アトピーは、誰が治すものなのか(3)

昨日は、病気を「治す」ための主役は、病院や薬ではなく、「自然治癒力」であることを述べた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                       
アトピー性皮膚炎の場合も同じじゃ。

病院でアトピー性皮膚炎の「症状」に対して行われる治療法は、基本的に「投薬」じゃ。
塗り薬だったり、場合によっては飲み薬やシール(貼付)などもあるが、その目的は、皮膚に生じた「痒み」を抑えることにある。
ヒトが痒みを感じる原因はいろいろあるのじゃが、アトピー性皮膚炎の場合は、主に二つじゃ。
一つは、IgEなどの免疫の働きにより、炎症反応から痒みを感じる場合。
もう一つが、皮膚の角質層内に侵入した痒みを知覚する神経線維が、皮膚への刺激などにより「痒みを感じた」場合じゃ。
ステロイド剤やプロトピック軟膏など、現在、アトピー性皮膚炎の「治療薬」として処方される薬剤は、最初の「免疫の働きにより、炎症反応から生じる痒み」に対応するものじゃ。
後者の、痒みの神経線維から感じる痒み自体は、ステロイド剤やプロトピック軟膏など、免疫を抑制する働きを考えると、その痒みを抑えることはできない。じゃが、痒みを感じて「掻いた」段階で、皮膚下においては炎症が生じることになるから、そこから生じた二次的な痒みに対しては効果を発揮する。
いずれにしても、皮膚科医や内科医などにおいて処方される薬剤の目的は、アトピー性皮膚炎、とうい「病気」を治す目的ではなく、アトピー性皮膚炎により生じた痒みという「症状」を抑える目的じゃ。
薬では「症状」に対して影響(抑えるなど)を与えることは可能じゃが、「病気」に対する直接の効果は望むことができん。
痒みを知覚する神経線維が角質層内に伸びた際、その伸びた神経線維が刺激を感じないようにする薬剤はあるかもしれん。じゃが、伸びた神経線維を元の真皮内に「戻す」という働きは、体の働きであって、外部の力によるものではない。もちろん、角質層に「水分を与える」という外部の働きがあれば、神経線維は真皮内に戻ることがあるが、この「戻る」こと自体は自分の体の働きを持ってしなければ、成し得ない、ということじゃな。
炎症反応から生じる痒みも同じじゃ。いくら炎症そのものを低下させることで、炎症から生じる痒みを抑えることができたとしても、「炎症が作り出される原因」そのものを解消しないと、ステロイド剤やプロトピック軟膏の効果が弱まった段階で、再び炎症が作り出されることになるといえるじゃろう。
明日は、もう少し自然治癒力について考えていきたいと思う。

                           
おまけ★★★★東のつぶやき

これまで多くの医師を取材してきましたが、臨床に関わる医師と基礎に関わる医師では、その立ち位置が微妙に異なっています。
もちろん、両者ともに、患者に「治って欲しい」という思いを抱いていることは間違いありませんが、病気を治すことと症状を治すことの違いは分かっていても、それを口に出した場合、その違いを相手に伝えようとはしないことも多くありました。
医師の常識が、患者にとって非常識、となるケースもありますので、「何が正しいのか」は、患者側もある程度の知識をつける必要があるのかもしれません。