薬剤にできることを考える(1)

大田です。

 

 

 

 

 

 

 

                       
さて、アトピー性皮膚炎に使われる薬剤として、ステロイド剤やプロトピック軟膏、また最近は、新薬としてデュピルマブ(注射)やJAK阻害剤のコレクチム軟膏などがあります。
いずれも、その効果の機序は異なりますが、ターゲットは免疫反応による炎症反応の抑制となります。

コレクチム軟膏は、承認後、まだ1年しか経過していませんので、その評価はこれからになると思いますが、現時点で、「効果の強さ」は、ステロイド剤>プロトピック軟膏>デュピルマブ=コレクチム軟膏になるようです。
他にアトピー性皮膚炎の治療薬として用いられる、抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤、漢方薬の効果の強さは、これらの薬剤の次になるでしょう。
もちろん、炎症の状態や個々人の感受性により評価の現れ方は違いますが、使用する方の分母が大きくなれば、現状では上記の傾向に収まっているようです。

新薬の評価は、これから使用する患者が行うことになりますが、プロトピック軟膏も発売当初は、かなり高い効果が期待できるとされていましたが、実際には5段階に分かれるステロイド剤で比較すると、下から2~3番目あたりと同程度の評価に落ち着いているようです。

デュピルマブは注射であること、また費用が高いことから、使用実績は多くなく、またコレクチム軟膏も、実際に使用されている方の評価として、プロトピック軟膏から切り替えて、あまり効果がなくプロトピック軟膏に戻った、という事例が何件かありますので、今のところ、プロトピック軟膏を越えることはないようです。
ステロイド剤から切り替えた方の場合、軽症者は特に問題は内容でうが、中症状以上の方の場合、ステロイド剤との併用を指示されているケースもあるようです。

もちろん、まだ治療の現場で浸透していない新薬の場合、使用例はステロイド剤やプロトピック軟膏と比較しても少なく、今後、評価が大きく変わることはあるかもしれませんが、いずれにしても、ステロイド剤やプロトピック軟膏の使用例を越える効果を期待することは難しいようです。

これらの薬剤の問題点は、いずれも、その効果のターゲットが炎症反応にある、という部分でしょう。
アトピー性皮膚炎の痒みの原因は、炎症により生じているのは確かです。
したがって、炎症を抑えることが痒みを抑えることにつながるのですが、問題は、痒みの原因は「炎症だけではない」という部分でしょう。

明日は、その問題点について考えていきましょう。

                          
おまけ★★★★博士のつぶやき

アトピー性皮膚炎のような、自己の体で「作り出している」疾患の場合、薬剤など外部からの治療が、そのままその疾患を治すことはできん。
治すために必要なことは、「自分の体が作り出している反応をつくりださなくなるようにする」ことのサポートじゃが、痒みの場合、皮膚など、特定の部位で感じていても、終着点は「脳」の判断にある。
薬剤ができることを把握することは大切じゃろうの。