医療情報は、何を信じればよいのか?(1)

東です。

 

 

 

 

 

 

 

                   
Webで検索すると、いろいろな医療の情報を入手できます。
その情報の発信者は医者であったり、研究者であったり、あるいは患者や関係ない個人であったりさまざまです。
そして、その発信された内容を見ていくと、例えば同じ医療に携わる方の情報でも、全く真逆の情報が発信されることも珍しくはありません。
それを読むユーザーが、その情報の「真偽」を判断する必要がありますが、どういった基準で判断を行えば良いのでしょうか?
まず、一つの記事を紹介しましょう。

                     
●#脱ステ、反ワクチン…インスタの「医療情報無法地帯化」に警鐘
https://news.goo.ne.jp/article/dot/life/dot-2019042200065.html

偏った情報に偏りがちになるインスタの医療情報。問題打開に立ち上がった医療者たちの発見と医師と患者の新たな関係。私たちが偽医療情報を見分ける方法とは。

子育てをしている親たちは日々不安や迷いに直面する。例えば、赤ちゃんは生後2カ月から数多くの予防接種が始まる。まだ首も据わらない我が子にたくさん注射して大丈夫なのかと不安に思う親たちは少なくない。そうしたときにネットで情報を検索すると、ワクチンの不安をあおるような投稿や体験談にたどり着きやすい。
感染力がとても強く世界で感染が拡大しているはしか(麻疹)や、昨年から日本でも流行している風疹などはワクチンがあればほぼ防げる感染症だ。ワクチンを打つかどうかは個人の判断ではあるが、自分自身の感染を防ぐことと同時に、免疫がついていない赤ちゃんや移植手術をした人、抗がん剤治療中の人など免疫の低下した人を守るために、多くの人が予防接種をして流行させないことが重要だ。
また皮膚の炎症を抑える「ステロイド」についても、「体に毒素がたまる」といった投稿があり、それを信じてステロイドを忌避する人も。インスタでも「#脱ステ」のハッシュタグをつけた投稿がたくさん出てくる。
「反ワクチン」について分析するイベントを企画したジャーナリストの鈴木エイトさんは言う。
「子どものことを考えて、情報を必死に集めようとしても、偏った情報しかなければ正しい判断はできない。そういう状態を放置すれば、適切な医療を受ける機会を逸して、子どもたちが苦しむことになります」
ネット上で偽医療情報が出回ることについて、
「医療者が手を差し伸べられなかった隙間に入り込んでいる」
と話すのは、内科医としてツイッターで情報発信するナビタスクリニック理事長の久住英二さんだ。
「信頼性のある情報よりも、恐怖や不安のほうが人の心を強くとらえ、思考停止させてしまう」
一方、厚生労働省など公的機関が発信する情報は情報量が多すぎてわかりにくい。
「正しい情報へリーチしにくいことも誤解を招く原因になっている」(久住さん)
医療情報のリテラシーに詳しい京都大学大学院医学研究科の中山健夫教授はネット上で根拠に基づいた医療情報を探すための情報源として「診療ガイドライン」を挙げる。厚労省委託事業で日本医療機能評価機構が運営する「Mindsガイドラインライブラリ」には、日本で公開された診療ガイドラインが集まっているのでお勧めだ。だが、ガイドラインは主に医療者向けに書かれたもので、患者には難しい面もある。
「ネットの利用が広がり、個人的な体験談や、都合のいいことだけを書いた情報が医療関係者の目をくぐらずに広まっている中で、心ある医療者が声を上げ、診療ガイドラインなどを踏まえて、根拠のある医療情報をネット上で一般に向けて発信するのはとてもいい動きだと思います。ただ、忙しい医師たちが発信を続けていけるのかという心配もあります」(中山さん)
先陣を切ってインスタで投稿を始めた小児科専門医の加納友環さん(36)は、例えばインスタでは1本の投稿に30分から2時間ほどかかるというが、「メリットがある」と言う。
「情報を再確認する中で新たな発見もありますし、説明を簡潔にまとめる訓練にもなります」
「#インスタ医療団」をつけて投稿する一人で、「外科医けいゆう」の名前で発信する京都大学大学院医学研究科の山本健人さん(34)も「医師として学びがあるから続けている」と話す。
消化器外科医としてがん患者に接する中で、ネット上の誤った情報に翻弄される患者が多く、「自分の力でネットの状況を変えたい」と、17年5月にウェブサイトを開設した。
「いまはSNSで発信する医療者も増えてきて、それぞれの医師の考え方も知ることができ、専門外の分野の情報も得られます。また、患者さんがどんなことに困っているのか、どんなことが理解できないのかを知ることは診療に生かされています」
山本さんは、ツイッターなどでつながる医師たちと、患者とが交流するイベント「SNSが作る新たな医療のカタチ」をこれまでに2度開催した。医師と患者の新しい関係を築こうとしている。
インスタ医療団の投稿が始まり、インスタでも信頼性のある医療情報が上位に表示されるようになった。一方、インスタ医療団のハッシュタグをつけて、根拠のない医療情報を発信する人も後を絶たない。私たちが信頼性のある医療情報を手に入れるにはどうしたらいいのか。
山本さんによると、情報を見分けるために二つのポイントがあるという。
一つは「根拠が何か」ということ。例えば厚労省などの公的機関や学会などが出した情報を参照しているかどうか。また、たとえ医療者が書いている情報でも信頼できるとは限らず、複数の専門家の目があることも重要だという。
「ツイッターなどのSNSでは、たくさんの医師をフォローすると良いと思います」(山本さん)
もう一つは「断定的な情報は疑え」だ。
「単純化された情報には注意したほうがいい。医療情報は細かい前提条件があって初めて意味をなすもので、基本的に断言できません。例えば同じがんでも進行具合や位置によって変わる。それなのに『がんが消える』のようなわかりやすい極論には気をつけたほうがいいです」(山本さん)

                         
今日は、まず記事の方を紹介しました。
ここで注意したいのは、情報の真偽は、発信者の真偽が基準ではない、ということです。
最後に「断定的な情報は疑え」とありますが、それ以上に気をつけなければならないのは「利益誘導している情報は疑え」という部分です。
では、どういった情報がそれに該当するのでしょうか?
続きは明日にしたいと思います。

                       
おまけ★★★★大田のつぶやき

しばらく前に、大手のサイトで、誤った医療情報が多数流された問題がありましたが、一般の人は「医療の素人」なわけですので、その判断を的確に行うことは難しいでしょう。
逆に、判断が行えないからこそ、情報をWebに求めているわけです。
研究機関など、エビデンスがしっかりしたところの情報は、専門用語も多く、読み解くのに時間がかかることも多いかと思いますが、まずはそういった情報から「勉強」していくことも大切かもしれません。