生活と生活環境の改善は、なぜ必要なのか?(1)

10月に入ったの。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                         
去年より早く気温が下がってきたから、今年は「秋」も少しは長いかもしれん。
アトピー性皮膚炎の方にとっては、一年の中で比較的過ごしやすい時期じゃから、本格的な冬が来る前に、お肌の状態をアップさせて欲しいと思う。

さて、アトピー性皮膚炎の克服を目指していく中で、「生活の改善」と「生活環境の改善」は、大切なポイントになる。
今日は、こうした「改善」がなぜ大切なのかについておさらいしてみたい。

アトピー性皮膚炎は主に「免疫機能の異常状態」と「皮膚機能の異常状態」の二つから、痒みを生じることが多い。
前者は、IgEを中心にアレルギー的な反応により生じる炎症性の痒みであり、後者は痒みを知覚する神経線維が角質層の乾燥により表皮内に伸びてくることで、皮膚への刺激の感受性が上がることで生じる痒みが主となる。

このうち、前者の「免疫機能の異常状態」を考えてみると、アトピー性皮膚炎に関わる免疫はIgE、IgGなどがあるが、もっとも大きく関わるのはIgEじゃ。
体内の肥満細胞(マスト細胞)やB細胞と結合したIgE(免疫複合体)が、アレルゲンなどと結合することで、マスト細胞などからヒスタミンが放出され、炎症が生じることで痒みが起きることになる。
こうしたアレルギーに関わる免疫機能は、体内において「作ろう」とする働きと「抑えよう」とする働きの両者によりコントロールされておる。
一般的なイメージとして、アトピー性皮膚炎などアレルギー疾患は、IgEなどを作り出す力が強すぎることで生じる、と考えられておることが多いようじゃが、実は、「作ろう」とする力が強いのではなく、「抑えよう」とする力が弱いことが原因の方が多いのじゃ。
結果的に、IgEを作り出す力が強まっていることは確かじゃが、そこに対するアプローチは全く逆になると言えるじゃろう。

なぜなら、今のステロイド剤やプロトピック軟膏などによるアトピー性皮膚炎の「標準治療」は、それらの薬剤が持つ「免疫抑制作用」により、免疫全体の働きを低下させることを目的としておる。

じゃが、薬剤が持つ免疫抑制作用はアレルギーに関わる免疫のみを標的にして弱めておるわけじゃなく、細菌やウィルスなど外敵から体を守るための免疫システムを含めて、全ての免疫を抑制させることになる。
そのため、薬剤の長期連用者が、薬剤の中断時にリバウンドなどの悪化状態を招くことがあるが、現在の医師は、薬剤により炎症を抑えていたものが薬剤の中断により抑えきれないことで症状が悪化する、つまり元々持っていた「アトピー性皮膚炎そのものが悪化している」と説明することが多い。
もちろん、そうした「炎症の増悪」といった部分が症状を悪化させておることもあるが、「それだけ」が症状悪化の要因ではない。
通常の免疫システムが働いていれば防げる「日和見菌」などごく当たり前に存在しておる雑菌やウィルスに対抗する免疫機能そのものも低下させておることで、感染症に罹患することで症状が悪化しておる部分も多いのじゃ。

このように、薬剤による治療は、本来の「免疫機能のバランス」という部分だけで考えると、より乱す可能性が強く、短期的な使用であればそうしたバランスの乱れも少なく済むが、長期的な連用を行うと、バランスの乱れが強くなることで、悪化する傾向を強めることになるわけじゃ。

では、アトピー性皮膚炎に対する免疫機能の部分で、どの部分を「強化」すればよいのじゃろうか?
それが、最初に少し触れた「免疫機能を抑える力」の部分が強化の対象と言えるじゃろう。

では、どうすれば「免疫機能を抑える力」を強化することができるのじゃろうか?
続きは明日じゃ。

                      
おまけ★★★★博士のつぶやき

 

感染症に対する炎症反応も、免疫機能の働きの一部じゃから、薬剤の使用中は、「感染症に罹患していても炎症が生じない」という状態を作り出しておることが多い。
いわゆる火種はくすぶらせたまま、燃え上がらないように「調整」しておる状況じゃな。
したがって、そうした薬剤の中断により、くすぶらせる(炎症を生じさせないようにする)働きも低下することで、元々のアトピー性皮膚炎による炎症悪化だけにプラスして、感染症という別要因の炎症も生じさせておるわけじゃな。