スーパーバクの黄色ブドウ球菌とは?

東です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                         
アトピー性皮膚炎にとって、黄色ブドウ球菌は発症要因や悪化要因の中心となっていますが、今、黄色ブドウ球菌の感染症に対するリスクが警告されています。
         
          
●どの抗生物質も効かない……「スーパーバグ」が世界に蔓延、豪科学者が警告
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/09/post-10979_1.php
        
▼表皮ブドウ球菌の変異株3種
         
「スーパーバグ」(超細菌)といえば抗生物質が効かない細菌だが、複数の抗生物質が効かないものが人知れず世界中の病院にじわじわと広がっている――オーストラリアの科学者がこのほど、そんな警告を発した。
治療がほぼ不可能な「スーパーバグ」を発見したのは、オーストラリアのメルボルンにあるドハティ感染免疫研究所の研究者たち。英科学誌ネイチャー・マイクロバイオロジーに発表した。ドハティ研究所は、メルボルン大学と王立メルボルン病院の共同事業だ。
ドハティ研究所の発表文によると研究チームは、世界10カ国、78の研究所から受け取った表皮ブドウ球菌の数百もの分離株を調べた。そこで、ほとんどの抗生物質に耐性を持つ変異株3種類が見つかったという。研究チームは、これらが世界中に広がっていると考えており、なかでも、ヨーロッパのサンプルから見つかったものは、現在使用できる抗生物質すべてに耐性を持っているため警戒が必要だと指摘している。
         
▼DNAに異変を起こして耐性を作ったスーパーバグ
          
研究チームによると、表皮ブドウ球菌のこれら3種は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌の近縁種。自らのDNA(遺伝子)にわずかに異変を起こして、2つの抗生物質に対する耐性を持つようになった。
オーストラリアの薬局に関するニュースを発信するサイト「ファーマシー・ニュース」はこの2つの抗生物質をリファンピシンとバンコマイシンとしている。これらの抗生物質は互いに関連性がないため、細菌がどちらか1つに耐性を持ったとしても、もう1つが効くという前提で治療が行われている。そのため現在のガイドラインでは、表皮ブドウ球菌の感染はこの2つの抗生物質を使って予防するよう定めているという。しかしこのどちらも効かないとなると、ガイドラインを見直す必要がある、と研究チームは述べている。
        
▼カテーテルなどの人工物や集中治療室が原因か
    
これらの表皮ブドウ球菌は通常、あらゆる人の肌で見つかるものだ。しかし体内に侵入すると感染症を引き起こすことがある。
研究チームによると、表皮ブドウ球菌が耐性を持ってしまい感染症が蔓延する原因には2つの可能性がある。1つはカテーテルや人工関節などの人工物は通常、感染予防のために抗生物質を用いており、これが原因で表皮ブドウ球菌が耐性を持ってしまうというものだ。
もう1つは、重病患者を治療している集中治療室で強い抗生物質を多く使用するため、菌が耐性を持つようになる可能性だ。事実、集中治療室はこの変異種の感染がもっとも蔓延している場所だという。
研究チームの1人であるメルボルン大学のベン・ホーデン教授はドハティ研究所の発表文の中で、オーストラリアの一部の病院だけの問題ではなく、世界がもっと気をつけなければいけないと指摘。表皮ブドウ球菌が病院でどのように蔓延しているかやそこからどのような影響があるのかを理解し、抗生物質への耐性や表皮ブドウ球菌の感染について体系的に評価する国際的な監視システムが早急に必要だと述べている。
香港の英字日刊紙サウス・チャイナ・モーニングポストスは、世界保健機関(WHO)がこれまで長い間、抗生物質の使いすぎで薬に耐性を持つ新たなバクテリアを作り出す危険性があると警告していたと指摘している。
            
          
アトピー性皮膚炎における黄色ブドウ球菌の治療で、抗生物質が長期間使用されているケースは多くなく、基本はステロイド剤による抗炎症の治療が中心です。感染症に対して、免疫抑制を引き起こすステロイド剤の治療は、その治療効果は期待しづらいのですが、ステロイド剤の治療が中心あることが逆に幸いして、耐性黄色ブドウ球菌を防いでいる可能性があることを指摘している研究者もいるようです。
ただ、MRSAは、アトピー性皮膚炎の患者でも罹患するケースはありますので、今後、「正しい検査を行った結果、抗生物質が投与される」といったケースが増えてくると、MRSA、そして記事にあるようなスーパーバグの出現は危惧されるのかもしれません。
なお、スーパーバグとなった黄色ブドウ球菌が、IgEを増強させるデルタ毒素を産生するのかは確認されていませんが、治療が難しい感染症に罹患することは、その感染症からの影響を長期間受け続ける恐れがあることを知っておいた方が良いでしょう。

                          
おまけ★★★★博士のつぶやき

黄色ブドウ球菌も、いわゆる「生命体」であることは確かじゃ。もちろん、ヒトの基準で考える「知的な」部分がどこまで備わっておるのかは分からん。じゃが、生命体の本能と言うべき、自己保身の機能は働いておるから、こうした抗生物質との「イタチゴッコ」は避けられんのは仕方のない部分がある。
じゃが、手のつけられない「モンスター」へと変化した黄色ブドウ球菌は、とてもやっかいであることは確かじゃから、抗生物質の多用を含めて細菌を変化、進化させる要因には、気をつけるようにしたいものじゃの。