BCGワクチンは新型コロナウイルスの無敵の鎧ではない(1)

大田です。

 

 

 

 

 

 

 

                     
今日もブログを担当します。

先日、日本株のBCGワクチン接種と、新型コロナウイルスの「実質的な死亡率」との間で、相関関係が見られることを取り上げました。
読者の方からも問い合わせをいただくようになりましたが、ネットの情報と合わせて、誤解をされているケースも多くなっています。
少し整理しておきたいと思います。

まず、今回のBCGワクチンの影響については、現時点で医学的に認められたものではないことを念頭に置いてください。
それでも、初期患者の発生が早かった日本と、後で感染が拡大していった欧州、アメリカの「死者数」の差があまりにも大きいことから、疫学の統計学上から導き出された「有力な仮説」と言えるでしょう。

現在の状況をまとめると、

1.前期分与株(日本株、ロシア株など)のBCGワクチン接種が多い国では、新型コロナウイルスによる「実質的な死亡率」が低い相関関係が見られている。

※実質的な死亡率とは、現在治療継続中(陰性確認のための待機中の方を含む)の方を除いて算出された「死亡者数÷(死亡者数+回復者数)」のこと。

2.しかし、感染者数に対しては、大きな影響を与えているとはいえない。

3.BCGワクチンの副次作用(主作用は、結核菌に対する抗体作用)として、肺炎の重症化を防ぐ働きが見られることが論文で報告されている。

4.ただし、オーストラリア、アメリカなど数カ国で医療従事者を中心に数千名の臨床試験が開始されたが、まだ始まったばかりで、新型コロナウイルスに対する明らかなエビデンスはまだない。

5.BCGワクチンに期待されているのは、感染者数を抑えることではなく、死者数を抑えること。
などが明らかになっています。
現在のBCGワクチンの新型コロナウイルスに対する影響を簡単に説明すれば、「状況証拠は固まりつつあるが、直接証拠はまだ見つかっていない」という段階です。
ただ、ネット上では、このBCGワクチンが新型コロナウイルスの「切り札」のように注目されている側面があり、それが過大評価されていくことが心配です。

どういったことが心配なのかは明日に続きます。

                          
おまけ★★★★東のつぶやき

ネットには、志村けんさんがBCGワクチンを打っていたのかどうかが議論されていましたが、そこにはBCGワクチンが有効なら接種していればなぜ亡くなったのか、という誤解が発生しています。
BCGワクチンが肺炎の重症化を防ぐ副次反応があることは研究で分かっていますが、だからといって、予後が良い(救命できる)こととイコールではありません。
持病を持つ人の死亡率が高いとされているのも、結局のところ、自分の免疫力、治癒力に罹っているからといえます。
ゼロか100かで判断することは避けるようにしましょう。