【Q&A】食物アレルギーと薬について(3)

昨日は、食物アレルギーを克服していく上での対策について書いた。
今日は、食物アレルギーが薬で克服できるのかを述べたいと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 
まず、食物アレルギーに対する薬として、小児科がよく処方するのが「ザジデン」や「インタール」などの抗アレルギー剤じゃろう。
病院では、これらの薬剤を「体質改善の薬」として患者に説明しておることも多いようじゃ。

アレルギーの反応とは、食物アレルギーの場合、

アレルゲンの摂取

肥満細胞に結合したIgEとアレルゲンが結合

肥満細胞からヒスタミンなどの化学物質が放出される

ヒスタミンが、炎症をもたらし、痒みを感じる

おおまかには、このような流れをたどる。
IgEとアレルゲンは受容体で結合し、ヒスタミンが細胞に炎症をもたらすのも受容体に結合してじゃ。
そこで、テレビで良く宣伝されている「受容体ブロック」という働きをもたらすのが、抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤じゃ。
つまり、抗アレルギー剤は、アレルゲンとの反応、ヒスタミンの反応を止める働きを行っておるのじゃが、IgEそのものが血中に存在しておるという大元の原因には対処ができておらん。
したがって、薬剤による「受容体ブロック」の効果が薄れれば、炎症が再び生じ始めることになる。
このあたりは、ステロイド剤やプロトピック軟膏などの免疫抑制剤も同じじゃな。
炎症を引き起こす原因自体は解消されておらず、炎症を引き起こす過程の一部を遮るだけしかできん、ということじゃ。

では、薬剤に何を期待しているのかというと、そういった病気により生じる「症状」を抑えている間に、病気そのものの原因を解消されることを期待しておるわけじゃ。
ところが、残念なことに、乳幼児の食物アレルギーに対して、抗アレルギー剤を処方された場合、大元の原因解消となる「治療」について、患者ごとの原因に正確にアプローチできる方法を提示しておらん。
もちろん、アトピー性皮膚炎や免疫機能の異常からくる食物アレルギーの根本的な病気の原因とは、患者ごとに異なることが多いため、何らかのアプローチを提示することが難しいということもある。
じゃが、少なくとも、そういった薬剤が及ぼす「効果」とはどんなものなかを、患者に対して正しく伝えないと、患者自身が、薬剤を服用する「だけ」が治療と思いこんだ場合、原因へのアプローチそのものに思いをはせないことになるじゃろう。

とはいえ、症状が一定期間続くことは、そのために睡眠不足になり、さらに症状を悪化させるなどの、副次的な要因も考えられるため、状況に応じた対処として薬剤の治療を行うことは、間違いではない。
ただ、、薬剤によってもたらされる「治療」とは、あくまで症状に対する治療であること、そして乳幼児の食物アレルギーそのものの治療は「薬剤だけ」では行えないことを患者側も知っておくべきじゃろうの。

そして、薬剤がもたらす効果の範囲、そして同時に薬剤により受ける可能性のある副作用の範囲を承知した上で、処方する医師とよく相談するようにすると良いじゃろう。

ということで、まゆちんさんの質問へのまとめじゃが、
乳幼児の食物アレルギーは、成長の過程の中で、十分改善する可能性があるので、焦らずに取り組むようにし、薬剤については、症状を抑えるという働きの中で、必要な場合に使用する、ただし、薬剤には病気そのものを「治す」働きはないので、病気そのものを改善するためのアプローチ(昨日述べた生活の中で自律神経や内分泌機能を正しく成長させていくこと)をしっかり行うようにする
ということかの。
まゆちんさんのお子さまの食物アレルギーが、より早く改善することを祈っておる。

  
おまけ★★★★西のつぶやき

薬剤は、一定の効果をもたらしてくれるから、その効果の範囲を正しく理解して使用することは決して間違いではない。
しかし、効果の範囲については、患者側もある程度、知識と情報を持つようにした方が良いだろう。
医師は、悪意ではなく、患者側に「分かりやすい言葉」で、情報を伝えることがある。
例えば、この薬剤は食物アレルギーを治療します、といったとき、患者側は「食物アレルギーが治る」とイメージするが、医師側は「食物アレルギーにより生じる症状を治療します」という意味合いで話しているからだ。
情報に踊らされることは良くないが、情報を誤って理解することのないようにしたいものだ。