【閑話休題】砂漠の国が「砂」を輸入?(2)

ショウゴです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                     
今日は、昨日の続きです。
             
              
●「砂」が大金に変わる?希少化する「砂」の今
https://news.yahoo.co.jp/byline/shimomurayasuki/20190620-00130816/
          
▼アフリカ諸国の砂事情
            
今年4月9日、IMF(国際通貨基金)は「世界経済見通し」で2019年のサブサハラ地域の実質GDP成長率を3.8パーセントから3.5パーセントに下方修正しました。それでも世界全体の成長率3.2パーセントをうわまわる経済成長を続けるアフリカ諸国。都市人口の急増による建築ラッシュは続いており、砂問題と無縁ではありません。
2000年代半ばから砂が絡んだトラブルが表に出始め、最近では、ケニア・ウガンダ・タンザニア(東部アフリカ)、ガンビア、リベリア、セネガル、シエラレオネ(西部アフリカ)、モザンビーク・南アフリカ(南部アフリカ)、モロッコ・チェニジア(北アフリカ)などなど、東西南北問わずアフリカ中でニュースになっています。
            
そのいくつかを紹介すると――
            
・ウガンダ(東部アフリカ)
世界第三位の湖水面積を持つビクトリア湖に面する同国では、違法採取による、重要な輸出品である魚・魚製品への影響が深刻。3メートルという規制に対し実態は12メートルの深さまで浚渫が行われているケースもあり、魚の生息域や稚魚の成育に影響を与えている。
          
・ケニア(東部アフリカ)
違法採取された砂を運搬中のドライバーが、敵対する砂マフィアにより殺害される。
          
・ガンビア(西部アフリカ)
アフリカ大陸で最も小さな国土である同国では、2017年6月に砂の採取を巡る小競り合いで2名が死亡。また国土の全体が標高100メートル以下であるため、違法採取により、満潮時に川を経由して海水が耕作地に流れ込む可能性が危惧されている。
          
・モザンビーク(南部アフリカ)
政府公認の採取による自然環境の破壊。砂採取が行われ始めてから洪水が頻発し、家の流出などにより採取場近くの村が壊滅。国際人権団体であるアムネスティが、操業をしていた中国の鉱山会社の違法操業を告発。
         
・モロッコ(北部アフリカ)
砂マフィアによる違法採取で、同国の海岸線が破壊されているとUNEPが報告書内で指摘。
同国で算出されている1000万トンの半分が違法採取であるとのこと。
          
――概してガバナンスが脆弱なアフリカ諸国では、UNEPを始め国際機関や政府・NGOなどが砂を守るため様々な取り組みをしていますが、その実、どの国も後手に回っているのが現状です。
            
▼砂と共存するために
            
ここまで「砂」という言葉でひとくくりに表記してきましたが、実際は採取場所(川・海・山など)や、砂の種類によって用途も価値も異なります。詳細な説明は割愛しますが、過剰採取による採取場所ごとの主な影響は以下のようなものが考えられます。
          
・川砂
洪水のリスク、川筋の変化、水質汚濁、マラリア汚染地域では媒介者のハマダラ蚊増殖の要因
        
・海砂
高潮浸水の被害拡大、海流への影響、魚礁破壊の要因
        
・山砂
地滑りや水質汚濁、地下水枯渇の要因
              
また違法採取が被害を与えるのは環境だけではありません。
2000年には台湾で、2001年にはポルトガルで、2016・2018年にはインドで、砂の違法採取が原因とされる橋の崩落事故が発生し多くの死者も出てしまっています。
さらにインドでは砂マフィアが暗躍しており、環境NGO「ダム・川・人の南アジアネットワーク」によると、昨年一年だけで、違法な砂の採取に反対した政府職員、警察官、記者、市民ら11人が殺害され、18人が関連する活動で死亡したと伝えられています。
日本は2018年(1~12月)、130万トンの砂を輸入しており、2001年からの累計輸入量は5160万トンとなります。2007年にそれまで最大の輸入国だった中国が輸出を禁止し、コンクリート用砂を確保するため建築業界が対応に追われました。(現在の最大輸入国はオーストラリア/総輸入量の75パーセント)(※3)
日本国内での砂採取は、1968年に全面改定された「砂利採取法(1956年制定)」により、河砂の環境破壊を防ぐため河川での採取が厳しく制限されました。ところがその結果、(特に瀬戸内海で)大量の海砂が採取されるようになりました。1998年、環境保全のため広島県が海砂採取を全面禁止。その後各県も続き平成18年には瀬戸内海での海砂は採取禁止となりました。
現在、採取規制や資源枯渇の影響を受け年々減少の一途を辿っており、2016年度における砂の採取総量は約7万2300トン。2007年度10万5800トンの7割程度にまで減っています。(※4)
また建築物に関しても「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律」が2000年に施行されるなど資材の再利用についても法制化されています。(※5)
          
UNEPの報告書(※2)には――
         
・まずこの問題の規模を、今世紀における持続可能性の大きな課題の1つとして認識すること。
・その上で、「不要な消費を避ける」、「建設に使用する天然砂をリサイクル材料および代替材料に置き換える」、「.既存の基準(条約や協定など)やベストプラクティス通して採取の影響を削減」すること。
・そして、国家の枠組みを超えて、砂の生産や消費のトレーサビリティ(追跡可能性)強化を協力すること
            
――が必要だと記されています。
         
広島県が2017年に出した「広島県海砂利採取環境調査報告」によると、採取を全面禁止にして約20年が経ち、なんとか自然環境への影響拡大は止まっているようです。しかし浚渫により大きくえぐられた海底は今も回復しておらず、現在の技術を用いても、気の遠くなる時間をかけて作られた自然をわずか20年で元の姿に戻すのは不可能なようです。
もはや砂は「あって当たり前の存在」ではなく、人類にとって空気や水と同様貴重な天然資源です。
砂漠化や海面上昇・大気汚染は気候変動の最たるものとしてたびたび話題になりますが、そろそろ「砂」にも目を向けなければ、近い将来私たちの生活が足下から崩れてしまうでしょう。
             
              
記事を読むと、広島県が置かれている海砂利の状況は回復までに気の遠くなるような時間がかかるみたいだね。
採取するのは数十年でとりつくしても、それが回復するまでに、もし数千年もかかるようならば、本当に、今の生活を根本から見直さないと、とんでもないことになるのかも。
警鐘として覚えておいた方が良い記事かもね。

                
おまけ★★★★博士のつぶやき

いままで、「砂」の問題が、大きく取り上げられることはなかったわけじゃが、記事を読む限り「砂」も限りある資源の一つであることは確かなようじゃ。
「衣食住」という生活環境を考えた場合、その中の「住」が事実上、砂によって支えられておるわけじゃから、限りある「砂」という資源の先行きを考えると、少々、恐ろしさも覚えるの。
もし、「使える砂」がほぼなくなったとき、どうなるのか?
コンクリートに支えられた我々の生活で「砂」の代替えとなる資源はあるのか、またその資源も枯渇することはないのか?、非常に心配な面が多い。
今の生活環境の中で、「水」や「食糧」など問題視されている資源はいろいろとあるわけじゃが、「砂」は見落とされる大きな問題なのかもしれんの。
アトピー性皮膚炎が増加してきた「生活環境」の変化に見える本質の問題が潜んでおるようにも思えるの。