大量の医療情報に翻弄?

東です。

 

 

 

 

 

 

 

                 
Webが身近になったことで、簡単に多くの専門情報にアクセスが可能になりました。
そういった情報は、全てが「正しい」とは限らないわけです。
また、状況によって「正しい情報」になったり「正しくない情報」になったりすることもあります。
そうした「情報」の精度を高めるためには、医療情報であれば、「医学的な知識」が必要になることは確かでしょう。
今日は、一つの記事を紹介しましょう。
          
          
●あまりに大量すぎる医薬品情報に翻弄される医療従事者と患者さん
http://healthpress.jp/2019/10/post-3899.html
        
今回は、医薬品情報が多様化且つ複雑化する昨今、その「情報」に翻弄される医療従事者と患者さんについて考えてみたいと思います。
       
▼健康フェアにはたくさんの思いを抱え込む患者さんが
         
●事例1
多職種が集う仙台市民向け健康フェアに、薬剤師として参加した時のことです。僕は薬剤師会のブースで、健康相談員として、希望する市民に対してお薬のことを中心に何でも話を聞く担当となりました。
初めに先輩薬剤師に言われたのは、「こういう健康イベントに、統合失調症の方とかがよくいらっしゃいます。こういったブースで何十分もお話をされていきますので、そうなると順番が全て狂います」でした。
初め、相談にいらっしゃったのは高齢者ばかりでした、世間話に始まり、お薬のことや健康上の不安のことなど色々お話をされていきました。
すると、20~30代くらいの男性が僕の隣の薬剤師の前に座りました。その後、10分以上は話していたでしょうか。断片的に聞こえてきたのは、「私は、○○の添加物は一切取らないようにしているんです」、「睡眠薬というのは、???」、「私、OTC薬は信用できないんです」といった内容を延々と話されています。対応した薬剤師は笑顔を崩さず、辛抱強く耳を傾けていました。男性は最後に、「お薬とは関係ない話をしてたくさんの時間を取ってしまってすみませんでした。ありがとうございました。」と言って帰って行かれました。
対応した薬剤師は、「こういう場でしか色々話せないんだろうね。ひたすら耳を傾けるしかないです。」と話していました。
「先輩薬剤師の言ったことは本当だったんだ!」と驚いたと同時に、たくさんの思いを自分の中に抱え込むしかない精神疾患の患者さんに思いを馳せた経験でした。
         

(中略)
          
▼全ての病院・医療機関に専門のカウンセラーを
        
三つの事例をまとめます。薬物治療を取り巻く情報は複雑多様化し、我々医療従事者はしばしば翻弄されます。さらに、患者さんはインターネットや書籍で必死になって情報を探します。重要なのは、病気の治療は「患者さんの生活」そのものであるということです。疾患は慢性化し、病気の治療には、医療従事者だけでなく家族や友人などの近しい人達も併走します。仕事や趣味もこれまで通り続けたいでしょう。そうなると、「納得して薬物治療を受ける」という思いに至るまでには複雑な経過をたどります。
しかしながら、言い訳がましいかもしれませんが、色んな業務を実施しながらの中途半端な説明では患者さんに納得してもらうには不十分です。また、忙しさから配慮を欠いた発言をし、知らないうちに不安を助長させてしまうこともあろうかと思います。
ただ、医師にとって、病状説明の時間が膨大な時間外業務の一因となっている現状があります。薬剤師も、薬局で待つ患者さんのプレッシャーを常に受けていますので(「早くしろ!」と怒り出す方もいます)、十分な説明の時間を取れません。だから、事例1のように精神疾患の患者さんは健康フェアといった気楽な場でしっかりお話ししたいんだろうなと思いました。理想は、全ての病院・医療機関に専門のカウンセラーを配置することです。専門的なカウンセリング技術で患者さんとその近しい人により添って欲しいと切に願っています。そうすることで、医師は治療に、薬剤師は処方鑑査と薬物治療のフォローに専念でき、患者さんもその恩恵を享受できます。
最後に、今の日本は、「がんゲノム医療」や、「先駆け審査指定制度(医療ニーズが高い医薬品を優先的に審査する制度)」、「公知申請(日本では適応外だが海外では頻用されている適応について、書類審査のみで承認する制度)」、「医薬品副作用被害救済制度」などと制度ばかりが先行している印象です。実際、各制度の存在すら知らない医療従事者はたくさんいます。こうした状況を放置し続けていれば、そのツケを最終的に払うのは患者さんである、ということを我々は忘れてはいけません。どうすれば良いか、みんなで一緒に考えてみませんか。
            
        
記事の最後の方にあるように、実務の中では「説明の時間がとれない」という薬剤師の方の状況は、同時に、その説明を「自己解釈」してしまう患者の方とのズレが問題の一つになってくるのでしょう。
その前提には、患者側も一定の「知識」を持っている(と勘違いしていることもありますが・・・)からですが、いずれにしろ、そうしたズレによる弊害は、結局のところ患者自身へと向かいます。
難しい問題でしょうが、自分にとって「必要な情報」の見分け方、というのはこれからのネット社会の中で重要になってくるのかもしれません。

                            
おまけ★★★★東のつぶやき

こうした「情報」そのものも、その「真偽」は読まれた方が判断するしかありません。
相反する情報に接した場合、どちらが「正しい」のか、一つの判断材料としては「発信者の利益に誘導」していないかを見てみるとよいケースもあるでしょう。
あるいは、専門の知識を持つ第三者の意見を聞いてみるのも良いでしょう。
正しい情報を選別できるようにしましょう。