アトピー性皮膚炎の方が感じる二つの痒みの違いとは?(1)

大田です。

 

 

 

 

 

 

 

                    
少しずつ気温が高い日も多くなってきました。
三寒四温の時期ですので、まだ冷え込む日もありますが、これから春に向けて進んでいきます。
アトピー性皮膚炎の方にとって、春の季節は、いろいろと悪化要因が増える時期です。
飛散物質、紫外線、生活環境の変化、室内の化学物質の影響など、いろいろとありますが、それらの悪化要因のベースにあるのが「乾燥」です。

皮膚は基本的に「潤い」を保つようになっています。
それは、「潤い」自体が、皮膚にとってバリア機能の役割を果たしているからなのですが、冬から春にかけての大気の乾燥が、角質層からの水分蒸散量を増加させることで、「潤い」を減少させます。

この「皮膚の乾燥」は、アトピー性皮膚炎の方に限らず、健常な方でも起きる現象ですが、乾燥の度合いとバリア機能に与える影響の度合いが、アトピー性皮膚炎の方と健常な方では異なってきます。
そして、その度合いの違いが「バリア機能の低下」の度合いにもつながってきます。

ヒトが痒みを知覚する場合、それは「痒い部位」で起きます。
例えば、腕に痒みを感じれば腕を掻きます。
しかし、この「痒い」という感覚は、実は脳で判定されたものです。
もし、麻酔などで神経を完全に麻痺させれば「痒み」を感じることはないでしょう。

炎症による痒みは、「炎症」が原因で「痒み」が結果です。
つまり、痒みとは「炎症」が特定の部位で発生していることを知覚させるための体の防衛反応とも言えるでしょう。
これに対して皮膚が乾燥することで、痒みを知覚する神経線維が表皮内に侵入することで生じる痒みは、痒みを伝達する神経に対する刺激(触ったなどの物理的な触覚刺激)でもあるため、痒みと言う情報を伝搬する元々の目的は、体の防衛反応とは異なることもあります。
(皮膚に衣類が触れた、という刺激は、必ずしも人体に危険を生じさせていることではないため)

このように、アトピー性皮膚炎の方が感じる痒みは、体にとって自然治癒力の一つ(防衛反応)として感じることもあれば、単なる皮膚刺激として感じることもあるわけです。
そして、この二種類の痒みは、体にとって「同じ痒み」として感じていても、生体反応でみると、大きな違いがあります。

続きは明日にしたいと思います。

                      
おまけ★★★★博士のつぶやき

アトピー性皮膚炎の方が感じる痒みとは、そうでない方が感じる痒みとは少し違っており、連続した痒みになりやすい。
その原因の一つが、複数の痒みの原因を抱えておることにあるのじゃが、そこに気が付かずに、一方の痒みの原因だけ対処すると、もう一方の痒みの原因に悩まされることになる。
痒みの原因が複数あることはしっかり認識することが大切じゃろうの。