【Q&A】アトピーは遺伝するか?(2)

今日は、昨日の続きじゃ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

まずここで、一つの記事を紹介したい。

●子どもの花粉症増える 「蓄積して発症」はウソだった?
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120429-00000001-jct-soci

花粉症に罹っている子どもが増えている。ウェザーニューズの「第2回花粉症調査」によると、発症の早い子どもの平均年齢は7.4歳だった。
 
原因として考えられていることには、食生活の変化によるタンパク質やカロリーの摂取量が高いことや、免疫力が低下している子どもが増えていることを指摘する医師もいたが、じつは花粉症になりやすい体質は「遺伝する」らしいこともわかってきた。
 
■「16歳以下の3人に1人」は花粉症
 
ウェザーニューズが「第2回花粉症調査」(2012年4月12日?15日に実施)で、「お子さんや周りの子どもで、花粉症の症状が出ている子は、早い子で何歳くらいから発症していますか?」と聞いたところ、27.4%が「4~6歳」と回答し、もっとも多かった。次いで、「7~9歳」が17.5%、「0~3歳」が17.4%となった。
 
同社では全国の50の病院からも協力を得ていて、医師は食生活の変化とともに、幼稚園や保育園に通うなど外出機会が増えていることが、体内に花粉が入りやすい原因の一つになっているかもしれない、と指摘する。
 
一方、ロート製薬が2012年2月に発表した、0~16歳の子どもをもつ父母を対象とした「子どもの花粉症」アンケート調査(2011年11~12月に実施)では、「16歳以下の3人に1人」が花粉症であることがわかった。
 
同社の調査は2006年にも実施しており、「自分の子どもが花粉症だと感じている」人は、06年の30.2%から11年には35.6%となり、5.4ポイントも増加した。
 
またこの中で、花粉症に加えて「通年性アレルギー性鼻炎を併発していると感じている」人も、8.6%から11.2%に増加。さらに子どもが花粉症を発症している親を対象に、「子どもが発症したと思われる年齢」を聞いたところ、「10歳以下」と答えた人は82.1%を占め、06年の75.4%に比べて6.7ポイントも増えていた。
 
花粉症の子どもの多くが、じつは小学校の低学年のときにはすでに発症しているのだ。
 
■花粉症は「遺伝する」?
 
花粉症といえば、体内に蓄積されたアレルギー物質(スギ花粉など)が、ある日突然外部の花粉などに反応してアレルギー反応を起こすと思っていた人は少なくないだろう。そのため、年齢を重ねた、大人になって罹る病気と思われてもいた。
 
それが小さな子どもが発症するケースが増えているのは、なぜだろう――。免疫・小児アレルギーの専門医で、大阪府済生会中津病院小児科の末廣豊医師は「両親がスギ花粉症の場合、そのお子さんは理論的にはほぼ100%、スギ花粉症になります」と言い切る。「遺伝」、というのだ。
 
「アトピーなどの症状のアレルギーも両親のどちらかが(アレルギーを)もっていた場合は60~70%、両親とももっていると80%以上の確率で発症します。花粉症もアレルギーですから、同じように、つまり『遺伝である』と考えられるわけです」
 
たしかに突然に発症する人は少なくないが、「花粉が飛散する量や、その人の体調によって、症状が表に出ていなかっただけと思われます。(発症した人は)事前にアレルギー検査を受けていればアレルギー反応があったはずですよ」という。
 
花粉症は、くしゃみや鼻水、鼻づまりなどが典型的な症状だが、小さい子供の場合はこれらの症状が表に出てこないことがあるそうだ。
 
末廣医師は、「子どもだからといって軽くみてはいけません。子どもほど早めの予防が大事で、そのためには親が早く気がついてあげるしかないんです」と、アドバイスする。
 
鼻をすすったり、目や鼻をこすったり、目の周りが赤くはれたりといった症状には要注意。「集中力が落ちて勉強の成績が落ちるなんてこともあります」と話す。
 
ロート製薬の調べでは、子どもに花粉症の症状が出ている季節は、「4~5月」が最多(62.9%)という。
   

この記事を読むと、「花粉症の場合、両親が花粉症だと、子どもも理論上100%花粉症になる」「アトピーも両親のどちらかがアレルギー症状があれば60~70%、両親ともに持っていれば80%以上の確率で発症します」とあるため、アレルギー疾患そのものが遺伝するのではないか、と思う人もおるかもしれんが、表面上の現象そのものは臨床的に正しいかもしれんが、原因として考えた場合は別とも考えられるじゃろう。

イギリスの研究で、ある喘息の調査があった。
内容は、両親共に喘息を持つ一卵性双生児の双子で、双子が別々の家庭に里子に出されたケースを数多く追跡調査したものじゃ。
一卵性双生児ならば、遺伝子そのものも同一じゃから、体質的にも全く同じといって過言ではないじゃろう。
したがって、このケースで遺伝的な要因が疾患の発症に対する最も重要なファクターとなるなら、片方に喘息の症状が見られれば、もう片方にも必ず見られて不思議ではない。

ところが実際には、双子の双方に喘息がみられたケースよりも、双子の片方のみに喘息がみられたケースの方が多かったそうじゃ。
もちろん、両方の子どもともに喘息が見られなかったケースもあったそうじゃ。
これが、何を意味するか、というと、アレルギー疾患の発症には遺伝的な要因よりも、生活する環境、つまり環境要因の方が深く関わっておる、ということじゃな。

そして、今回の記事中でも、花粉症の両親と一緒に過ごす子どもが花粉症である、というのは、遺伝的な要因も当然考えられるが、同じ生活環境で過ごしている以上、「生活環境要因」が関わっておるから、ということも考えられる、ということじゃ。

実際、遺伝的な要因が「全て」であるなら、治癒させることは困難とも言える。
「体質」そのものを変えることは、遺伝子レベルで変えなければならない、ということもであるので、事実上、今の医学レベルでは、不可能に近いといえるからじゃ。
しかし実際には、アトピー性皮膚炎だけ見ても、「治癒状態」にある人は数多い。

つまり、体質そのものに「変化」がなくても、病気として現れるかどうかは「変化」をつけること、簡単に言えば治すことが可能、ということじゃ。

アレルギー体質そのものは遺伝はする、遺伝はするがアレルギー疾患の場合、遺伝=発病、ではなく、昨日触れたように、「免疫を抑える力が弱くなった」=発病、というように発病するかどうかに最も深く関わるファクターは、免疫機能そのものにあった、ということじゃ。

最後に、今回のMさんのご質問にお答えしたいが、まとめを兼ねて続きはあすじゃ。

  
おまけ★★★★大田のつぶやき

アレルギーは体質的な要因を無視して良いわけではありませんが、体質的な要因が発症そのもので考えた場合、「第一の要因」というわけではありません。
今回の記事でも、外出する機会が子どもが増えてアレルゲンと接触する機会が増えたことを挙げていますが、外で遊ぶ機会を考えると、昔の子どもたちの方が多かったのではないでしょうか?
今の子どもたちは、犯罪などもあって外で遊ぶ機会の方が減り、気密性の高い住宅の中でゲームなどで遊ぶ機会の方が増えてきていると思います。
幼稚園や保育園に通う率は昔も今も変わりはないでしょう。
そういったアレルギーに反応しやすい状況が生み出された要因の方が問題のように感じます。