アトピーを難治化させる原因とは?(4)

大田です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                         
今日は、アトピー性皮膚炎の患者数の実態から何が見えてくるのかを考えていきたいと思います。

今の医師の治療は、アトピー性皮膚炎患者を「ひとくくり」でイメージしています。
例えば「Aさん」に治療を行い、「Aさん」がそのまま自然治癒したとします。
同様に「Bさん」から「Iさん」までは、数度の来院で治癒状態に持っていくことができました。しかし、「Jさん」だけは、治療で良い状態になるのですが、季節の変わり目など、なんからのきっかけで悪化を繰り返しています。
そうした場合、AさんからIさんまで9名が治癒していれば、たとえJさんが治癒していなくても、その医師にとって、行っていた治療は「アトピー性皮膚炎を治す治療」とイメージされます。
次に「Kさん」が治療に訪れた際も、当然ですが、同じ治療をKさんに施します。
では、Kさんは9/10の治癒したグループに入るのか、1/10の治癒していないグループに入るのかどちらでしょうか?
答えは、「わからない」です。
しかし医師は「治る」という説明(あるいは、患者が「治る」と受け取ってしまうような説明)をKさんにするでしょう。
なぜなら、治療を行う中で、その治療が症状を治しているのか病気を治しているのか、本当は医師ならば良く分かっていることが、「医療」という連続した行為の中では混濁していくからです。
症状を治すことが病気を治すことに「繋がること」は確かにあります。
しかし、それは「必ず」という枕詞はつきません。

急性の疾患は、基本的に治癒しやすいといわれています。
原因も複雑に絡み合っておらず、自らの生活の中でその解消が容易であることが多いのです。
少し極端にいえば、患者自身が「病気の原因を自らの生活の中で解消すること」ができれば、医師が行うステロイド剤などの薬剤治療を行なわなくても、「時間の経過」により自然治癒するケースが多いと言えるでしょう。
もちろん、痒みを抑えることで掻かないことが、悪化要因を防ぐことにつながり、自然治癒を促進させることはあります。
しかし、ステロイド剤が抱える問題点(免疫の抑制に伴う細菌叢の乱れから生じるバリア機能の低下、インターロイキン4を増加させることでB細胞に与える影響からIgEを増強させてしまうこと、など)は、残りの1名の「原因」を複雑にして、より「治りにくい」アトピー性皮膚炎へと変えていくこともあります。

良くなった9名の事例から得られた治療法は、アトピー性皮膚炎患者の全てを「救える」治療法ではないのです。
そして、残りの1名に対しては、9名の事例から得られた治療法が、逆に悪化要因を作り出していることもあるのです。

明日は、今回のテーマの最後になります。
アトピーを難治化させている原因とは何なのかを考えてみましょう。

                               
おまけ★★★★西のつぶやき

医師の行う治療法は、「医業」の観点から選択しなければいけないことがある。
病院は「経営」という側面がああるから、利益を追求できなければ「閉院」せざるを得ない。
情報が得やすくなった今の時代だからこそ、患者側も医師を「選択」できることを忘れてはいけないだろう。