリンを自分で作り出せるように補助すする物質じゃから、そういった点においても、セラミドと似ておる部分はあるじゃろう。

セラミドを効果的に増やせるものとしては、臨床データではっきりわかっておるのが、こんにゃく芋由来のセラミドじゃ。
あとぴナビでも取り扱っておるサプリメント「ピュアセラミド」などが、そうじゃ。
これから冬に向けて、乾燥対策を考える際、外から塗るスキンケアだけではなく、体の中から乾燥を防げるセラミドの摂取などを併用することは有用じゃろう。

セラミドが「アトピーに良い」ということは良くいわれておるのじゃが、セラミドがどのように皮膚に働くのか、また有効に働かせるためにはどのように「セラミドを利用するのが良いのか」は考えた方が良いじゃろうの。

                      
おまけ★★★★博士のつぶやき

セラミドについては、あとぴナビの読者からも「アトピーに良いと聞いたのですが・・・」という質問をときどきいただくので、ブログで取り上げたが、一つ注意が必要なのは、セラミドによる影響は「アトピー性皮膚炎」に対するものではない、ということじゃ。
あくまで、皮膚の乾燥、という因子に対しての影響じゃから、例えば、食物アレルギーなど、他のかゆみの因子には、直接的な効果は期待できない。
アトピー性皮膚炎の原因、そして症状を悪化させておる原因は、人ぞれぞれじゃから、「アトピー性皮膚炎によいもの」という観点で利用するのではなく、自分にとって不足しているもの、あるいは自分のアトピー性皮膚炎を悪化させている原因に関連するものを、選ぶように気をつけて欲しいと思う。