2018年6月12日

ショウゴです。

 

 

 

 

 

 

 

 

                      
腸内環境は、健康に対してさまざま影響を与えることが分かっているけど、今日は面白い記事を見つけたので紹介するね。
             
          
●腸内の「第2の脳」、排便を促進──仕組みを解明する新発見
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180604-00010007-newsweek-int
        
脊椎動物の腸の中には、脳と脊髄からなる中枢神経系から独立した腸管神経系があり、「第2の脳」とも呼ばれている。最新の研究により、腸管神経系が排便を促進する仕組みが初めて解明された。
        
■腸管神経系とは
        
腸管神経系(ENS)は、消化管壁の中に存在する神経ネットワークを指す。英国の生理学者ジョン・ニューポート・ラングレーが20世紀前半に自律神経系を交感神経系、副交感神経系、腸管神経系に分類するなど、その存在は早くから知られていた。
人間のENSは5億個のニューロンで構成されている。これは脳のニューロンの200分の1、脊髄のニューロンの5倍に相当する。
これまで、ENSが中枢神経系と連携して腸の働きを助けていることは知られていたが、具体的な仕組みについては不明な部分もあった。
          
■豪フリンダース大の研究
             
オーストラリアのフリンダース大学で神経生理学を専門とするニック・スペンサー博士らのチームは、マウスを使った実験でENSの働きを解明する研究成果を論文にまとめ、米国神経科学学会が発行する学術誌「ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス」に発表。科学系メディアのサイエンス・アラートなどが報じている。
論文によると、ENSが大腸の推進運動を促している事実はよく知られているが、大腸に神経性収縮を伝えるENSの発火パターンは未知のままだったという。この発火パターンを探るため、研究チームはニューロンの高解像度画像と電極を使ってマウスの大腸の平滑筋組織から電気信号を記録し、数百万もの細胞に関わるニューロン発火のリズミカルなパターンを発見。このパターンが腸内の筋収縮を促進し、体から排泄物を押し出していることを確認した。
            
■ ENS研究の将来性
               
スペンサー博士はサイエンス・アラートの取材に応じ、「消化管のユニークな特徴は、脳や脊髄から完全に独立して機能できる完結した神経系を持つ唯一の内臓であるという点」だとし、進化の観点からENSが「第1の脳」だとする研究もあると指摘した。
同博士はまた、今回の研究でENSにおけるニューロンの大規模集団が腸の収縮をもたらす仕組みが初めて解明されたとし、今後はこの成果が基礎となり、慢性の便秘などENSの機能不全による腸疾患の治療法が進歩する可能性があると述べた。
            
         
記事を読むと、腸内は「独立した働き」を持っているようだね。
アレルギーやアトピー性皮膚炎に対して、関わる部分は、「全て」ではないにしろ、一定の割合で腸内環境が症状に影響を与えている人がいると思うんだ。
そうした中、体にとって「良い影響」が与えられるような環境を「腸内」に育てていきたいところだよね。

                     
おまけ★★★★大田のつぶやき

ここ数年の、アトピー性皮膚炎に関する研究を見ていても、腸内や皮膚の菌叢に関するものは増えてきています。
アトピー性皮膚炎にとって、一つのキーワードは、常在菌なのかもしれませんね。

2018年6月11日

東です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                
最近、糖質ダイエットを良く耳にしますが、同時にその危険性もいろいろと指摘されているようです。
海外の研究ですが、高蛋白の食事について記事が出ていましたので紹介しましょう。

                                  
●高タンパク質の食事は肉・乳製品ともに心疾患のリスクを増加させると22年にわたる調査で明らかに、心疾患リスクと関係しないタンパク質とは?
https://gigazine.net/news/20180531-high-protein-diet/

