アトピー性皮膚炎の方が感じる二つの痒みの違いとは?(2)

大田です。

 

 

 

 

 

 

 

                   
今日は昨日の続きです。

アトピー性皮膚炎の方が感じる痒みには大きく分けて二種類の痒みがあることは昨日述べたとおりです。
感覚的には同じ「痒み」であるこの二種類の痒みにはどのような違いがあるのでしょうか?
それは、痒みを「発生させる」ための体の反応と、それに対応するための体の反応の違いになります。

炎症から生じる痒みは、炎症を生じさせた免疫が作る化学伝達物質が直接痒みの情報を神経に伝えているわけではありません。
炎症を生じさせるための抗原抗体反応の過程の中で作り出さされた細胞間の情報伝達を行うサイトカインや、化学伝達物質の一部が、副産物としてヒスタミンなどの痒みを伝達するための物質を生成しています。
炎症反応に伴う、これらの化学伝達物質や細胞間伝達物質は、いずれも体にとっては防衛反応のために作られています。
薬が主反応(効果)、副反応(副作用)とあるように、体が作り出すこれらの物質も、意図する効果と意図しない効果をもたらします。
例えば、新型コロナウイルスの感染で生じるサイトカインストームも、体にとっては過剰な意図しない効果の一つですが、その元は、体が自身を守るために作り出した抗原抗体反応の一つに過ぎません。

一方、角質層の乾燥状態を原因とする(肌の乾燥)痒みを知覚する神経線維が表皮内に侵入することで生じる「乾燥肌の痒み」は、単に触覚刺激を痒みとして伝達しているだけです。
熱い、冷たい、痛い、そういった皮膚に対する刺激の情報です。
したがって、その情報伝達の過程の中では、炎症反応による痒みとは違い、体のさまざまな防衛反応が動くことで生じる「過剰な反応」の副作用的な影響は受けません。
極端にいうと、痒みを知覚しても一切掻かずにいれば、痒み以外の反応が体に生じることはありません。
それに対して、炎症反応による痒みを一切掻かないでいても、炎症反応が自然と収まるまでは皮膚は赤みを帯びるなどの痒み以外の反応が継続することになります

アトピー性皮膚炎の病態の多くは、皮膚の乾燥状態を伴います。
初期の段階では、それらが見られなくても、掻き壊しが断続的に継続することで、皮膚のバリア機能が低下、乾燥の症状は見られることになります。

では、どのように対処することが、こうした異なるアトピー性皮膚炎の原因への対処に繋がるのでしょうか?
続きは明日にしたいと思います。

                
おまけ★★★★大田のつぶやき

アトピー性皮膚炎の方に共通する皮膚の要因は「バリア機能の低下状態」ということが言えるでしょう。
この低下状態の度合いにより、ケアの方法も異なります。
そして、そこにはそれまで行った治療法や日常生活習慣も関わります。
総合的な視野が必要ですね。