自然と治るアトピーと治らないアトピーの違いとは?(1)

大田です。

 

 

 

 

 

 

 

 

                      
長年、アトピー性皮膚炎で悩んでいる方にとって、ステロイド剤治療の可否は、大きな課題と言ってよいでしょう。
本来、初期のアトピー性皮膚炎の炎症の多くは、慢性化することなく「沈静化」します。
おそらく、ステロイド剤使用の可否を問わず、初発のアトピー性皮膚炎に限れば、80%以上は、慢性化することなく「治癒」していると考えられます。
なぜなら、アトピー性皮膚炎の炎症にもっとも関わる免疫「IgE」は、本来、長期記憶を持たない免疫だからです。
詳しくは、専門家を取材した下記の記事をご覧ください。

▼2019年4・5月号電子版
痒みの素、IgEを減らすためのB細胞物語
http://www.atopinavi.com/eb/index.html

炎症から掻き壊しを生じた場合、そこに感染症など、二次的な要因が重なることで、炎症が慢性化するリスクは確かにありますが、初発のアトピー性皮膚炎の炎症自体は、IgEが関与する場合、急性の炎症でとどまることがほとんど、と考えてもよいでしょう。
もちろん、アトピー性皮膚炎の炎症、痒みは、痒みを知覚する神経線維の関与など、IgEが関与しない場合もありますが、長期化した場合、その炎症の主体はIgEが関与する場合がほとんどです。
しかし、ほとんどのアトピー性皮膚炎は、体内のIgEを作り出す「素因」が失われれば、長期記憶を基本的に有さないIgEは、その素因がなくなることで炎症も作らないようになるわけです。

しかし、実際には慢性化して、長期化しているアトピー性皮膚炎の方がいます。
そうしたアトピー性皮膚炎の方のIgEを調べると、本来、持たないはずの長期記憶を持ったB細胞が関与していることが分かります。
では、なぜこうした「自然と治るアトピー」と「治らないアトピー」の二つに分かれることになるのでしょうか?

そこには、上記の記事中で出てくる、mIgE陽性B細胞の関与が考えられます。
続きは明日にしましょう。

                      
おまけ★★★★東のつぶやき

免疫の研究を行っている先生方に取材すると、よく聞くのは、B細胞の研究は、他の研究の基礎となる部分なのに、あまり重視されていないことが多い、ということです。
特に、基礎ではなく臨床を行っている医師は、免疫の学者が基本として知っていることを知らないことも多く、研究の前提が一方向性を切り取っていることもあるそうです。
なかなか、研究の世界のことだけに、難しい部分がありますが、「正しい方向性」の研究につながるようにして欲しいところです。