細菌が作り出すものとは?

東です。

 

 

 

 

 

 

 

 

                         
アトピー性皮膚炎の方にとって、皮膚の細菌叢は、アトピー発症だけではなく症状の悪化にも深く関わる重要な素因の一つです。
今日は、細菌に関わる興味深い記事を紹介しましょう。
        
                 
●運動後にマウスウォッシュすると身体の中で起きることとは?
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190905-00010005-newsweek-int
        
──唾液に含まれる口腔細菌が果たしていた役割とは……
         
運動した後に血圧が降下することは広く知られているが、「運動後低血圧(PEH)」の要因やメカニズムについては、まだ完全に解明されていない。
        
■唾液に含まれる口腔細菌に注目した
          
英プリマス大学とスペインのゲノム調整センターとの共同研究チームは、2019年7月29日、学術雑誌「フリーラジカル・バイオロジー&メディシン」において、「口腔細菌による亜硝酸塩合成は、運動後の血管反応を促し、運動後低血圧をもたらす重要なメカニズムである」との研究論文を発表した。
運動していると、一酸化窒素の生成によって血管の直径が大きくなる「血管拡張」が起こり、筋肉への血液循環が増える。では、運動後、どのようにして血液循環が高いまま維持され、運動後低血圧を引き起こすのだろうか。
研究チームでは、一酸化窒素から分解された化合物である硝酸塩に着目。硝酸塩は、唾液腺に吸収され、唾液とともに排泄されるが、一部の口腔細菌によって、体内での一酸化窒素の生成を促す重要な分子である「亜硝酸塩」に転換される。亜硝酸塩が含まれた唾液を飲み込むと、この分子が素早く血液に吸収され、これによって一酸化窒素を生成し、血管の直径が大きくなって、運動後も血圧の下がった状態が続くというわけだ。
       
■マウスウォッシュで口をすすいで口腔を殺菌してみると……
          
研究チームでは、「口腔細菌を阻害し、硝酸塩から亜硝酸塩への転換を妨げると、運動後低血圧に影響が及ぶのかどうか」を検証するべく、健康な成人23名を対象に実験を行った。30分間にわたって被験者にランニングマシンで運動させ、運動直後から30分ごとに計4回、液体で口をすすぐように指示。
口をすすぐための液体として、医薬用殺菌薬クロルヘキシジン(CHG)濃度0.2%の洗口剤とミントの香りをつけた水のいずれかを被験者に与えた。また、被験者の血圧を運動前と運動から1時間後および2時間後に測定するとともに、唾液と血液のサンプルを運動前および運動から2時間後に採取している。
水で口をすすいだ被験者は運動から1時間後に血圧が5.2mmHg下がり、2時間後でも3.8mmHg下がっていた。一方、洗口剤でうがいした被験者は、運動から1時間後の血圧が2.0mmHgしか下がらず、水で口をすすいだ被験者に比べて運動後低血圧の効果は61%低かったうえ、2時間後には運動後低血圧の効果がまったくみられなくなった。殺菌作用のある洗口剤で口をすすいだ被験者は、運動後、血液中の亜硝酸塩のレベルも上昇しなかったという。
あくまでこの結果だけみると、運動の後、血圧を下げたい場合は、運動後にはマウスウォッシュしないほうがいいということになる。
        
■「口腔細菌による亜硝酸塩合成が非常に重要である」
        
研究論文の筆頭著者でプリマス大学の博士課程に在籍するクレッグ・カトラー氏は、「口腔細菌による亜硝酸塩合成が血圧降下や筋酸素化レベルの上昇を促すうえで非常に重要であることが示された」として、一連の研究成果を評価している。
         
        
記事にあるように、口腔細菌が作り出す亜硝酸塩は、血圧に大きな影響を与えるというのは興味深いところです。
皮膚の細菌も、さまざまな物質を生成しています。
そうした物質は全て発見されたわけではありませんし、またその働きも解明されていません。
もしかすると、アトピー性皮膚炎の炎症や痒みに関わる重要な働きが、そうした細菌の生成物にあるかもしれません。
今後、皮膚の分野にも、こうした研究が進むと良いですね。

                         
おまけ★★★★南のつぶやき

ヒトは細菌と共生関係にあることは良く知られています。
もちろん、菌の中にはヒトに対して有害なものもありますが、ヒトの生存に必須の細菌も存在ます。
ヒトの健康に対しても、こうした菌が関わっているとするならば、何を大切にするべきなのか、もう一度、真剣に考える時代が来ているのかもしれませんね。