【閑話休題】蚊と皮膚の細菌叢

ショウゴです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                      
今年は、猛暑で蚊が少ない、といったニュースもあったようだけど、蚊に刺されやすい人、刺されにくい人、っていると思うんだ。
今日は、興味深い記事があったので紹介するね。
         
         
●「カ」に刺されやすい人は「皮膚細菌叢」に理由がある
https://news.yahoo.co.jp/byline/ishidamasahiko/20180818-00093578/
          
刺されると痒いカ(蚊、Culicidae)だが、繁殖が猛暑の渇水で抑えられ、高温で活動も不活発になっているようだ。カに刺されやすさが人によって異なるなどとよくいわれるが、最近の研究ではその人の皮膚の細菌叢によって刺されやすさが変わってくるという。
        
▼カが媒介する感染症
昆虫のカは、恐竜の時代にすでに出現していたようだ(※1)。そのころから恐竜などの血液を吸っていたが、現在、世界には3500種以上のカが確認されている。
ほかの脊椎動物は吸わず、ヒトの血液だけを選択的に吸う種はほとんどいない(※2)。多くのカは、ヒトの血も吸うし、ほかの動物の血も吸う。
マラリアを媒介するガンビエハマダラカ(Anopheles gambiae)や黄熱やジカ熱などを媒介するネッタイシマカ(Aedes aegypti)は、主にヒトの血を吸うが日和見的にほかの動物も刺すことが知られている(※3)。
カは、ハマダラカの仲間がマラリア(原虫)、ヤブカの仲間が黄熱(フラビウイルスの仲間)、デング熱(フラビウイルスの仲間)、リフトバレー熱、ジカ熱(ジカウイルス)、イエカの仲間が日本脳炎(フラビウイルスの仲間)、リンパ系フィラリア症(象皮病、線虫)などを媒介する。その多くは熱帯病でヒト・カ・ヒト感染症だ。また、黄熱はサル・カ・ヒトへの人獣共通感染症となっている。
東南アジアやアフリカ、中南米などを旅行した際には、なるべくカに刺されないように注意し、帰国前後に体調が悪くなったらすみやかに医療機関を受診し、検査してもらうことが重要だ。特にジカ熱が流行している地域への渡航には注意したい。
気候変動と温暖化でこうした熱帯病が地域を変える恐れもあるが、病気を媒介するしないにかかわらず誰でもカに刺されたくはないだろう。カが血を吸う対象にしている動物は多様だが、同じ種でも血を吸われやすい個体、そうでない個体がいる。カにも好みがあるというわけだ。
カがどうやって好みの動物を探し出すかは、古くから二酸化炭素、アンモニアや乳酸など発汗による分泌物などの臭いを手掛かりにしているのではないかとされてきた(※4)。カがその種類に応じて進化発達させた嗅覚により、好みの血を持つ動物を嗅ぎ分けているというわけだ。
            
▼皮膚の共生菌の多様化が重要
こうして好みの動物を大まかに嗅ぎ分けて近づいて血を吸うカだが、ヒトの場合はよくカに刺されやすいタイプとそうではないタイプがいるなどといわれる。最近の研究では、ヒトの皮膚の細菌叢、共生菌の多様性によって、カに刺される違いがあるのではないかと考えられ始めている。
マラリアは古くから人類を悩ませてきたが、どうやらマラリア原虫を媒介するガンビエハマダラカが好むタイプの皮膚細菌叢があるらしい(※5)。
オランダのヴァーヘニンゲン大学などの研究グループが、48人の成人男性(20~64歳)の協力を得て、食生活やシャワーの回数、石けんの種類など同じ状態にし、無害のハマダラカに刺されてもらう実験をした(※6)。細菌(グラム陽性桿菌、グラム陰性菌)の遺伝子を調べたところ、参加者の皮膚細菌叢は驚くほど多様なことがわかったが、カに刺されやすさも細菌叢の多様性に大きく影響され、多様なほど刺されにくかったという。
腸内細菌叢を含めれば、我々は数十億の微生物と共生している。皮膚にもブドウ球菌などの常在菌が繁殖して細菌叢を形成しているが、食べ物や化粧品、石けんなどによって細菌叢のバランスが崩れ、アトピー性皮膚炎を悪化させたりすることが知られ(※6)、皮膚の細菌叢の状態によって感染症にかかりやすくなったりする。
実際、マラリアに感染した患者は、マラリア蚊を呼び寄せる物質を分泌してマラリアを広める。こうした皮膚の細菌叢によって分泌物の臭いが変わり、カに刺されやすさにも影響を与えているというわけだ(※7)。ちなみに、よくいわれるABO血液型の違いによる違いは、あまりはっきりしていないがO型だけはマラリアにかかりにくいようだ。
こうした共生菌や寄生虫が脳に作用して宿主の行動を変えることも知られ、自らが有利になるようコントロールしているとも考えられている(※8)。皮膚の細菌叢が多様性を失った場合、カに刺されやすくなるということは、共生菌が多様になるほど宿主を守り、そういう方向に宿主も共生菌も進化しきたことを示唆する(※9)。
カに刺されにくくし、マラリアなどの感染症にかからないためには、皮膚の共生菌を多様化し、体臭を変えたほうがいいのだろう。皮膚を清潔にし過ぎることの影響は不明だが、こうしたメカニズムが解明されればより効果的な防虫剤も開発されるのかもしれない。
             
                
皮膚の細菌叢が、蚊に刺されやすいかどうかに影響を与えているのは面白いね。
抗菌などを気にする人も多いけど、皮膚の細菌叢も多様性が大事ならば、「自然な環境を保つ」ということも大切なテーマになってくるのかもしれないね。

                       
おまけ★★★★南のつぶやき

あとぴナビの会員の方を見ていると、お肌の状態が悪い時はアトピー性皮膚炎に刺されにくく、回復すると刺されるようになった、というケースもありますから、皮膚の細菌の多様性が必ず、蚊に刺されるかどうかに影響を与えるとは限らないかもしれません。
でも、肌の「状態」が、影響を与える可能性があることは確かだと思います。
蚊に刺されやすい人は気をつけてみると良いかもしれません。