冬のアトピーケア講座・保水(3)

大田です。

 

 

 

 

 

 

 

                
今日も続きです。
適切な水分の量について考えましょう。
         
        
▼「適切な水分」とはどういった量なのか?
            
一般的な乾燥肌でも「痒み」を感じますが、アトピー性皮膚炎の方と一般的な乾燥肌との違いは、角質層内で水分を保持するための因子にあると考えてよいでしょう。
角質層内で水分を保持するための因子はいろいろとあります。
セラミド、ヒアルロン酸、フィラグリンなどさまざまですが、その中で特にアトピー性皮膚炎の方に不足しているのがセラミドとフィラグリンであることが研究で分かっています。

京都大学の研究ではアトピー性皮膚炎のほとんどの方の角質層にフィラグリンが不足し、さらに半数程度の方はフィラグリンを生成するための遺伝子が欠損していることが確認されています。
セラミドも同様です。角質層内には数種類のセラミドが存在していますが、ユニチカ研究所の研究では、アトピー性皮膚炎の70%程度の方には、その中の三種類のセラミドが特に不足していることが確認されています。

一般の乾燥肌の方は、このセラミドやフィラグリンの不足状態がアトピー性皮膚炎の方ほどではないため、「お肌が乾燥する時期」は、「大気が乾燥する時期」と一致しています。
ちなみにアトピー性皮膚炎の方の場合、大気の乾燥度合いによって角質層の乾燥状態は変化しますが、基本的に痒みの神経線維に影響を与える程度には、常に乾燥した状態にあると考えてよいでしょう。

つまり、角質層内で水分を保持する力が違うことから、アトピー性皮膚炎の方には、より多くの水分を「与える」ことが必要になります。
一般の乾燥肌の方が、「保水」として行う水分ケアのスキンケアは、アトピー性皮膚炎の方には足りない状況であり、それが「適切な水分」の違いとなる、ということです。

アトピー性皮膚炎の掻き壊した肌状態は、水分はどうしても浸みやすいのですが、その「浸みる」という感覚は「痛み」を伴うこともあります。
そのため、浸みやすい水分系のアイテムは最低限で使用する、あるいは浸みづらいオイル系アイテムのみでケアをすることが多くなるのですが、これが、アトピー性皮膚炎の「慢性的な悪化因子」を生む一つの要因です。

これまで述べたように角質層に水分が不足した状態で、「痒み」を感じなくすることは、角質層そのものを動かない衣類などで密着させ、角質層に対する直接の肌刺激を緩和させた状態にしない限り難しくなります。
そこで考えたいのは、いかに多くの水分を角質層に与えるのか?という方法でしょう。
明日は、具体的なケアの方法について述べましょう。

                   
おまけ★★★★大田のつぶやき

実際にアトピー性皮膚炎の方のケア方法を見てみると、水分は少なめ、油は多め、という方が少なくありません。
述べたように、本来、乾燥肌に対して求められているのは、油分よりも水分の方が大切になります。
「適切な量」とは個々人によって異なりますが、アトピー性皮膚炎の方は、一般的な乾燥肌の方よりも多くの水分が求められていることを忘れないようにしましょう。