耐性菌の反撃とは??(3)

大田です。

 

 

 

 

 

 

 

 

                     
今日も昨日の続きです。
            
          
●抗生物質が効く時代はあとわずか……医療を追い詰める耐性菌に反撃せよ
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190705-00010000-newsweek-int&p=1
          
▼「抗生物質は核爆弾投下と同じ」
                 
細菌を殺すウイルスはファージ(正式にはバクテリオファージ)と呼ばれる。ファージはタンパク質に包まれた遺伝情報物質で、細菌の細胞膜を突き破って侵入し、相手の遺伝系を乗っ取り、自らを複製・増殖させる。ライリーはまた細菌が抗菌活性のあるタンパク質(バクテリオシン)を産生して仲間をやっつける仕組みも研究している。
ライリーの目標は危険な細菌を殺すことだけではない。有益な細菌を守ることも視野に入れている。人体の内部や表面に常在する細菌はおよそ400兆個。その大半が有益・無害で、ライリーによると、有害なものは1万分の1%くらいだという。
しかしペニシリンやテトラサイクリンのような在来の抗生物質は、細菌の種類を区別せず、全てを殺そうとする。だからこそ細菌は、生き残りを懸けて耐性を獲得するわけだ。
「感染症で抗生物質を使うのは戦争で核爆弾を使うのと同じ」だとライリーは言う。「それは人体の常在菌を半分以上も死滅させる。有益な細菌が不足すると、肥満や気分の落ち込み、アレルギー体質になりやすい」
一方、ファージやバクテリオシンは(少なくとも理論上は)有害な細菌だけを攻撃できる。無害な細菌まで殺すことはなく、耐性菌が生まれやすい環境をつくり出すこともない。
バイオテクノロジー企業のイミュセル(メーン州ポートランド)は、乳牛の乳腺炎治療に使えるバクテリオシンを開発した。この病気によってアメリカの酪農業界は年間約20億ドルの損失を被っている。ライリーによれば、実験室レベルでは今でも、ファージやバクテリオシンを操作すれば、ほとんどの病原菌に対抗できる。しかも「いずれも20億年前に出現した殺しのメカニズムだから、化学的に安定している」。
ファージを用いた治療法の臨床試験はジョージア(グルジア)やバングラデシュでも行われている。欧米では足の潰瘍の治験で良い結果が出ている。より深刻な病気はまだ治験対象になっていないが、17年に米食品医薬品局(FDA)が特別に認めた多剤耐性菌による感染者のファージ治療が成功し、全米の研究者への刺激になった。
今後は多剤耐性菌による結核や嚢胞性線維症に伴う肺感染の治験が行われる可能性があるという。一方でバクテリオシンの研究はファージほど進んでいない。米政府はこうした研究に20億ドルの支援を約束しているが、「全く足りない」とライリーは言う。
癌の治療では患者の免疫力を高める方法が注目されているが、この免疫療法も耐性菌との戦いに応用できる可能性がある。既に牛などの動物の体内で人間の抗体を作り出す手法が確立されていて、これを患者に注射する治療も考えられる。
            
             
記事では、「感染症で抗生物質を使うのは戦争で核爆弾を使うのと同じ」と書かれていますが、あながち大げさな表現とは言えないでしょう。
菌は必ずしも有害なものばかりではありません。
皮膚も、本来は無害な菌が細菌叢を形成、バリア機能の一部として機能しています。
抗生物質は、有害、無害を問わずに菌に影響を与えますので、無害な菌がどのように「成長」するのかは、誰も検証したことがない「未来の鎖」のようなものと言えるでしょう。

明日は、菌に立ち向かう「抗生物質」の開発上の問題を見ていきましょう。

                      
おまけ★★★★西のつぶやき

昨日のおまけでも書いた通り、皮膚の「健康」には皮膚に共生している「菌」が重要な役割を果たしている。
有害な菌を死滅させるために、皮膚の健康に関する「守り」を失うことは、ある意味、大きな「賭け」のような側面もあるのだろう。
「核爆弾」、つまり良い菌も悪い菌も、すべてを駆逐するのは、考えさせられる。