暑い今の時期だからこそ、「入浴ケア」(1)

大田です。

 

 

 

 

 

 

 

                   
梅雨寒から一転、今月は猛暑が続きましたが、今週からひと段落したようです。
しかし、気象協会などが発表している長期予報によると、向こう一ヶ月間の予想では、気温、降水量ともに、平年より高くなる、としているようです。
今週は、新たに発生した台風が秋雨前線を刺激することから、まだ崩れ気味の天候となるかもしれませんが、来週からは、再び気温が上昇することも考えられます。

アトピー性皮膚炎の肌状態は、こうした気候の変化に、かなり左右されます。
特に、状態が安定していない方の場合、「汗による悪化」「気温の低下による乾燥状態」「ジュクジュクした感染症」など、気温や湿度に肌状態が細かく左右されることも多いものです。
そこで、少しでも肌状態を「安定化」させるために、暑い今の時期だからこそ、「入浴ケア」を上手に取り入れてほしいと思います。

アトピー性皮膚炎の原因は、個々人によりさまざまですが、アレルギーが関与する場合と、皮膚のバリア機能が関与する場合の二つに大別されます。
最近、増加の傾向がみられるアトピー性皮膚炎の原因は、後者の「皮膚のバリア機能」が関与しているという研究が多いのですが、この皮膚のバリア機能に大きく関わってくるのが「皮膚の細菌叢(常在菌)」です。

「悪玉菌」「善玉菌」そして「乳酸菌」という言葉になじみがあるかと思いますが、腸内の細菌の役割と必要性については、最近では多くの方が認識しています。
しかし、腸内と同じように、いえ場合によっては腸内以上に皮膚も常在菌の役割が重要であることはあまり知られていません。

一般的に、腸内細菌の数は100兆個、そして皮膚の細菌の数は1兆個ぐらい存在すると考えられています。
腸内は、いわゆる閉鎖環境であり、温度、湿度など細菌が増殖する環境が比較的安定しています。それに対して皮膚は、常に外気に触れていて、また衣類など異物との接し職も多いため、フローラ(細菌叢)の形成は腸内よりも安定しづらい環境にあると考えてよいでしょう。

アトピー性皮膚炎の方は、主な症状は皮膚に現れます。
皮膚の炎症に主に関わっているのは、免疫による「炎症」ですが、この炎症を作り出す免疫を活性化させている一つが、黄色ブドウ球菌などの皮膚に常在する細菌群です。
本来、黄色ブドウ球菌は日和見菌としてどこにでもいる菌ですが、皮膚は「無害な常在菌(表皮ブドウ球菌など)」がフローラ(細菌叢)を形成することで、黄色ブドウ球菌など「悪さ」をする菌が定着、繁殖しないような仕組みになっています。

しかし、さまざまな要因(環境要因、遺伝的要因、皮膚機能の要因など)が関わることで、常在菌が「占める」割合が低下、その隙間に黄色ブドウ球菌など「悪さ」をする菌が繁殖することがあります。
黄色ブドウ球菌は、デルタ毒素と呼ばれる毒素を排出しますが、このデルタ毒素は、アレルギーを引き起こすIgE抗体を増強する働きがあることが分かっています。

皮膚のバリア機能が低下

細菌叢が乱れる

黄色ブドウ球菌やボービス菌などが皮膚に定着

それらの菌が排出する毒素が、体内のIgE抗体を増強

アレルギー反応が強化される

炎症が生じることで、痒みを誘発する

痒みによって、皮膚を掻き壊す

皮膚を掻き壊すことで、バリア機能がさらに低下
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といった悪循環が形成されると、アトピー性皮膚炎が発症、あるいはすでにアトピー性皮膚炎の方であれば、症状悪化につながってきます。
明日は、この悪循環の「輪」を正すためにどうすればよいのかを考えていきましょう。

                         
おまけ★★★★南のつぶやき

昔はアトピー性皮膚炎をアレルギーと考えていましたが、今の研究では、アレルギーは結果であり原因ではない、という考え方の方が主流になっているようです。
もちろん、アレルギーが原因の方もいるでしょう。
しかし、アレルギー素因がない方にもアトピー性皮膚炎や花粉症などのアレルギー疾患が見られる、ということは、アレルギーが後天的に「作られる」ということの現れともいえるでしょう。
アトピー性皮膚炎は「何を治す必要があるのか」は考えて治療して欲しいと思います。