アトピーを難治化させる原因とは?(1)

大田です。

 

 

 

 

 

 

 

 

                    
アトピー性皮膚炎が広く世間に知られるようになったのは、「平成」に入って以降のことと言えるでしょう。
それまでは、もちろんアトピー性皮膚炎という疾病名は存在していましたが、主に子どもの病気で大人になると自然に治る疾患、というイメージが浸透していました。
しかし、少しずつ、大人になっても症状が悪化した状態を維持する患者が増え始め、また、昔は乳児性湿疹や脂漏性湿疹と混濁した診断が下されていたものが、日本皮膚科学会がアトピー性皮膚炎の診断基準におけるガイドラインを作成、また診断技術の発達もあり、「アトピー性皮膚炎」という疾患名がアトピー患者だけでなく、一般の人にも少しずつ知られてくるようになりました。
今では、一般的なアレルギー疾患として、呼吸器の症状ならばぜんそく、鼻ならば花粉症、そして皮膚はアトピー性皮膚炎、という認識は多くの人が持っているのではないでしょうか?

平成以降は、アトピー性皮膚炎の研究もいろいろと進んできました。
その中で、アトピー性皮膚炎の研究を行う現場(基礎)では少しずつアトピー性皮膚炎の原因はアレルギーではない、という結論を導き出し始めますが、治療を行う現場(臨床)では「アレルギー疾患」の位置づけに変わりはなく、抗炎症を目的とした治療が継続される状況でした。

ここ数年の間に、有名な大学機関などの発表もあったため、患者側、そして治療を行う側、つまり臨床の現場においても、アトピー性皮膚炎の原因は「アレルギー」という免疫機能にあるのではなく、「皮膚」の機能にあることが少しずつ知れ渡ってきました。
もちろん、アトピー性皮膚炎の主症状である「炎症」→「痒み」の主な原因はアレルギー反応によることは確かです。
つまり「症状の原因」は「アレルギー」ということです。
しかし、アトピー性皮膚炎という「病気の原因」は、「皮膚の機能」の異常状態あり、その結果として「アレルギー」が現れます。
少しややこしい話に感じるかもしれませんが、まとめると、

・アトピー性皮膚炎の主な原因→皮膚の機能の異常

・皮膚の機能の異常による結果として→アレルギーが発症

・アレルギーが発症することで→炎症、かゆみというアトピー性皮膚炎の主症状が現れる

ということになります。
もちろん、昔から存在していたアトピー性皮膚炎の原因は(大きくなれば自然と治る子どもの疾患、と考えられていたとき)アレルギーを原因としているケースもあったと考えてよいでしょう。
しかし、平成以降、急激に疾患数が増加した「アトピー性皮膚炎」は、昔からの「アトピー性皮膚炎」とは、原因そのものが異なる疾患と言えるのです。

明日は、アトピー性皮膚炎の病気の実態について考えていきます。

                       
おまけ★★★★大田のつぶやき

アトピー性皮膚炎が昔から誰しも知っていた疾患、と考える方は多いのですが、情報も少なかったこともあり、また実際に患者数も今ほど多くありませんでしたから、一般への認知は十分でありませんでした。
逆にいえば、今はほとんどの人が認知できるぐらい、一般的な疾患の位置づけとなりましたが、急激に増加した「理由」の中から原因を探っていくことも大切でしょうね。