年末年始の寒波対策について(4)

大田です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                         
今日は、今回のテーマの最後です。
冷えの解消を行うために必要な、血管を拡張する「方法」について考えてみましょう。

血管を拡張する方法は、いろいろとあります。もっとも効率が良いのは運動ですが、なかなか毎日一定時間を費やして運動を行うことが難しい方も多いと思います。
そこで、毎日の生活習慣として行う「入浴」を冷え対策として行うことが有効でしょう。
その際に気をつけたいのは「入浴温度」です。
体温よりも高い入浴温度は、基本的に体は受け入れたくはありません。外部から40度以上の熱が内臓に運ばれた場合、内臓の機能は大きく低下することになります。
そのため、高い温度で入浴した場合に体は、「内臓に熱が伝わりにくいように深部の血流を抑える(冷えの状態を作る)」、そして体から熱を放出するため「角質層の水分を蒸散させる(乾燥の状態)」という働きを行います。
それでも入浴が継続された場合には、今度は、血圧や呼吸機能に影響を与えて「辛い」と感じる状態を作り、入浴から解放されるように働きかけます。

アトピー性皮膚炎ない方の場合、こうした高温での入浴による影響は、角質層に大きなダメージを与えるまでにはなかなか至りませんが、バリア機能が元から低い状態にあるアトピー性皮膚炎の方は、その影響は早く、そして強く現れやすいと言えます。
お風呂上がりに乾燥状態を感じて、痒みがでる場合の大きな原因は、この入浴温度が「高い」という部分にあります。

ヒトは自分の体でスキンケアを行う機能を持っています。
汗をかく際、汗腺の脇にある皮脂腺を刺激して、皮脂を分泌、汗と皮脂が角質層の表面で乳化して皮脂膜を形成する、これが自分の体で行うスキンケアです。
この際に必要な、皮脂腺を刺激するための汗は、ジワッとした汗と言われています。体温を下げるために必要な汗は、急激に大量に出るため、皮脂を伴いにくく、スキンケアにはあまり役立ちません。
入浴温度が高いと、皮脂膜を形成しづらい汗になります。逆に、体温に近い入浴温度で、時間をかけて、じんわりと汗をかくことができれば、その汗は皮脂を伴い、入浴後にスキンケアの働きをもたらしてくれます。

このように、アトピー性皮膚炎の方の場合、入浴温度や時間などの「入浴方法」を正しく行えば、アトピー性皮膚炎を改善させるための「ケア」となりますが、誤った入浴方法を行ってしまうと、今度は、逆にアトピー性皮膚炎を悪化させる「悪化要因」となります。
昔、皮膚科医や小児科医が、アトピー性皮膚炎の患者に対して、入浴を避けるようにいったのは、入浴後の乾燥がアトピー性皮膚炎を悪化させるからですが、その悪化原因は、「入浴方法」にあった、ということです。
冬の寒い時期、どうしても高めの温度で入浴しがちです。
しかし、アトピー性皮膚炎を「改善」するために必要な「入浴温度」があることをしっかり把握して、正しい入浴方法を選択するようにして欲しいと思います。

                            
おまけ★★★★南のつぶやき

年末年始は生活習慣も少し乱れがちになるでしょう。
その分、正しいケアと正しい入浴を行うことは、とても大切になってきます。
自分にとって「必要なケア」が何なのかを正しく把握して、適切なケアを実践するようにしましょう。