薬剤耐性菌と免疫力

東です。

 

 

 

 

 

 

 

 
アトピー性皮膚炎の方にとって、症状を悪化させる要因の一つに「感染症」があります。
特に、ステロイド剤やプロトピック軟膏など、免疫を抑制する薬剤を使用している場合、皮膚表面における感染症にかかりやすい状況が生まれており、長期連用により、ちょっとしたきっかけ(疲労や睡眠不足など体調の悪化や、梅雨の時期など細菌やウィルスの増殖に適した環境の時期、など)を元に、通常はしっかり対処できる「日和見菌」に対して、対応できなくなり、感染症が広がり、その炎症を元にアトピー性皮膚炎の症状も悪化する、というケースがあります。

こうした感染症に対しては、基本的に、自分の免疫力による対処が最終的に必要なのですが、治療の一環で使用される抗生物質や抗菌剤による「耐性菌」の問題が懸念されているようです。

  
●「治療不可能な結核」の脅威が現実に、早期対策を呼びかけ 研究
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130325-00000006-jij_afp-int
 
既存の薬剤への耐性を持つ結核 (TB) を発症する患者がますます増加するなかで、研究者らは世界結核デー(World TB Day)の24日、治療不可能な結核の出現という「非常に現実的」な危険を回避するには、断固とした指導力とさらなる研究投資が必要と世界に呼びかけた。

研究者らは24日の英医学専門誌「ランセット(The Lancet)」に掲載された一連の論文で、増加の一途をたどる薬剤耐性結核患者に医療の対応が追いつかなくなる恐れがあると警告している。
 
すでに、東欧と中央アジアで新たに結核と診断された患者の3割以上が多剤耐性結核(MDR-TB)を発症している。MDR-TBは、最も有効な抗結核薬のイソニアジド(isoniazid)とリファンピン(rifampin)に耐薬性を持つ。2011年の結核症例約1200万件のうち、約63万件がMDR-TB症例だったと見られている。現在までに84か国で症例が報告されている超多剤耐性結核(XDR-TB)は、耐薬性の範囲がさらに広い。
 
肺に空気感染する結核は通常、抗生物質の6か月間投与で治療可能だが、患者が所定量の薬剤の服用を途中で止めてしまったか、もしくは薬自体の効果がなかったなどの理由で、結核を発症する細菌を治療で殺傷できなかった場合に、結核治療薬剤への耐性が生じることになる。
 
ロンドン大学ユニバーシティー・カレッジ医学部(University College London Medical School)感染症国際保健センター(Centre for Infectious Diseases and International Health)責任者のアリムディン・ツムラ(Alimuddin Zumla)氏率いる研究チームの論文によると、「XDR-TBが広範囲でまん延すると、ほぼ治療不可能な結核菌が出現する恐れがある」という。「国際間の人の移動が簡単になり、MDR-TBの発症率が増加している今の状況では、治療不可能な結核が広くまん延する脅威は極めて現実的だ」
 
研究者らは、医療側の立場として「政治的・科学的思考の改革」が必要と強く訴える。「世界的な経済危機で医療サービスへの投資が削減されると、国による結核予防計画が脅かされ、世界規模の結核予防で達成されてきた進歩が台無しになる恐れがある」
 
「医療で手の施しようがなくなる前に、世界は薬物耐性結核の深刻な脅威を認める必要」があり、当面は、新薬と高性能で早い診断ツールの開発が急務だという。

   
結核は、アトピー性皮膚炎の直接の悪化要因ではありませんので、直接の関係はありませんが、気になるのは最近国内で増加している「感染症」です。
最近でも風疹の急激な増加がニュースになっていて、一昨年から百日咳、マイコプラズマ肺炎など、いくつかの感染症が増加している傾向があります。
こうした感染症は、「感染」と「発病」が別物であり、多くの人が感染していても、免疫力の働きにより「発病」患者数は抑えられている、というケースも良くあります。
記事にある結核は、「感染者数」は、実に世界の人口の3人に1人と言われていますが、実際に発病している患者は、世界中で毎年880万人と、感染者数に対する割合は極端に多いわけではありません。
しかし、「抵抗力」が落ちた状態になったり、記事にあるように薬剤に対する耐性を持った菌が現れれば、「発病者数」が増加する恐れは否定できません。

今年の気候がどのように変動していくのか、まだ分かりませんが、梅雨の時期、高温になると、アトピー性皮膚炎の方の「皮膚の感染症」も、増加してくる恐れがあります。

実際、アトピー性皮膚炎患者は、皮膚のダメージがある状態では、10人に9人が何らかの感染症にかかっている、とされており、さまざまな「条件」が整うことで皮膚症状が感染症を伴った悪化状態に陥ることもあります。

昨今の、感染症が増加している傾向の中、一応、こうした感染症によるリスクは十分に注意しておくようにしましょう。

  
おまけ★★★★東のつぶやき

アトピー性皮膚炎の方がかかりやすい感染症は、黄色ブドウ球菌、ヘルペスの二つが代表的なものですが、これらは、どこにでもいる菌・ウィルスです。
黄色ブドウ球菌は、MRSAのように薬剤耐性菌となっていることもありますので、アトピー性皮膚炎の悪化要因として考え、日頃から「体調を整える」「皮膚を清潔に保つ」「睡眠をしっかりとる」「汗の対処をしっかり行う」「適度な運動を行う」「暴飲暴食をしない」など、生活習慣面からも注意することが大切でしょう。