アトピーを難治化させる原因とは?(5)

大田です。

 

 

 

 

 

 

 

 

                    
今日は今回のテーマの最後になります。
アトピーを難治化させている原因とは何でしょうか?

アトピー性皮膚炎に対する医師の治療は、日本皮膚科学会が定めるガイドラインに沿って行われています。
したがって、その治療の中心は「ステロイド剤やプロトピック軟膏など、炎症を抑制することで痒みを抑える治療」となります。

「昭和」の時代のアトピー性皮膚炎患者の中には、今のようにバリア機能のの低下から発症した患者は多くありませんでした。
また、自分の力で免疫力を成長させる過程にある小児が患者の中心だったため、自然治癒しやすい環境にありました。

最初の方の話に戻りますが、アトピー性皮膚炎の原因は、「アレルギー」によるものと「皮膚の機能(主にバリア機能)」の二つが考えられます。
昭和の時代は前者が原因だった患者が多く、平成以降は後者の皮膚の機能が発症原因となった患者が多くなりました。
しかし、医師の治療は昭和の時代も平成の時代も、「アレルギー」に対する治療、つまり免疫を抑制することで炎症反応を制御しようという治療法が続けられています。
アトピー性皮膚炎が難治化するのは、本来、初発であれば「治りやすい」アトピー性皮膚炎だったものを、皮膚のバリア機能をさらに落とす治療(免疫を抑制する治療)を施し、また皮膚のバリア機能を乱す生活内の要因を解消させていないことにあります。

「病気」を治すことは、必然的に「症状」を治すことにつながります。
しかし、「症状」を治すことは「病気」を「必ず」治すわけではありません。
少し過剰な表現を使えば、症状を抑えている間に自然治癒させることが「偶然」できた、だけにすぎません。

すぐに治るアトピー性皮膚炎だった場合には、あまり深く考える必要はありません。
バリア機能が低下する恐れがある免疫を抑制する治療も、それを上回る自然治癒力が働きますので、薬を使いながら「自然治癒」できるでしょう。
しかし、繰り返す症状を抱えたアトピー性皮膚炎は、行っている治療が「バリア機能を低下させていた」場合には、「新たなアトピー性皮膚炎」の原因につながることで、難治化したアトピー性皮膚炎へと変貌させています。

治りにくいアトピー性皮膚炎を抱えている方は、行っている治療法が、その「治りにくいアトピー性皮膚炎」へと変貌させる片棒を担いでいないのかを考えてみることが大切でしょう。

皮膚のバリア機能が低下したことで発症したアトピー性皮膚炎の方は、より皮膚のバリア機能を低下させる治療(免疫を抑制する薬剤による治療、ステロイド剤やプロトピック軟膏など)を反復継続させることは、そのバリア機能の低下により生じた免疫機能の異常状態(黄色ブドウ球菌が生成するデルタ毒素によるIgEの増強など)が、「別のアトピー性皮膚炎」を「追加で発症」させ、より治りくいアトピー性皮膚炎へと変えていくことを知っておくべきです。

アトピー性皮膚炎を難治化させないためには、症状の治療が、必ずしも病気の治療につながるわけではないことを正しく認識して、自分の症状の変化(状態)に合わせて、行っている治療法が抱えている問題点の影響を受けていないかを把握することが必要です。
アトピー性皮膚炎の治療を医師任せにしてよいのは、自然に治る9名の患者だけです。
自然に治らない1名の患者が自分だった場合には、「自分にとって必要な治療の意味合い」をもう一度、じっくり考えてみるようにしましょう。

                          
おまけ★★★★博士のつぶやき

最近では、プロアクティブ療法という、予防的にステロイド剤を使用する治療法が皮膚科医で推奨されておるようじゃ。
いったん、健康な肌状態に戻れば、皮膚のバリア機能が働くことで、塗布したステロイド剤の影響を軽減することができるが、まだ掻き傷や乾燥状態が見られる肌状態では、薬の影響は良い影響も悪い影響も受けやすい。
もちろん、症状が残っているのであれば、その治療法は「プロアクティブ」ではなく「リアクティブ」になるのじゃがな。
あとぴナビ会員の方の中に、半年以上、プロアクティブ療法を続けた結果、元の状態よりも悪化した、という事例が数例報告がある。
薬剤により得られる効果と副作用は、正しく把握した方が良いじゃろうの。