チョコとアトピーとカカオの関係

東です。

 

 

 

 

 

 

 

 

                
甘いものを食べてアトピー性皮膚炎の症状が悪化する例はよく聞きます。
今日は、チョコレートとアトピーに関する記事を見つけましたので紹介しましょう。
          
            
●チョコレートで皮膚がかゆくなる? アトピー性皮膚炎と高カカオチョコの意外な関係
https://dot.asahi.com/wa/2019020800006.html?page=1
             
バレンタインのこの時期、男女ともにチョコレートを食べる機会が増えることでしょう。京都大学医学部特定准教授で皮膚科医の大塚篤司医師が、チョコレートとアトピー性皮膚炎の意外な関係を解説します。
       
1879年、スイスのベルンでは「ある薬剤師の息子」が新作のお菓子作りに挑戦していました。発明とは時に失敗や偶然から生まれるもの。彼はうっかり、原料混合の機械を動かしたまま帰宅してしまいました。この失敗の結果、口溶け滑らかで苦味のある香ばしいお菓子が誕生しました。この機械が巻き貝の一種であるコンク貝に似ていたことから、練り続けるという意味の言葉「コンチング」が生まれました。「コンチング」は現在、チョコレート作りの大事な工程のひとつとなっています。この偉大な失敗を犯した彼こそがロドルフ・リンツ。スイスのチョコレートブランド、リンツチョコレートの発案者です。
チョコレートには約30~40%のカカオが含まれています。適度な渋みや苦味、香ばしい香りのカカオは、チョコレート好きをとりこにする重要な素材です。カカオ好きをターゲットとした、カカオ成分が70%以上の高カカオチョコレートも売られています。高カカオは健康に良いイメージがあるかもしれません。しかし「高カカオをうたったチョコレート」に関しては、独立行政法人国民生活センターから注意喚起が発表されています。その原因の一つが、カカオに含まれる金属であるニッケルです。
ニッケルは金属アレルギーの原因として知られています。ピアス、ネックレス、指輪など多くの貴金属のめっきにニッケルが使われています。金属アレルギーは、汗に含まれる塩素イオンにニッケルが溶出し皮膚に付着することで成立します。貴金属だけではありません。ニッケルはさまざまな食物に含まれています。その代表的なものがコーヒーやココア、そしてチョコレートです。先の高カカオ含有のチョコレートに関しては、通常の1.9~3.8倍のニッケルが含まれていることがわかりました。このためニッケルアレルギーの人は、高カカオチョコレートで皮膚炎が増悪する危険性が指摘されました。
一部のアトピー性皮膚炎の患者さんでも、金属アレルギーが関与することが知られています。金属アレルギーの有無をみる検査がパッチテストというものです。金属パッチテストとは、皮膚に金属の成分を含む試薬を貼り付け、かぶれが起きるかどうか確認する検査。アトピー性皮膚炎の約20%の患者さんが金属パッチテスト陽性です。金属の中でも特に、ニッケル、コバルト、クロムに対するアレルギーが多いことがわかっています。

さて、金属アレルギーとアトピー性皮膚炎の関係について、もう少し話を掘り下げてみましょう。アトピー性皮膚炎は現在、二つの病態に分類できることがわかってきました。外因性アトピーと内因性アトピーとよばれるものです。
外因性アトピーはアトピー性皮膚炎の約80%を占めます。湿疹のない部分の肌もカサカサしており、皮膚のバリア機能に異常があることが特徴です。また、アレルギーの数値として使われるIgEの値が高いことがわかっています。一方、内因性アトピーはアトピー全体の10~20%を占めます。皮膚のカサカサは少なく、IgEは正常範囲内か軽度高値。内因性アトピーの約7~8割が女性で、鼻炎やぜんそくの合併が少ないことが知られています。
2013年の論文では、61.3%の内因性アトピーの患者さんがニッケル、コバルト、クロムのいずれかの金属に対してパッチテストが陽性でした(J Dermatol Sci. 2013 Dec;72(3):240-5)。一方の外因性アトピーでは、25.5%の患者さんで金属パッチが陽性でした。このように、内因性アトピーの多くの患者さんが、ニッケル・コバルト・クロムに対する金属アレルギーであることがわかりました。
私の外来でも、IgEが正常範囲内で肌がカサカサしていないアトピー性皮膚炎の患者さんに、チョコやコーヒーを我慢してもらうことがあります。内因性アトピーは金属アレルギーを合併している割合が高いためです。もちろん、金属アレルギーの確認には金属パッチテストが必要です。この検査は偽陽性も多いため、アレルギーを専門とする皮膚科医のもとで検査を行うことをおすすめします。
金属パッチテストで陽性が出た場合、チョコやコーヒーなどのニッケルを多く含有する嗜好品を1~2週間制限してみても良いでしょう。この期間に湿疹が改善するようなら、アトピー性皮膚炎の悪化の原因に金属アレルギーがあったことが推測されます。
ただし、ひとつ気をつけなければならないことがあります。食べ物と病気の関連が話題になると過剰な食事制限をしてしまう方がいます。民間療法の間違った指導により、ほとんどの食材が食べられず成長障害をきたしたお子さんや栄養失調で死亡した事例もあります。アトピー性皮膚炎の治療のための食事制限は、現段階で科学的根拠が不十分であると付け加えておきたいと思います。
バレンタインのこの時期、男女ともにチョコレートを食べる機会が増えることでしょう。チョコには多くのニッケルが含まれているため、金属アレルギーの方は食べすぎないように注意してください。
             
         
アトピー性皮膚炎の痒みに対する問題で考えると、ケーキなど甘いお菓子が症状を悪化させるケースは多く、チョコレートも、「甘いもの」という視点で避ける方もいるようです。
しかし、チョコレートの場合、含まれるニッケルにより金属アレルギーが関係するケースもあるようです。
もちろん、金属アレルギーは関係なく、単に「甘いもの」という部分で症状悪化に関与してくる方もいると思いますが、こうした原因の見極めは、その対策から考えると、重要であると言えるでしょう。
なるべく、広い視野で見ていきたいですね。

                         
おまけ★★★★大田のつぶやき

記事にあるように、金属アレルギーが関係している場合には、該当する金属を多く含む食材などにも気をつける必要があります。
また、アナフィラキシーを引き起こすような食材は、生命に危険を及ぼすこともありますので、できるだけ専門医の診断を受けるようにしましょう。