はしかに感染すると、免疫が「リセット」される?

東です。

 

 

 

 

 

 

 

                   
今日は、アメリカの研究で、興味深い記事がありましたので紹介しましょう。
       
         
●はしか感染で免疫システム「リセット」、米研究で明らかに
https://www.afpbb.com/articles/-/3252645
        
世界的に再流行している麻疹(はしか)は、これまで考えられていた以上に害が大きい──1日付の米科学誌サイエンス(Science)に掲載された研究で、はしかウイルスが免疫システムを「リセット」することが分かった。
はしかは子どもがかかりやすい感染症で、人から人へ感染する。ハーバード大学(Harvard University)の研究者らが率いる国際チームは、はしかの予防接種を受けていないオランダの子ども77人を分析。はしかウイルスが体からこれまでにさらされた病原体に関する記憶を削除し、免疫記憶を実質的に消し去ることを明らかにした。
はしかウイルスは、過去にかかった病気を「記憶」する血液中のタンパク質である抗体を11~73%消し去る。免疫力が新生児ほどにまで低下する子どももいた。
共著者の一人でハーバード大学のマイケル・ミナ(Michael Mena)氏(疫学)はAFPに対し、ウイルスは「免疫システムをより無知な状態にリセットするようなものだ」と述べ、抗体を復元するには、幼年期に触れた無数の病原体に再びさらされる必要があると説明した。
結果を実証するために行われたマカクザルを使った実験で、被験体は抗体の40~60%を失った。
共著者の一人で米ハワード・ヒューズ医学研究所(HHMI)のステファン・エレッジ(Stephen Elledge)氏は、「(はしか)ウイルスは私たちが理解していたよりもはるかに有害だ。ワクチンがいっそう有益なものとなる」と述べた。
          
          
記事によると、消え去る抗体は11~73%なので、あまり深刻さが伝わらないかもしれません。
しかし、ヒトが病気を防ぐ大きな防波堤が「抗体」にあることは確かです。
生まれたての頃は、水面すれすれだった防波堤を、成長の過程の中で何十メートルに高くしてきたのが、はしかに感染することで、その防波堤が低くなってしまう、ということです。
今は消え去る抗体の割合が低いと1割程度ですが、もし、はしかのウィルスが少しずつ変異することで、この割合が100に近づくと、相当深刻な状況に陥る可能性もあります。
ウィルスがこれ以上強力に進化しないこと、そしてパンデミックが起こらないことを祈りたいところです。

                    
おまけ★★★★大田のつぶやき

ヒトの免疫システムは複雑な分、強力な仕組みを持っていますが、今回の記事は、そのシステムを根底から揺るがしかねない部分があります。
今は「はしか」が研究対象ですが、もしこの抗体を消し去る「機能」を他のウィルスも持った場合、そのウィルス自体が致命的な働きを持つと、「抗体をつくることができないウィルス」の存在も考えられます。
注目しておきたい研究ですね。