TARC検査とアトピーとコロナ

東です。

 

 

 

 

 

 

 

                           
今日は、Webで見つけた記事を紹介したいと思います。
          
        
●アトピーの重症度評価を行う「TARC」検査、コロナ患者の「重症化リスク」鑑別補助にも使用可―厚労省
https://gemmed.ghc-j.com/?p=40592
         
新型コロナウイルス感染症の重症化リスクを鑑別補助する検査手法として、アトピー性皮膚炎の重症度評価を補助する「TARC」を、保険診療の中で実施することを認める―。
厚生労働省は6月11日に通知「検査料の点数の取扱いについて」を発出し、こうした点を明らかにしました。
         
▼コロナ感染症の重症化リスクを鑑別補助する検査手法の開発続く
            
新型コロナウイルス感染症が依然として猛威を振るっています。緊急事態宣言の効果か、東京圏や大阪圏では新規感染者の増加ペースが落ち着いてきていますが、沖縄県などでは予断を許さない状況が続いています。こうした中では、やはり「感染防止策の徹底」と「医療提供体制の確保」が最重要施策となります。
後者の「医療提供体制」に関しては、▼新規感染者が急増する▼医療スタッフの確保が難しい▼回復患者の転院が思うように進まない―などの複合的な要因により「逼迫」(病床不足)が各地で大きな問題となりました。このため改正感染症法などで「入院医療を重症患者に重点化し、軽症患者などは宿泊療養・自宅療養とする」方針が策定・実行されています。
ただし、新型コロナウイルス感染症では、軽症患者であっても▼高齢である▼基礎疾患がある▼妊娠している―などのケースでは、重症化することが多く、また「極めて短期間に重症化する」ケースも少なくありません。また、こうしたリスク因子を持たない人の中にも「急速に重症化し、不幸にして死に至る」ケースもあります。
このため、産官学をあげて▼「重症化リスク因子」の特定▼当該因子の鑑別?に向けた研究が進められてきています。
そうした中で今般、「TARC:thymus and activation-regulated chemokine」というタンパク質を測定することで、新型コロナウイルス感染症患者の重症化を予測できることが分かり、薬事・食品衛生審議会で「適応の追加」が認められました。すでにアトピー性皮膚炎の重症度評価補助に用いることが保険診療の中で認められています。
新型コロナウイルス感染症の重症患者では、体内で大きな炎症が生じています。その際、人体を守るために、細胞増殖・免疫細胞活性化に関係する「サイトカイン」というタンパク質が産生されます(関連記事はこちら)。TARCは、その1種であり、新型コロナウイルス感染症の重症患者では、このTARC量が増加していることが分かったのです。
これを受け「保険診療の中で、本検査(TARC検査)を新型コロナウイルス感染症の重症化リスク鑑別補助」に行うことも認められました。
今般の通知では、その際の留意事項が示されており、「COVID-19(新型コロナウイルス感染症)と診断された患者(呼吸不全管理を要する中等症以上の患者を除く)の重症化リスクの判定補助を目的に、血清中のTARC量を測定する場合」に、一連の治療につき1回を限度として、D015 【血漿蛋白免疫学的検査】の「18 TARC」(184点)を算定することが可能です。保険診療の中では「発症後間もない、軽症患者や無症候患者の中から、重症化リスクの高い患者を鑑別するために本検査を用いる」ことが想定されていると言えるでしょう。
なお、今年(2021年)2月には新型コロナウイルス感染症の重症化リスクを鑑別するための検査「インターフェロン-λ3(IFN-λ3)」が保険適用されています。重症化リスクのさまざまな検査手法が開発され、特性に応じた利活用が現場に浸透することで「医療提供体制の逼迫」を抑えられるとともに、何よりも「適切な医療提供」(重症化リスクの見落とし防止など)が可能となります。
             
             
アトピー性皮膚炎の重症度評価に関わる指標の一つが、新型コロナウイルスの重症化リスクの予測にも関係している、というのは興味深いところです。
サイトカインは免疫をコントロールすためのたんぱく質の一種ですので、自己免疫か、感染症に対する免疫か、という違いなども関係しているのでしょう。
今後の研究結果に注目しておきたいと思います。

                        
おまけ★★★★博士のつぶやき

こうした研究は、日々行われており、そして日々進歩しておるものじゃ。
今回の研究も、あくまで重症化リスクの予測、ということじゃが、新型コロナウイルスの場合、「重症化するリスク」が問題であることは確かじゃろう。
興味深いところじゃの。