小麦粉は、未開封でもダニ?

東です。

 

 

 

 

 

 

 

 

                    
沖縄では梅雨入りしたようですが、これから湿度も上がってくると思います。
初夏の対策はしっかりと行いましょう。
今日は、ダニに関する記事を紹介したいと思います。
         
           
●未開封のホットケーキミックス、ダニはどれくらい混入している?
https://news.yahoo.co.jp/byline/horimukaikenta/20200512-00178090/
       
5月6日に、『ホットケーキミックスの買いだめにご用心!アレルギー科医が心配する”パンケーキ症候群”とは』を公開したところ、思いがけず多く閲覧いただきました。
すると、
『未開封の小麦粉にはダニはいない』
『いやいや、未開封でもダニはいる』
という2つの意見をいただいたため、『未開封の小麦粉には、ダニはアレルギー症状が起こるほどはいないという研究結果が報告されています』と追記しました。
すると、“アレルギー症状がおこるほどはいない”という点に関して、『ゼロじゃないの?』というコメントも見かけました。
ホットケーキミックスをはじめとした『調理用小麦粉』には、ダニは混入しているものでしょうか?
もし混入しているとして、どれくらいの数と頻度なのでしょうか?
文献から、すこし補足することにしましょう。
       
▼そもそも、自然の恵みである小麦粉に昆虫の混入を完全にゼロにすることは難しい
          
“ダニはアレルギー症状が起こるほどはいない”という記載にしたのは、『完全にゼロ』にすることは難しいからです(※1)。
これは当然ですよね。
小麦は工業製品ではなく自然から得た恵みなのですから。
もちろん、食品の安全性は重要ですので、各国で規制をきちんと定めています。ただし、ゼロにすることは困難なので、たとえばアメリカ食品医薬品局(FDA)は、小麦粉50 gあたり昆虫の破片75個までを許容しています(※2)。
一方でEUは、“ゼロ”を義務付けているそうです(※3)。
実際のところ、小麦粉にはどれくらいの頻度でダニが検出されるのでしょう?
とはいっても、EUでは定期的な検査は行っておらず、実際に英国の小売店で購入された7種類の穀物を調べると、購入後すぐに検査した小麦粉製品の21%、家庭で6週間保管した製品の38%でダニが検出されたという結果があります。ただし、ほとんどは5匹以下で、とても少なかったそうです(※4)。
では、日本の研究結果はどうでしょうか?
未開封の小麦粉製品176製品(ホットケーキミックス97製品、お好み焼きミックス55製品、蒸しパン13製品、その他11製品)のうち3製品から、ダニが検出されています。
やはり、その数は少なく、2製品の小麦粉10gにはそれぞれ約63匹と3匹のムギコナダニ、1製品の小麦粉10gには3匹のケナガコナダニのみでした(※5)。
ゼロではないけど、ほとんどいないといったところでしょう。
常温保存された小麦粉にダニが混入していた場合、どれくらいダニは増えるのでしょう?
では、混入したダニはどれくらい増えるのでしょう?
タイで行われた研究があります(※6)。
6種類の市販の調理用小麦粉(調理用小麦粉3種類、パン粉、とうもろこし粉、タピオカ粉)を用意し、ダニを植え付けて4つの容器(元々のパッケージ、ビニール袋、プラスチックの箱、ガラス瓶)内で増加するかどうかを検討した研究です。
すると、植え付けた ダニの量は、どの容器でも6 週間後には大きく増え、8 週間後で最大の量に達しました。
そして、調理用小麦粉のほうが、パン粉(小麦粉のみ)よりもダニは大きく増えたのです。
さらに、冷蔵庫で保存した場合はほとんど増えず、常温で放置した場合に特に多く増えたという結果でした。
では、未開封の小麦粉はどうでしょう?
さて、『未開封の小麦粉には、ダニはアレルギー症状が起こるほどはいないという研究結果が報告されています』という、最初のテーマに戻りましょう。
前回、(特に)調理用小麦粉で増えやすいダニを食べることにより起こる『パンケーキ症候群』は、小麦粉1gあたりダニ500匹以上いるとアナフィラキシーという強いアレルギー症状が起こる可能性がでてくるというお話をしました。
つまり、購入したばかりで未開封の調理用小麦粉には、ダニが“完全にゼロ”は難しいながら、アナフィラキシーを起こすほどのダニはいないということになります。
ただし、保存状態が悪ければ、6週間ほどでダニは大きく増えて、アナフィラキシーを起こすほどになり、冷蔵庫保存であれば、そのリスクは大きく減ることになるわけです。
とくにホットケーキミックスやお好み焼き粉は、冷蔵庫に保管しましょう
ですので、特にこれからの高温多湿の季節には、
(1)小麦粉製品、とくに調理用小麦粉の保存に気をつけていただきたいこと
(2)できれば容器を問わず、冷蔵保存が望ましいこと
をお話したかったのです。
            
          
小麦粉アレルギーの方は、意外と多くおられますが、中には、こうしたダニの影響を受けている方もいるのかもしれません。
これから湿度が上がる時期、保管方法などには特に注意するようにしましょう。

                          
おまけ★★★★南のつぶやき

古い小麦粉には注意が必要なことは、過去にも記事がありましたが、未開封でもそうした心配があるみたいですね。
保管方法には気をつけましょう。