「高タンパクの食事」は健康意識の高い人から注目されていますが、一方で過去の研究からタンパク質、特に動物性タンパク質を多くとることは2型糖尿病や死のリスクを上げる危険性があることが示されていました。そこで東フィンランド大学で栄養疫学について研究するJyrki Virtanen助教授が率いる研究チームは、高タンパクな食事は人々の健康に本当に利益をもたらすのか?ということを調査すべく研究を行いました。その結果、たとえベジタリアンであっても植物性タンパク質を多く摂取していると、心不全のリスクは増すことが示されています。
研究では、42歳から60歳の男性2441人を対象に平均22年間の追跡調査を実施。1984年に研究を開始した時、被験者は「研究開始前4日に何を食べたか?」というアンケートに答え、そこからタンパク質の摂取量ごとに4つのグループに分けられました。研究を行っている最中に心不全と診断されケースは334例であり、研究者らはどのグループと心不全の間に関連性があるのか、またタンパク質の種類と心不全の間に関連性があるのかを調べました。
1日平均で109gのタンパク質を摂取しているグループを「最もタンパク質摂取が多いグループ」、1日平均78gのタンパク質を摂取しているグループを「最もタンパク質摂取が少ないグループ」としたときに、最もタンパク質が多いグループは少ないグループよりも心不全のリスクが33%高いことが判明しました。さらに、この2つのグループの比較を細かく見てみると、動物性タンパク質を多く取っているグループは43%、乳製品からタンパク質を取っているグループは49%心不全のリスクが高かったとのこと。植物性タンパク質を多くとっているグループも心不全のリスクは高かったものの、その差は17%であり統計的には大きな違いではないとForbesは指摘しています。
また、魚や卵からタンパク質を摂取しているグループと心不全との関連性は確認されていません。2018年5月21日に中国の研究チームが成人40万人を対象に行った研究で「1日1個の卵が心血管疾患のリスクを低下させる可能性がある」ということが示されましたが、今回の研究もこの結果を支持したものとなりました。また、魚に含まれるω-3脂肪酸も虚血性心疾患のリスクを下げるという報告があります。
ただし、今回の研究は被験者を男性に限定している点と、食生活について訪ねられたのが1度きりである点、そして研究規模の小ささによって結論が限定的となっていることが指摘されています。
また国や地域、性別によってタンパク質を摂取する量に違いがあり、今回の研究の被験者であるフィンランド住民の1日のタンパク質摂取量は1人あたり107gで、アメリカの場合は114g、日本の場合は92gだといわれています。
タンパク質の推奨食事許容量は体重1kgあたり0.8g、つまり体重50kgの人であれば40g、60kgの人であれば48gという計算になります。つまり、100g近い量を摂取しているという状態は推奨量の2倍のタンパク質を取っているということ。とはいえ、卵1個あたりのタンパク質量が7.4gほど、和牛もも肉100gあたりのタンパク質量が21.3gなどなので、食生活のスタイルによっては1日に必要なタンパク質量に達していない人もいるはずです。

                                      
アトピー性皮膚炎の方は、食事に気をつけている方も多いのですが、肉食中心の食生活の方も多いようです。
基本的に、食事とは、「バランス」も考えなければなりません。
エネルギー量を減らすだけなら、糖質を制限する、という考え方も分かりますが、タンパク質を活かすには糖質が、そして糖質を活かすには脂質とタンパク質が必要になります。
食事の内容は、症状悪化に影響を与えることが多いので、気をつけるようにしましょう。

                     
おまけ★★★★大田のつぶやき

食生活習慣は、個々人により異なります。
プラスの面とマイナスの面が、食事の内容により現れてきますが、できるだけプラスが積み重なるような食生活にして欲しいと思います。

2018年6月10日

大田です。

 

 

 

 

 

 

 

 

                   
アトピー性皮膚炎の統計調査で、定期的に行われているものとして、文部科学省が行っている「学校保健統計調査」があります。
これは、全国の約1/4ほどにあたる学校を抽出、その生徒の健康状況を、学校が行っている健康調査をもとに報告されたものを集計しています。
この他に、都道府県が独自に行う調査もあるようですが、興味深い記事が出ていましたので、紹介しましょう。
                
             
●ぜんそく・アトピー割合、北海道は全国の倍以上
http://www.yomiuri.co.jp/science/20180604-OYT1T50008.html
              
