IgEは、なぜ増加するのか?(1)

編集の北です。

 

 

 

 

 

 

 

                      
こんにちは。あとぴナビです。
昨年の秋に、国立成育医療研究センターが、mIgE陽性B細胞に着目した、IgEをアポトーシスさせることで、アトピーや花粉症の予防を行う研究について記事が出ていました。

                      

●赤ちゃんが花粉症やアトピーならない? 妊娠中に予防で
https://www.asahi.com/articles/ASLC65WK0LC6ULBJ00Z.html

記事では、

「研究チームは、胎児や乳児期にのみ現れる「mIgE陽性B細胞」に注目。この細胞の表面にあるIgEに、花粉や食べ物などの原因物質(アレルゲン)が結びつくと、IgEを大量に作り始める。一方、このIgEに特殊な薬を結合させると、細胞を自殺させるスイッチが入り、生涯にわたってIgEが作られなくなる。」

と書かれています。
要約すると、乳幼児期までに、B細胞の表面に発現しているIgEに、特殊な薬を人工的に結合させることで、B細胞がアポトーシス(自死)して、その結果、生涯にわたってIgEが作られなくなる、ということです。
IgEが作られることがなくなれば、IgEによって生じる炎症、主に花粉症やアトピー性皮膚炎、ぜん息、結膜炎などが発症しない、という予防効果が得られるのではないか、という研究です。
記事を読むと、この効果は幼児期に特有のもののように書かれていますが、最近のアトピー性皮膚炎は乳幼児だけでなく、成人型発症のケースも多くなっています。

そこで、mIgE陽性B細胞とIgEが作られる仕組みなどを詳しく知るために、先日、B細胞の研究を行っている先生を取材しました。
日本ではB細胞の研究を行う医療機関が少ない中、数々の研究を行い成果を発表されている先生です。
詳しくは、あとぴナビ4・5月号にて取材記事を掲載する予定ですが、重要なポイントだけを抑えておくと、
・免疫グロブリンは、IgMとIgDが基本で、そこにヘルパーT細胞が影響を与えてクラススイッチが起こり、IgGが作られる
・IgEは、さらにその先において、免疫グロブリンH鎖遺伝子のクラススイッチ組み換えにより作られる
・IgE型のB細胞は、本来、短命の形質細胞に分化するので、長期記憶を形成しない
・したがって、IgEはもともと、半減期間が12時間と短く、何もしなくてもアポトーシスすることで消えていく

という部分です。
では、これらがどういった意味合いを指しているのかは、明日、述べたいと思います。

                       
おまけ★★★★博士のつぶやき

免疫に関わる研究は、薬など、ゆくゆく「お金」になる研究はスピードが速く行われるが、そうした「成果」が目に見える形で現れない研究は、支援するところも少なく、なかなかはかどらないことが多いものじゃ。
B細胞に関する部分も、基礎的なところでまだまだ未解明の部分が多く、そうしたところも少しずつ明らかになって欲しいと思うの。