入浴と冷えとスキンケア(1)

大田です。

 

 

 

 

 

 

 

 

                   
今週の水曜日、気温が急激に上昇後は、花粉の飛散量も増えたようで、花粉が原因の皮膚症状が疑われる事例のご相談が増えてきています。
基本的な対策は、少し前のブログをご覧いただければと思いますが、これからさらに花粉の飛散を迎えるにあたって、また、毎年春先の症状悪化でお悩みの方は多いのですが、そうしたお肌の状態をアップさせるためには、「入浴」を上手に取り入れて欲しいと思います。

ヒトの体が自分で行う「スキンケア」の機能とは、汗と皮脂の乳化による皮脂膜の働きが主となります。
アトピー性皮膚炎の方の多くは、「汗をかきづらい」「皮膚が乾燥しがちである」という特徴が見られますが、汗が痒みにつながるケースもあり、汗をかくことを敬遠していることも関係しているのでしょう。
しかし、自分の体でスキンケアを行う=バリア機能を高める、ためには、スキンケアにつながる汗をかくことは必須です。

汗の本来の目的は、体温調節です。
汗が皮膚から蒸散する際の気化熱を利用して、体は体温調節を行います。
この体温調節が目的の汗は、急激な体温変化を体が求めるケースが多く、その水分蒸散量が多くなる=急激な大量の汗、という形で現れます。
運動後に、急激な汗をかいた経験を皆さん、お持ちかと思います。

しかし、皮脂膜を形成するために必要な「汗」は、こうした体温調節に必要な汗とは少し異なります。
皮脂膜には「汗」と同時に「皮脂」も必要ですが、皮脂は、汗腺の脇にある皮脂腺から分泌されます。
つまり皮脂は汗と同時に分泌される傾向があるのですが、体温調節のための「汗」は、体の機能として、いわゆる「緊急事態(体温を下げる)」への対策、といった側面が強く、皮脂を分泌させている余裕はありません。
皮脂膜を形成するのに必要な皮脂の分泌は、ジワッとした汗をかいた際に多く分泌されることが分かっています。

体温に近い温度での入浴は、このジワッとした汗につながりやすく、自分の体でスキンケアを行うための「訓練」になります。
注意して欲しいのは、少しでも温度が高くなると、今度は体温を急激に下げるための汗へと変化することです。
大量の汗が肌から蒸散することは、同時に皮膚の乾燥状態を生みます。
昔の皮膚科医が、アトピー性皮膚炎の方の入浴は症状悪化につながるからよくない、としていたのは、界面活性剤を使用した洗浄剤と同じく、この高い温度での入浴が皮膚を乾燥させることが起因しています。

まだ寒い時期ですので、ぬるめの温度では「温まる感覚」を十分に得ることができないかもしれません。
しかし、「お肌の健康」を第一に考えた場合、温まる満足感よりも、ジワッとした汗をかく「訓練」を優先して欲しいと思います。

明日は、「冷えの解消」の点について見ていきましょう。

                    
おまけ★★★★大田のつぶやき

「汗をかく」という行為だけ考えた場合、本来ならば、緩やかな運動を行うことが望ましいのですが、毎日反復して、こうした運動を行える方は少ない社会状況でしょう。
その点、入浴は「毎日の生活習慣」の一部です。
ですから、あとぴナビでは、アトピー性皮膚炎の克服のために行う積極的な「アプローチ」の一つとして入浴をお勧めしているわけです。
温度管理が難しいこともあり、誤った入浴を行うと逆にアトピー性皮膚炎を悪化させますので、難しい面もあるのですが、「適切な入浴」は、アトピー性皮膚炎に対して「攻め」のケアとして役立ちます。