幼少期のアトピーと思春期の精神疾患との関係(3)

大田です。

 

 

 

 

 

 

 

 

                    
今日は、今回のテーマの最後です。

昨日までで、今回の研究により、幼少期のアトピー性皮膚炎による炎症反応が、脳内の反応によって、うつ状態を招くことがあることが分かりました。

実際、アトピー性皮膚炎の方で思春期以降、うつ状態など一部の精神的な症状を示される方はおられます。
なお、成人以降でアトピー性皮膚炎が発症された方の中にも、うつ状態などの症状を示される方がいますので、乳幼児特有のものではないようにも感じます。
また、それらのうつ状態など精神症状を示された方の多くは、症状の改善と共に、そうした精神的な症状も改善されていますので、乳幼児のアトピー性皮膚炎特有の影響、というよりも、反復継続する痒みや炎症により引き起こされている、と考えた方が良いようには思います。

これまで、アトピー性皮膚炎の方に見られるうつ状態などの精神症状は、どちらかというと、患者個人の器質的な問題(性格上の問題など)と考えられていた側面があります。
しかし、今回の研究結果では、痒みや炎症に対する脳の防衛機構のある種、「暴走」のような状態が関係していることが分かりました。
最近の分かりやすい例で言えば、新型コロナウイルスが重症化する問題の一つ、サイトカインストーム(免疫の過剰な反応状態)と似た点があると考えてよいでしょう。

アトピー性皮膚炎を取り巻く環境は、アトピー性皮膚炎という疾患が広く認知される前の状況とは違い、かなり改善してきたことは確かでしょう。
それでも、いまだに、「単に痒いだけで・・・」という周囲の無理解に苦しむ患者の方がおられます。
同様に、痒みによって睡眠が得られず、昼夜逆転した生活が続く中で、精神的に落ち込んだ状態に対する周囲の評価に悩む方も多いと思います。
しかし、今回の研究結果のように、いずれも原因と結果の因果関係(炎症反応がうつ状態を招く、など)がはっきりすることで、そうした状態の改善にもつながるでしょうし、周囲の理解も深まってくることでしょう。

今後の研究がより進むことを期待しております。

                       
おまけ★★★★大田のつぶやき

炎症が原因で精神への影響が見られるのであれば、原因である炎症を解決することが根本的な解決策であることは確かでしょう。
アトピー性皮膚炎の慢性的な痒みは、「痒みの原因」も複雑ですが、こうした影響も加味して、取り組むことは必要なのかもしれません。