道教育委員会は、2017年度に実施した学校保健調査の結果、小中高校生でぜんそく、アトピー性皮膚炎が増加していると発表した。
文部科学省調査の全国平均と比較すると、ぜんそく、アトピーとも道内の小学生は約2倍、中学生は2倍以上、高校生は3倍以上となった。
学校保健調査は、道教委が3年に1度実施している。17年度は、小中高校など計2047校47万1026人を対象に行った。
ぜんそくの割合は、小学生が7・57%(前回比0・92ポイント増)、中学生が6・53%(1・11ポイント増)、高校生が6・28%(0・61ポイント増)となった。いずれも調査開始の02年度以降で最悪だった。
              
                
なぜ北海道のアトピー、ぜん息患者が多いのか、明確な理由は分かりません。
一説には、暖房など気密性の高い室内環境が関係しているのでは、とも言われているようですが、全国平均よりも上昇したのは2011年からのため、気密性以外の問題も考えなければならないでしょう。
2011年度といえば、東日本大震災が発生した年度ですので、地震が関係した何らかの影響(ストレスなど)が見られているのかもしれません。
実際、被害が大きかった地域の県別の数値を見ていくと、北海道以外でも、低い年齢のアトピー患者が、全国平均よりも多くなっている傾向はあるようです。(宮城県では、2017年度の幼稚園児のアトピー患者の割合が全国平均の倍近い数値だった、など)
この辺りも、調査を進めていくと、アトピー性皮膚炎の対策に役立っていくかもしれません。学校保健統計調査以外で全国的に行われている大規模調査にエコチル調査がありますす。10年以上かかる調査ですので、まだ半ばではありますが、その結果も見守っていきたいと思います。

                          
おまけ★★★★大田のつぶやき

最後に書いたエコチル調査とは、環境省が行っている、日本中で10万組の子どもたちとそのご両親が参加する大規模な疫学調査です(「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」)2011年より実施されています。「エコロジー」と「チルドレン」を組み合わせて「エコチル調査」と名称がついています。
赤ちゃんがお母さんのお腹にいる時から13歳になるまで、定期的に健康状態を確認させていただき、環境要因が子どもたちの成長・発達にどのような影響を与えるのかを明らかにする調査のことです。長い期間かかる調査ですが、新しいことが明らかになることが期待されますね。

2018年6月9日

編集の北です。

 

 

 

 

 

 

 

 

                     
今月号(6&7月号)が電子版でアップされました。
そこで、簡単に今月号の内容について紹介したいと思います。
                     
          
◆◇ 電子版「あとぴナビ」2018年6&7月号の内容 ◇◆
      
        
■特集 肌免疫を高める夏に行う4つのケア
梅雨から夏にかけて、アトピー性皮膚炎を悪化させやすい要因は、お肌の要因と体の要因の二つに分かれてきます。それらの要因に対処するための、これからの季節に必要な4つのケアについて考えていきましょう。

■特集 アトピー性皮膚炎の改善は睡眠から
睡眠は、アトピー性皮膚炎の方にとって、重要な生活習慣の一つです。
内分泌の関係、そして掻き傷の修復、さらには、強いかゆみを誘発したり、密接で深い関係があります。これから、暑くなってくると、寝苦しく睡眠が取れづらい方も増えてくるのではないでしょうか?
アトピー性皮膚炎の方の睡眠の傾向から、その対策に必要なことを考えてみましょう。
■アトピー体験談
今月は2例の事例についてご紹介いたします。

■その他、6~7月のキャンペーン情報など

 
          
今月は、夏の季節を上手に過ごすためのケア方法について述べています。
その他、QRコードを使った動画の記事などもありますので、ぜひご覧ください。

                          

おまけ★★★★北のつぶやき


         
電子版あとぴナビ2018年6&7月号は、下記でご覧いただけます。
パソコンやスマホ、タブレットで読めますので、ぜひご覧ください。
            
●電子版あとぴナビ2018年6&7月号
http://www.atopinavi.com/eb/index.html

2018年6月8日

ジョシュアです。


 

 

 

               

 
各地で梅雨入りが始まりました。
天候が不安定な日々が、しばらく続きます。
お肌のケアも、合わせるように注意しましょう。
さて、今日は2択の質問を行い、投票が多かった方、全員にスキンケアうるおいシート(Mサイズ)を1枚、プレゼントします!
         
