妊娠中の予防接種でアレルギー体質が改善できる?(2)

大田です。

 

 

 

 

 

 

                     
今日は昨日の続きです。

今回、取り上げた研究はB細胞に結合するIgEがテーマになっています。
B細胞については、表面(surface)にIgEが発現したB細胞(sIgE+B細胞)が、IgEの受容体、ガレクチン3との関係で、IgEを増強させ、アトピー性皮膚炎の症状を悪化させることは、あとぴナビでも過去の特集で取り上げました。

                         

●主治医も知らない!?「IgE」とアトピーの関係
http://www.atopinavi.com/navicontent/list?c1=health&c2=1&c3=58

                            

今回の研究は、乳幼児期にみられるmIgE陽性B細胞がテーマになっていますので、最近、増加している皮膚のバリア機能の低下から発症するアトピー性皮膚炎とは、少し内容そのものが異なるかもしれません。
また、幼少期にIgEをアポトーシス(自死)させることが、将来の免疫機能など体の機能に対して影響を与えることがありえないのか、など問題点の部分も考えられます。
例えば、昔から体には不要な臓器と考えられていた盲腸(虫垂)が、実は免疫システムに関わっていることが分かってきたのは最近のことです。
抗生物質を使用すると腸内の悪玉菌だけでなく善玉菌も消失させますが、善玉菌は虫垂に隠れることで再び、腸内で繁殖するシステムを持っていたことが分かったのです。

mIgEを消失させることの影響が見られないことは、マウスの寿命内で確認は行ったようですが、免疫システムは、内分泌や自律神経とも密接な関わりを持っており、他の機能に対して無影響なのかは、まだ全てが解明されているわけではありません。
さらに、アトピー性皮膚炎で考えると、昔ながらの乳幼児に多かった「大人になると自然と治るアトピー性皮膚炎」は、体内のアレルギーに関する免疫機能のバランスを保つサイトカインなどが、「正しく成長」することで解消されていましたが、そうしたアレルギーが発症原因となるアトピー性皮膚炎に対しては有効だとしても、皮膚のバリア機能から発症するアトピー性皮膚炎に有効なのかの研究は、まだ行われていません。

とはいえ、アトピー性皮膚炎の「予防」を行える可能性があることは否定できませんし、今後の研究が進むことを見守っていきたいと思います。

                             
おまけ★★★★大田のつぶやき

今回の研究は「予防」がテーマになっているところは、これまでにあまりなかった研究の分野とも言えるでしょう。
アトピー性皮膚炎の痒みは、免疫だけが関係しておきるわけではありませんが、症状の悪化には、免疫が中心となっているため、こうした研究が成人型のアトピー性皮膚炎に対しても、何らかの突破口になるかもしれませんね。