「保水」と「保湿」の違いとは?(1)

大田です。

 

 

 

 

 

 

 

 

                    
これから冬の時期を迎えるにあたり、アトピー性皮膚炎の方の肌状態を考えた場合、痒みに大きく関わる因子は「乾燥」になります。
もちろん、アトピー性皮膚炎全てに対する因子ではありませんが、大半の方が、この「乾燥」による症状悪化の経験をお持ちかと思います。

肌の「乾燥」状態は、即、アトピー性皮膚炎の悪化、というわけではありません。
いくつかのステップを踏むことで、痒みや炎症を強くするのですが、一般的な「乾燥肌」との違いは、悪化した状態が次の炎症を連鎖的に生むことで、「悪循環」を生みやすい、ということになるでしょう。

ここで、一つ大きなポイントは、「乾燥」を和らげるためには、肌に何が必要なのか、とういことです。
かなり強い乾燥状態、特にひび割れが生じているような重篤な方は、基本的に冬の時期、乾燥に対するケアは「オイル系」を使った「保湿」ケアを中心とされる方が多いようです。
この「オイル系のケア」に、実は大きな落とし穴が潜んでいます。

角質層を構成しているのは、角質細胞や細胞間脂質などです。
これらが正常に保たれることで、肌のバリア機能が正常な状態を保つのですが、アトピー性皮膚炎の方の場合、健全な角質層の状態が維持できていません。
では、そこにはどのような原因が関与しているのか、というと、「水分」が不足している、という状態に陥っていることが多いのです。
ここでいう「水分」とは、角質細胞を支えている細胞間脂質に含まれる水分のことです。
細胞間脂質の水分が減少すると、角質細胞を支えきれない状態になります。
この角質細胞が「乱れた」隙間から、外部の因子(アレルゲンや細菌、ほこり、PM2.5などの有害物質等)が侵入することで、免疫反応がおこり、痒みが生じてくる、ということになります。
細胞間脂質の水分は、もともと水分が足りていない、という原因と、もうひとつ、水分が足りていても、それを保持する力が失われている、という2つがあります。
アトピー性皮膚炎でない乾燥肌の方は、このどちらかの原因片方のみを抱えていることが多いのですが、アトピー性皮膚炎の方は、両方の因子ともに同時に抱えることで、正常な角質細胞を維持させる力を、連鎖的に失うことが多いようです。

では、どうすることが必要になってくるのでしょうか?
続きは明日にしたいと思います。

                    
おまけ★★★★博士のつぶやき

冬が苦手なアトピー性皮膚炎の方は多いようじゃが、肌はそれだけ水分を失いやすいともいえるじゃろう。
特に、最近はエアコン下での生活が増えてきている環境にある。
余計に角質層からの水分蒸散が増えやすい傾向にあるわけじゃ。
生活環境も、肌にとって良い状態に保つような工夫は必要かもしれんの。