               
  
◆プレゼント
スキンケアうるおいシート(Mサイズ)1枚を、下記の質問の投票が多かった方に投票された方、全員に。
★★質問です★★

あじさいの花の色で、あなたがイメージする色は?

A・紫
B・オレンジ
             
なお、商品について詳しくは、下記でご覧ください。
   
 
     
◆うるおいシート・Mサイズ(1枚入)
http://shop.atopinavi.com/item/more?goods_id=624
          
一度に広範囲をしっかり集中保湿できる「スキンケア」シートです。
新成分LPSを配合、さらに防腐剤無添加でやさしくお肌のバリア機能を助けます。
拡げて大きな面としてだけでなく、部位によっては適当な大きさに折りたたんだり、カットして使えるので、顔から足先まで状態に合わせてケアできます。
お肌に乗せたり固定するなどして、30分程度を目安にご使用になると、有効成分がお肌に浸透、しっとりとうるおいます。

  
 
◆あて先
info@atopinavi.com

 

◆必要事項
メールの件名に「プレゼント応募」と記入して、本文には、質問の答え(「A」、「B」、もしくは「紫」「オレンジ」で回答してください)ご応募者の方の郵便番号、住所、氏名、年齢、電話番号を明記して送信してください。

 

◆締め切り
6月17日(日)を締め切りとさせていただきます。
 
 
◆発表
多かった質問の答えの発表は、6月21日のブログにて。
プレゼントの発送は、6/25以降で順次、行います。
 

◆注意事項
応募のメールはお一人様、一通のみとさせていただきます。
また、お名前、ご住所などの必須事項は忘れずに!

   
じゃあ、またね!

                    
              
おまけ★★★★ジョシュアのつぶやき

質問の答えを書き忘れると、応募が無効になるので気をつけてね。
それと、答えは、なるべく一般的なイメージの方を選ぶと良いかもね。

2018年6月7日

ジョシュアです。
 
  
  
  
  
  
 
 
 
                    
 
 
 
 
 

今日は、5月25日のプレゼントの当選者の発表です!
いつもの通り、県名、お名前(ペンネーム)、年齢を表記しますので、チェックしてね!!
         
       
         
◆プレゼント
ピュアサージオイルを抽選で3名様に

          
 
              
           

発表です!
当選者の方は、次の方々です!
          
     
青森県 こパンダさん(24)
神奈川県 山崎由美子さん(0)
奈良県 acoさん(38)

         
            
           
        
        
以上、3名の方が当選しました!
おめでとうございました!
        
         
商品の発送は、来週中の予定です。
お楽しみに!!

                           
おまけ★★★★ジョシュアのつぶやき

明日も僕が登場です。
お楽しみに。

2018年6月6日

大田です。

 

 

 

 

 

 

 

                    
今日は、今回のテーマの最後で、昨日の続きです。

あとぴナビの、スキンケア開発は、この共同研究が失敗してから、防腐剤を使わない市場に流通できるアイテムがテーマになりました。
そして誕生したのが、APシリーズです。

市販で使用できる防腐剤は、合成されたものばかりでしたので、それを天然の防腐効果を持つもので、化粧品に使用できるものが無いかを探したのです。
その中で、あるメーカーから提案いただいたのが「ミネラル塩」でした。
これは、40種類以上の野草を野焼きして作られたミネラルのサプリメントがあるのですが、これを水溶液かしたものが保湿効果が高い、ということで化粧品の原料登録を行ったものでした。

