アトピーを難治化させる原因とは?(2)

大田です。

 

 

 

 

 

 

 

 

                       
今日は昨日の続きで、アトピー性皮膚炎の病気の実態についてみていきましょう。

                                
厚生労働省が平成28年に発表した「アレルギー疾患の現状等」という資料がWebで見れます。

●アレルギー疾患の現状等(厚生労働省 健康局・がん、疾病対策課)
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10905100-Kenkoukyoku-Ganshippeitaisakuka/0000111693.pdf

                                   

一番目の「アレルギーとは」の項目の中に、1型~4型に分けられたアレルギー疾患の区分があります。
代表疾患として、さまざまな疾患名が表記されていますが、アトピー性皮膚炎だけは唯一、1型と4型のところに「アトピー性皮膚炎?」ということで「?」という疑問形を付記した形での表記となっています。
つまり、国の機関においてもアトピー性皮膚炎という「病気の実態」をつかみ切れていない、という側面があるといえるでしょう。

この「病気の原因」がアレルギーなのか、皮膚の機能にあるのかを考えていくことは、実は、アトピー性皮膚炎と言う疾患を治していく上で、とても大切な「項目」になります。
なぜなら、アトピー性皮膚炎を治すために受けている治療の「目的」が、アレルギーにあるのか皮膚にあるのかによって、その治療が治しているのが「症状」なのか「病気」なのか、という問題にぶち当たるからです。

基本的に、アトピー性皮膚炎の発症から症状悪化の悪循環を形成するまでを考えていった場合、その「過程」の中で、アレルギーとして占める要因の割合は大きく、アレルギーの治療を行うこと自体は、大きな誤りではありません。
まして、増加傾向にある最近のほとんどのアトピー性皮膚炎は一過性の「急性疾患」です。
症状を作り出す原因が単純で解決しやすい場合、症状の治療を行っている間に、病気そのものが自然治癒することで、あたかも症状の治療により病気が治った、と認識される状況が生み出されています。

ステロイド剤やプロトピック軟膏などの、免疫を抑制することで炎症反応を抑える治療は、まさしく「症状」を治療していますが、残念ながらアトピー性皮膚炎と言う「病気」そのものを治しているわけではありません。
風邪で高熱が現れた場合、病気の原因は風邪のウィルスに罹患したことであり、その病気によって高熱、という「症状」を体が作り出したことになります。
高熱に対する治療として解熱剤が用いられた場合、解熱剤は熱は下げますが、風邪を「直接」に治してくれることはありません。
アトピー性皮膚炎も同様です。
アトピー性皮膚炎により生じた痒みという「症状」は、免疫を抑制する薬剤によって「治療」できますが、それらの薬剤は直接的にアトピー性皮膚炎の原因を治してくれるわけではないのです。

明日は、アトピー性皮膚炎患者の数についてみていきましょう。

                             
おまけ★★★★南のつぶやき

アトピー性皮膚炎は事実上、アレルギーが関係しているため、「アレルギー疾患」の位置づけにあっても間違いではありません。
しかし、今のアトピー性皮膚炎の研究者の中には、アトピー性皮膚炎はアレルギーではない、という主張している先生もいます。
病気の本質からみれば、アトピー性皮膚炎の原因はアレルギーでないことが多いのですが、症状に関わっている以上、アレルギーを考えなくてよいわけではありませんので、注意しましょう。