新型コロナウイルスとBCGワクチン接種(1)

大田です。

 

 

 

 

 

 

 

                          
最近、ネットではBCGワクチン接種と新型コロナウイルスの関係について話題になっています。
        
●日本型BCGで新型コロナの免疫ができる?
http://agora-web.jp/archives/2045075.html
           
●「BCGワクチン」が新型コロナ予防に効果? 海外で治験開始も期待しすぎは禁物 医師・村中璃子氏寄稿
https://www.zakzak.co.jp/soc/news/200329/dom2003290004-n1.html
                
簡単に説明すると、日本株のBCGワクチン摂取が義務付けられている国の「死亡率」(人口あたり)が、そうでない国と比較すると低いという統計データが注目されています。
ここで注意しなければならないのは、
            
・死亡者数に影響は与えても、感染者数には影響を与えていない
・疫学上の統計データから見た数値であり、臨床データはまだない
・同じワクチンであっても、日本株、ロシア株とデンマーク株では有意差が見られる
         
ということです。
BCGワクチンを摂取すれば新型コロナウイルスに罹らない、あるいは罹りにくい、ということではありません。
記事のタイトルもBCGワクチンが新型コロナの予防に効果があるのか、といった形になっており、ミスリードしている面が否めません。
とはいえ、「死亡率」だけでみると有意差が生じていることは確かでしょう。
ここで一つ注目しておきたいのは、2003年に日本呼吸器学会が発表した論文です。
          
●【日本呼吸器学会速報】 寝たきり高齢者へのBCGワクチンで肺炎発症の予防に効果
https://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/hotnews/archives/237265.html
             
論文からは、BCGワクチンにより、「肺炎」の発症に対する効果が確認されています。
今回の新型コロナウイルスの特徴は「肺炎症状」を伴うことですが、BCGワクチンの摂取により、感染しても肺炎症状の悪化を防ぐことで死亡率が低いのではないかと推測されているわけです。
なお、BCGワクチンの、結核菌対する効果は死ぬまで続くわけではありませんが、肺炎の悪化を防ぐ副次効果は比較的長く続くとされています。
そして、最近、心配されているのは拡散が続く欧州の「死亡率」の高さです。
            
●新型コロナ、生きるか死ぬか 結果からみる致死率18%超の衝撃
https://news.yahoo.co.jp/byline/iizukamakiko/20200330-00170425/
            
記事に書かれているように、3/29時点での全世界での死亡率は4.7%ですが、これは、罹ったばかりの方も、現在治療中の方も含んでいますので、その数字を達成するためには、その時点での死亡者以外は「全員が回復する」ことが前提の数字となります。
今後、一人の患者が現れないと仮定しても、現時点での治療中の方から死亡者が出ることは避けられませんので、死亡率は高まることはあっても低くはなりえない、ということが言えます。
もちろん、感染者数そのものが実数を反映していない部分はありますから(感染しても無症状のまま自然治癒した人)、疫学的な統計では、今回のパンデミックが終息したのちに推計するしかありません。
ただ、一つだけ統計学上で確かなことは、「感染者」としてカウントされた場合には、一定の確率で死亡するということです。
              
そして、各国の「結果が出た人(回復した人と死亡した人)」を最新の数字で見ると大きな開きがあることが分かります。
            
●日本時間31日午前4時にまとめた統計からの実質的な死亡率
https://www.afpbb.com/articles/-/3276168
         
・全世界 19.7%
死亡36,674人、回復148,700人
        
・イタリア 44%
死亡11,591名、回復14,620人
        
・アメリカ 33%
死亡2,828人、回復5,545人
        
・中国 4.2%
死亡3,304人、回復75,448人
        
・韓国 2.9%(30日時点)
死亡158人、回復5,228人
         
・日本 6.3%(クルーズ船含む)
死亡70人、回復1,027人
        
        
上記の国の中で、検査数を絞っているのは日本だけですから、無症状の感染者を他の国よりも見つけられていない分、この実質的な死亡率は下がっても上がることはないでしょう。
死亡率で関係性が良く言われるのが「医療崩壊」ですが、医療崩壊したと言われている中国とイタリアの差は歴然です。またまだ医療崩壊には至っていないアメリカと中国の差を比べても、その違いは明らかでしょう。
BCGワクチンの接種義務がないのは、イタリア、アメリカ、オランダなどで、接種義務を止めた国は、スペイン、フランス、イギリス、スイスなどになります。
BCGワクチンの接種義務があるのは、日本、中国、韓国、ロシアなどです。
また、BCGワクチンの接種義務がある国の中でも、日本株、ロシア株の株種を使用している国の死亡率が少ないのが興味深いところです。
            
明日は、上記を踏まえた上で、BCGワクチンが新型コロナウイルスに対して有効なのかどうかを考えたいと思います。

                       
おまけ★★★★博士のつぶやき

医療崩壊と死亡率は密接な関係があるわけじゃが、医療崩壊が起きなくても死亡率が高い場合には、他の原因を探すことは大切じゃろう。
未知数の部分が多いわけじゃが、「明るい」結果が出て欲しいところじゃの。