ミネラル濃度が高い、ということは同時に、ある程度の防腐効果も有します。
いわゆる、お醤油が腐らないのは、ミネラル濃度が高いから、という原理と同じです。
問題は、そうしたミネラル濃度を防腐効果を得られるまで高めた場合に、皮膚に刺激とならないのか、ということでした。
そこから数社の化粧品会社に試作いただきましたが、いずれも、皮膚に刺激を感じない濃度では防腐効果が得られず、頓挫しかけたときに、現在、APシリーズを製造いただいているメーカーが、製造の撹拌温度などを調整するなど、独自の製造技術により、高すぎない濃度で防腐効果を付与することに成功したのです。

その結果、現在もAPシリーズは、あとぴナビのアイテムの中で、最もご利用いただいているアイテムとなりました。もちろん、全員の方に合う、ということではありませんが、皮膚のダメージを抱えている方でも、他のアイテムと比較して浸みづらく使いやすい、ということでご利用者が増えていきました。

もちろん、防腐剤が全て良くない、ということではありません。
実際、市販されている化粧品や薬剤のほとんどは、防腐剤を使用していますし、あとぴナビのアイテムの多くも同じです。
ただ、皮膚の常在菌の乱れがアトピー性皮膚炎の原因となっている方の場合には、もしかすると、防腐剤を含まないアイテムでのケアが必要な時期があるのではないでしょうか?

健常な方は、皮膚のバリア機能も落ちておらず、一定の菌叢が「肌を守っている」場合には、仮に防腐剤が含まれた化粧品を使用しても、復元力は高く、大きな問題とはなりません。
しかし、掻き壊しが皮膚に生じていて、さらに皮膚の細菌叢の乱れがアトピー性皮膚炎の原因として関わっている方の場合には(なお、アトピーの原因は、細菌叢の乱れだけではありません)、こうした菌叢に影響を与えにくいアイテムの使用も有効なのかもしれません。

いずれにしても、今後、アトピー性皮膚炎の治療は、これまでの「炎症をいかに抑えるのか」という考え方から、皮膚を自分で守る力をどのように育てるのか、という方向性に向けて変化していくのかもしれません。
こうした研究には、しばらく注目しておきたいと思います。

                 
おまけ★★★★大田のつぶやき

「脱保湿」という考え方があります。
これは、簡単に言えば、皮膚に塗布する一切のケアアイテムは使わず、自分の力でスキンケアが行えるように待つ、という方法です。
汗をかけるなど、自分の力でスキンケアを行える環境が必要になりますが、脱保湿そのものは、防腐剤により影響を受ける細菌叢の観点からは、利点が多い方法なのでしょう。
ただし、皮膚の細菌叢を乱す原因の一つには、「掻き壊し」という問題も関わっていますので、防腐剤を使わないこと=細菌叢を元に戻す、ということではないことは承知しておいた方が良いでしょう。

2018年6月5日

大田です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                      
今日は、先日、紹介した記事に書かれていた「細菌移植」が果たして可能なのかについて考えてみたいと思います。

あとぴナビでも、皮膚の細菌叢については、以前から注目をしており、15年ほど前に菌の専門家の先生を取材したことをきっかけに、あるテーマで、某国立大学の感染症の研究室と共同研究を行いました。

そのテーマとは、

「黄色ブドウ球菌を死滅させて、表皮ブドウ球菌を増やすスキンケアアイテムの開発」

というものでした。
当時から、アトピー性皮膚炎の方に黄色ブドウ球菌が多いことは研究で分かっていました。そのときはまだ、黄色ブドウ球菌が、どのようにアトピー性皮膚炎の症状悪化につながっているのかまでは分かっていませんでしたが、消毒などにより黄色ブドウ球菌を一掃することでアトピー性皮膚炎の症状が軽快することは臨床的に分かっていました。
しかし、皮膚の消毒は、黄色ブドウ球菌を退治してくれますが、同時に、本来の常在菌である表皮ブドウ球菌も死滅させます。
そのことが関係しているのか、長期の消毒は、短期的な症状の改善は見込めても、やがて症状は元の状態に戻り、炎症も増加することが臨床的な傾向として見られていました。

