NH細胞とアトピー

先日、Webで興味深い記事を見つけた。
今日は、それを紹介してみたいと思う。

 

 

 

 

 

 

 
●アレルギー治療のカギ?新種リンパ球発見 慶大

http://www.asahi.com/science/update/0108/TKY201001080111.html

  
慶応大学の茂呂和世研究員らは、免疫を活性化させるたんぱく質を大量に作り出す新種のリンパ球を見つけた。研究グループは「ナチュラルヘルパー(NH)細胞」と名付けた。将来、花粉症やアレルギー疾患を治療する手がかりになりそうだ。英科学誌ネイチャーに論文が掲載された。

リンパ球はB細胞、T細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞などに大まかに分けられる。グループはマウスの腸の近くの脂肪組織から新種の細胞を発見した。マウスにこの細胞があると、免疫を活性化させるたんぱく質Th2サイトカインが大量に作られることがわかり、NH細胞と名付けた。ヒトにもNH細胞と思われる細胞を確認した。

体内にTh2サイトカインが増えすぎると花粉症や食物アレルギー、ぜんそくなどを起こすと考えられている。小安重夫・慶応大教授は「NH細胞を制御できればアレルギー疾患の治療に役立つかもしれない」と話している。

 
難しい話題かもしれんので、簡単に説明しておきたいと思う。

人間の体の免疫は大まかにTh1(ヘルパーT細胞Ⅰ型)と、Th2(ヘルパーT細胞Ⅱ型)に分けられる。
厳密にいえば、Th3もあるのじゃが、ここでは省略しておく。

さて、Th1とTh2の違いじゃが、主にTh1はウィルスや細菌など外敵に対して働く免疫じゃ。
それに対してTh2は、自己免疫、つまり「アレルギー」として働く免疫であることが分かっておる。
つまり、記事中にあるTh2サイトカインが増加する=アレルギーの免疫が増強する、ということになり、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患が悪化する要因の一つにつながるということじゃ。

そして、あたらに発見されたNH細胞は、このTh2サイトカインを大量に作ることから、アレルギー疾患の原因、もしくは悪化要因として、このNH細胞が関わっておる可能性がある、ということじゃな。

このNH細胞が増える原因がどこにあるのかまでは、記事中では述べられておらんが、その原因が解明されれば、アトピー性皮膚炎の治療に役立つことはあるかもしれん。
もちろん、NH細胞はリンパ球=免疫細胞ということじゃから、そこには自律神経や内分泌が関わっておるじゃろう。

研究が進むことを期待したい。

 
おまけ★★★★東のつぶやき

今月号のあとぴナビの特集記事では、IgEのことを詳しく書いていますが、その中でもこのTh2やサイトカインは関わってきています。
基礎的な研究が進むことで、少しずつでもアトピー性皮膚炎の解決に近付くことは望ましいことです。
できれば皮膚科と連携して、実際の臨床を交えて研究が進んで欲しいものですね。