冬のアトピーケア(スキンケア)は適切に行いましょう(3)

大田です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                    
今日も昨日の続きです。
「脱保湿」について考えてみたいと思います。

                    

▼「脱保湿」について

毎年、晩秋から冬に入ると、脱保湿を行っている方からの深刻な相談が増える傾向があります。
適切なスキンケアで、生活の中の不快感を軽減し、皮膚のバリア機能の回復を助けることは、アトピー性皮膚炎の回復にとって必要なことと、あとぴナビは考えています。
一般的に、アトピー性皮膚炎の方向けのスキンケアアイテムは、できる限り皮膚に優しい処方となっているものが多いのですが、皮膚への刺激がゼロになるわけではないこと、そして皮膚の保湿機能(汗と皮脂を乳化させて皮脂膜を作る機能など)の回復は、外部から補助されていることが妨げになる、という考えから、アトピー性皮膚炎の方に「スキンケア」を一切行わない「脱保湿」という治療があります。
確かに、その考え方には一理あるのですが、「脱保湿」には大きな問題点があります。
それは「自ら保湿する機能がいつ回復するのか?」という問題です。
皮膚が乾燥した状態では、痒みを知覚する神経線維が角質層内に侵入した状態は解消されず、掻き壊しが常に生じます。自ら保湿する機能を回復させるためには、まずは角質層内が正しく水分で潤うことが必要なのですが、かき壊しでバリア機能を低下した状態を続ければ、角質層の水分蒸散も続くことになります。乾燥状態が続く限り、こうした痒みの原因が解消されずにバリア機能を低下した状態も「維持される」ことになり、アトピー性皮膚炎の症状が悪化し続ける悪循環に陥る場合が多くあります。よってこの悪循環を自然と断ち切ることは、かなり困難だと言えます。
実際、あとぴナビの会員の方でも「脱保湿」を目指した方は数多くおられますが、実際に成功した方は、数十人に一人と非常に少なく、また成功された方も年単位の時間を必要としていました。そして、その成功するまでの年単位の時間は、常に皮膚の乾燥と痒みとの戦いの中で過ごすわけですから、通常の社会生活を送ることも困難になりがちです。
脱保湿の方法を途中で断念する方のほとんどは、この「乾燥と痒み」に対して一切ケアを行わずに「耐える」ことができなかったわけですが、年単位という長期間耐えることができる方は、多くはないのが実情でしょう。
また、長い方では5年以上、続けた方もいますが、かき壊しが続くことで象の肌ように硬くなり、自らのバリア機能回復力が著しく低下しているケースもありました。
自らのバリア機能回復力とは、汗と皮脂が混じり合って(乳化)してできる皮脂膜により行われますので、キーワードは「汗」となります。つまり、「汗」をかける環境下にある方は、脱保湿が成功する確率が高まることが考えられ、実際、これまで脱保湿を成功された方の共通点として「汗」をかける状況になった、ということがありました。
アトピー性皮膚炎の方は、もともと、汗をかきにくく、それが皮膚のバリア機能を低下させる要因にもなっていたわけですが、汗をかくための行為(運動や入浴)がしっかり反復継続して行われていないと、「汗をかく機能」も回復が難しいと言えます。
であるならば、スキンケアによって、角質層にとって必要な「水分を与えて維持できる状態」を続けながら、併せて適切な入浴や運動により、汗をかいて自らの力でバリア機能の回復・維持が行える状況まで「育てる」ことの方が、アトピー肌にとっては、最も効率の良いアプローチと言えます。
「脱保湿」は、考え方として誤っているわけではありませんが、アトピー性皮膚炎の方が日常生活を送りながら「治していく」ことを必要とするならば、適切なスキンケアを行うことをお勧めします。

明日は、具体的な冬の時期のスキンケアの方法について見ていきましょう。

                        
おまけ★★★★北のつぶやき

明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
脱保湿については、脱保湿を行ったことがある方を取材したことがありますが、途中で断念したケースが圧倒的に多い状況です。断念した理由は、襲ってくる痒みに耐えられなかった、ということがあり、乾燥状態からくる痒みの深刻さは、やはり大きいものがあるということでしょう。
脱保湿自体の考え方は、誤りではありませんが、自分にとってその方法が「適しているのか」はしっかり判断した方が良いかもしれませんね。