そこで、黄色ブドウ球菌だけを退治して、逆に表皮ブドウ球菌を増やす「育菌」のスキンケアが行えないかを考えたのです。
結果の部分を先に言うと、某国立大学との共同研究は成果が得られずに失敗に終わりました。

スキンケアアイテムを、市場に流通させるためには、

・常温保存ができる
・適切な保管状態であればれ、未開封の状態で5年間は品質が変わらない

ことが望ましいとされています。
これは、化粧品の製造許可を持ったメーカーが集まって作られた組合の内規なのですが、美容成分などを含んでいる以上、常温保存で未開封で5年間もの間、品質を変えないためには防腐剤が不可欠でした。
もちろん、防腐剤を使わないでも化粧品は作れますが、その場合、冷蔵保存でさらに短期間で使いきることが原則になります。
特にエキス類を配合した場合、自然放置すれば腐敗しますから、その処理は不可欠なものでした。

ところが、この防腐剤が、皮膚に存在する常在菌を死滅させてしまうことが分かったのです。その量は微量であっても、影響を与えていました。また、黄色ブドウ球菌を死滅させるために使う成分で表皮ブドウ球菌に影響を与えない成分は、放置すれば腐敗する成分しかみつからず、結果的に防腐剤が不可欠である以上、皮膚の常在菌に影響を与えないわけにはいかない、という結論を得て約2年間の共同研究は終わりを告げたのです。

研究を行っていた当時は、なぜ防腐剤が皮膚の常在菌に影響を与えるのか、漠然とした理由しか分かりませんでしたが、今回の記事を読むと、「防腐剤(※7)がRoseomonas mucosaというグラム陰性菌の増殖を阻害し、」という部分が関係していたのかもしれません。

少し話がそれますが、この「防腐剤」が、その後、しばらくはあとぴナビのアイテムを開発、導入するためのテーマとなりました。
明日は、その部分も少し触れてみましょう。

                             
おまけ★★★★博士のつぶやき

当時は、表皮ブドウ球菌に特に注目していたわけじゃが、健全な皮膚の細菌叢は、いろいろな菌が関わっておる。
特定の菌だけを育てることは、非常に難しかったのじゃが、今後、そうした研究も進んでくると良いように思うの。

2018年6月4日

大田です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                  
今日も昨日の続きです。
昨日、紹介した記事についてポイントなどを考えてみたいと思います。

記事の大まかな内容を要約すると、アトピー性皮膚炎の方の皮膚の菌叢は、健常な方の菌叢とは異なり、それがアトピー性皮膚炎の原因になっているから、健康な方の菌叢に近づけるための方法を模索する、というものです。
では、この乱れた菌叢とは、遺伝的な先天的要因により決定されるのかというと、そうではないようです。
日本の研究になりますが、アトピー性皮膚炎の人の菌叢と健常な人の菌叢を比較、その後、アトピー性皮膚炎が治癒された方の菌叢と治癒しなかった方の菌叢を調べると、前者は健常な人の菌叢に近い状態になっており、後者は黄色ブドウ球菌などが多い菌叢のままだった、そうです。
さらに、いったんアトピー性皮膚炎が治癒して、健常な菌叢になった方の中で、その後、アトピー性皮膚炎が再発された方は、元の黄色ブドウ球菌を中心とした菌叢へと戻っており、アトピー性皮膚炎が再発していない方は、健常な方と同様の菌叢を維持していたそうです。
その研究は、アトピー性皮膚炎と感染症について調べるものだったため、菌叢の変化に対する細かな追跡調査や研究などは行われていませんでしたが、菌叢の推移をみる限り、遺伝的な先天的要因、というよりも、環境などの因子が関わった後天的な要因が関係していると考えられます。

では、アトピー性皮膚炎の症状である「炎症」「痒み」を引き起こす原因に、皮膚の細菌叢が関わっている、として、なぜ皮膚の細菌叢は健常な状態から変化するのでしょうか?

