ワクチンで全てを解決することはできなかった(2)

東です。

 

 

 

 

 

 

 

                       
今日は、昨日の続きになります。
                       
          
●接種率78%「イスラエル」で死亡者増加のなぜ
「集団免疫」の勝利から一転、ロックダウンも
https://toyokeizai.net/articles/-/450304
         
▼子どもの学校感染が発火点
        
ところが、その数日前、ある家族がギリシャ旅行からイスラエル中部のモディーン市に戻ってきていた。テルアビブとエルサレムの間に位置する中産階級のベッドタウンだ。市長によると、同市は12歳以上の住民の90%以上がワクチン接種を完了し、イスラエルでもトップクラスの接種率を誇る。
この家族には接種可能な年齢に満たない子どもがおり、当時の規則では、その子どもはPCR検査で陰性が確認できるまで最低でも自宅で10日間待機する必要があった。にもかかわらず、保護者は子どもを学校に行かせ、結果的に約80人の生徒がデルタ株に感染した。
その後、デルタ株はイスラエル全域に広がり、今では感染の大部分が国内のデルタ株によるものになっている。
バリサー氏は、当初の対策は効果を上げたとはいえ、イスラエルのパンデミックはまだ終わっていない、と5月に警鐘を鳴らしていた。ワクチンの効きにくい変異株が出現する危険が引き続き存在していたからだ。
人口900万人のイスラエルには、接種を避けている人が今も100万人ほどいる。さらに、最初に接種を受けた高齢者を中心に、ワクチンによる免疫が時間とともに弱まってきたことを示す証拠が科学者によって次々と確認されるようになった。
      
▼デルタ株への予防効果は39%に
         
イスラエル保健省が7月下旬に公開したデータによると、イスラエルにおけるファイザー製ワクチンの感染予防効果は1?4月上旬の95%に対し、6月下旬?7月上旬には39%まで下がっていた。ただし、重症化予防効果はいずれの期間も90%を上回っている。
専門家は、これは暫定的な評価にすぎず、まだ科学的に証明されたわけではないと言うが、それでも感染状況は夏にかけてスパイラル的に悪化した。
学校が休みになり、国内のホテルも家族連れで混み合うようになった。デルタ株が世界中で猛威を振るう中、1日当たり最大4万人が国外に出かけた。6月には新型コロナ感染症による死者がゼロの日も多かったイスラエルだが、8月の死者数は、月末まで10日以上残した段階ですでに230人を超過した。
感染の中心はこれまで、ワクチン接種率が低く、密集して暮らす超正統派ユダヤ教徒のコミュニティーだったが、今回は中産階級が暮らす接種率の高い郊外が中心になっている。
専門家からは、新政権の対応の遅さを批判する声が上がる。
今回の感染再拡大は、6月中旬のベネット新政権発足と重なるようにして進んできた。すでに3度のロックダウンを経験したイスラエルでベネット政権は、ウイルスと共生しながら経済をフルに回すという新たな方針で臨んだ。ベネット氏はこれを「ソフトな抑え込み」政策と呼んだ。
感染の再拡大を受けて、6月25日には屋内でのマスク着用が再び義務化されたが、ルールは十分に守られなかった。危機感を募らせた医療専門家は、あらゆる集会の制限を含む一段と厳しい措置の導入を求めるようになり、政府の諮問委員会も7月と8月1日の2度にわたってグリーンパスの即時再導入を呼びかけた。
「緊迫感がやっと戻ってきたのは、ここ2週間のことだ」と諮問委員会のメンバーを務める公衆衛生の専門家ナダブ・ダビドビッチ氏は言う。「今行っている対策は、7月に講じておくべきものだった」。
ただ、春につかの間の成功を味わい、コロナ疲れの広がるイスラエルでは、人々の行動を再び引き締めるのは難しくなっている。感染が広がる中でも国民の危機感が高まってこない状況に、当局は不安を隠さない。
          
▼崩れたワクチン一本足打法
            
イスラエルが今、望みをかけているのが3回目のブースター接種だ。60歳以上から始まったブースター接種は接種対象を50歳以上へと足早に拡大し、すでに今月、100万人以上が3回目の接種を完了した。
しかし、3回目の接種を終えたダビドビッチ氏は今、対策を何重にも重ねる必要があると確信している。マスクの着用、多くの人が利用する施設への入場を接種者もしくは感染から回復した人に限定する措置、医療提供体制の強化といった対策を何層にも積み重ねる戦略だ。
ダビドビッチ氏が言う。「以前はワクチンですべてが解決すると思われていた。私たちは今、ワクチンだけでは十分でないことを知っている」。
          
          
記事は以上です。
これまでお伝えしてきたように、ワクチンの接種は感染を防ぐのではなく、発症や重症化を緩和する働きが目的です。
そして新型コロナウイルスは、感染すると、発症しなくても他の人に移す恐れがあること(無症状者が感染源になること)が指摘されています。
さらに、最近では、ワクチンの接種後に、重症化例や死亡例も少しずつ出てくるようになりました。
ワクチンの接種はあくまで、感染した場合の「重症化リスクの保険」に過ぎないのですが、「感染を防止できる盾」のように考えている人が多く、イスラエルはまさにこの状況に陥っていたと言えるでしょう。

新型コロナウイルスに対する向き合い方は、「感染」と「発症」の考え方を正しく把握した上で、対処していくようにして欲しいと思います。

                                    
おまけ★★★★大田のつぶやき

ワクチンの接種は、新型コロナウイルス対策の「終点」ではなく「始点」なのです。
ワクチンを接種することで、行動寛容が許されるのは、感染防止に対してではなく重症化防止に対してです。
最近はミュー株の出現もニュースになっているように、今後もウイルスは変異を続けていきます。そして、その変異が人類にとって「危険な変異」の可能性を常に秘めていることを忘れずに、必要な感染予防対策を適切に行っていくようにしましょう。