最も大きな原因として考えられるのは、角質層の乾燥です。
エアコンの普及、室内環境における化学物質の増加、食生活の変化、睡眠が夜型生活へ移行し睡眠不足が増加、化粧品の使用や精神的、肉体的なストレスの増加など、角質層を乾燥させる要因は数多く身の回りに潜んでいます。
角質層が乾燥することで、真皮内に留まっていた痒みを知覚する神経線維が角質層内に伸びてきて、皮膚に対する知覚刺激を痒みとして認識しやすくなり、掻き壊しが生じやすくなります。
また、角質層の水分が不足すると、同時に角質細胞を支える細胞間脂質内の水分も不足状態になり、バリア機能が低下、外部からの異物の侵入を許しやすくなります。
ここに皮膚の異常細菌叢の形成が同時に重なると、体内のアレルギー因子が増加(IgEを増加させる)、連続した慢性的な痒みが生じることに繋がってきます。

健常な方のB細胞を調べると、細胞の表面にIgEが出現していない「sIgE-B細胞」が多いことが分かっています。それに対して、アトピー性皮膚炎の方のB細胞は、Gal3(ガレクチン3)の受容体にIgEを持った「sIgE+B細胞」が多いことが分かっています。
本来、抗原抗体反応により、抗体(IgE)は増加いていきますが、このsIgE+B細胞は、それとは別にIgEを放出して、連鎖的にアレルギー的な体内の要因を増強していくことになります。
この健常な方に多いはずのsIgE-B細胞を+B細胞に変えていくのには、インターロイキン4
が関わっていることが分かっています。
インターロイキン4を増加させる要因は、生活内の環境や生活習慣に関係しています。
睡眠不足、食生活のバランスが悪い、ストレス、運動不足、化学物質など、角質層を乾燥させる要因と被るものが多く、皮膚の細菌叢の乱れを作り出す素因が角質層の乾燥にある場合、その乾燥させる原因の一部は、体内にアレルギー反応を増強させる原因と重なることで、より症状を悪化させやすい状況につながっているとも考えられるでしょう。

では、記事に書かれていた「健常なヒトの菌叢をアトピー性皮膚炎の患者に移植することは可能なのでしょうか?
明日は、その部分も考えてみたいと思います。

                       
おまけ★★★★北のつぶやき

今日の内容で出てきたsIgE+B細胞についても、あとぴナビで取材して特集を掲載しています。少し難しい話になりますが、興味のある方はご覧ください。

●主治医も知らない!?「IgE」とアトピーの関係
http://www.atopinavi.com/navicontent/list?c1=health&c2=1&c3=58

2018年6月3日

大田です。

 

 

 

 

 

 

 

                      
今日は昨日の続きです。
アメリカで報告があった皮膚の細菌叢の研究とは、どういった内容だったのかを紹介しましょう。
         
          
●アトピー性皮膚炎「細菌移植」治療の可能性
https://news.yahoo.co.jp/byline/ishidamasahiko/20180524-00085611/
          
アトピー性皮膚炎(Atopic Dermatitis、AD)は、日本人の10%前後がかかっていると推定されるアレルギー性の慢性疾患だ。痒みによる睡眠障害や集中力の低下、皮膚の損傷などにより患者の生活の質(QOL)を著しく損なう。そんなアトピー性皮膚炎で皮膚に生息する微生物を移植するという治療法が新たに報告された。
         
▼最近になってわかった常在菌の役割
        
アトピー性皮膚炎は、主に痒みや痛みを伴う湿疹が出るアレルギー性の病気であり、治療にはステロイド外用剤などの薬物療法などがあるが、完治寛解させる治療法もまだ確立されていない。原因は環境や免疫系の異常など多様と考えられ、患者の多くがアトピー素因(家族歴、IgE抗体の産生しやすさ)を持ち、皮膚が乾燥したり(角層、皮膚バリア機能の低下)アレルギー性炎症を起こしたりする(※1)。
以前からアトピー性皮膚炎の患者の皮膚には、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)が多く繁殖していることがわかっていた。だが、この微生物とアトピー性皮膚炎との間にどんな関係があるのかが解明されたのはごく最近のことだ(※2)。
腸内細菌叢などの研究が進んでいるように、人間の常在菌が健康や病気に大きな影響を与えていることが次第に明らかになってきている。アトピー性皮膚炎も微生物研究により、皮膚上の常在菌であるブドウ球菌叢の中で黄色ブドウ球菌が異常繁殖(コロニー形成)し、黄色ブドウ球菌から発生する毒素がアトピー性皮膚炎の原因や悪化させる要因なのではないかと考えられるようになった。
同時に、この黄色ブドウ球菌をなんとかすればアトピー性皮膚炎の治療につながるのではないか、という研究も進められるようになってきている(※3)。黄色ブドウ球菌に対抗する微生物を導入したり薬物で減少させたりする研究(※4)もあるが、導入微生物や薬物による副作用などの危険性も捨てきれない。
そこで、アトピー性皮膚炎の患者の皮膚へ、健康な人から皮膚の微生物を移植すればどうかという研究が発案される。
米国の国立アレルギー・感染症研究所の研究グループは、2016年に健康な人の皮膚から採取したRoseomonas mucosaというグラム陰性菌を使い、ヒトのアトピー性皮膚炎を再現させたモデルマウスに移植してみたところ症状が改善した。アトピー性皮膚炎の患者から同じグラム陰性菌を採取し、移植するとむしろ悪化したという(※5)。
同じ研究グループは、実際に人間の患者で同じ臨床試験を成人10人、幼児5人で行ってみたという論文(※6)を最近発表した。このグラム陰性菌は試験前に毒性がないかマウスを使って確認され、参加者に使用された。
          
▼化粧品などの防腐剤が悪化させる
        
10人の成人患者に対しては、6週間、週に2回、患部に健康な人の皮膚から採取されたグラム陰性菌が局所投与され、5人の幼児患者には、月に1回、4ヵ月間にわたって局所投与された。それぞれ成人は2週ごと、幼児は1ヶ月ごとにグラム陰性菌の用量を上げていったという。
この臨床試験の結果、成人患者10人のうち6人で、幼児患者5人のうち4人、15人の参加者のうち10人でアトピー性皮膚炎の症状が緩和した。これはプラセボ群の緩和率(5~30%)より高い50%以上(66.7%)の効果であり、副作用などは確認されなかったという。
症状が緩和しなかった5人についてはアトピー性皮膚炎の家族歴との関連が示唆され、血縁者の中には黄色ブドウ球菌の感染症で幼児期に亡くなっていたケースもあった。研究グループは、皮膚の常在菌や微生物に対する耐性と遺伝的な要因に何らかの関係があるのではないかと考えている。
試験参加者は、通常の生活やステロイド外用剤などこれまでの治療を継続するように求められていたが、研究グループは参加者がどのような化学物質などにさらされていたかも同時に調べた。その結果、食品や化粧品などの防腐剤(※7)がRoseomonas mucosaというグラム陰性菌の増殖を阻害し、それがアトピー性皮膚炎の悪化と関係していることがわかった。
研究グループは、アトピー性皮膚炎の患者の皮膚では、常在菌のバランスが崩れ、皮膚上のブドウ球菌叢で毒素を出す黄色ブドウ球菌が皮膚の乾燥や痒みなどを引き起こしているという。今回の研究により、健康な皮膚からRoseomonas mucosaなどのグラム陰性菌を移植し、皮膚の常在菌のバランスを正常に戻すことで治療に役立てられる可能性が出てきた。
        
          
研究の内容は、アトピー性皮膚炎の患者に、健康な人の皮膚から採取された菌を移植、治療に役立てよう、というものです。
基本的な概念は、最近主流となっているアトピー性皮膚炎の原因についての考え方に沿ったものであると言えるでしょう。
明日は、この研究報告のポイントなどを考えてみたいと思います。

                       
おまけ★★★★東のつぶやき

ある腸内の疾患においては、同様に、健康なヒトの菌を移植することで治療につなげよう、という研究が行われているそうです。
ヒトは、菌との共生が大きなテーマなのかもしれませんね。