黄色ブドウ球菌の話(3)

大田です。

 

 

 

 

 

 

 

                          
今日も、昨日の続きです。
黄色ブドウ球菌は、ヒトの皮膚に普通に存在する常在菌で、普段は悪さをすることはないが、皮膚を守る防御機能が弱まったり失われたりすると増殖して、アトピー性皮膚炎の場合は、発症要因になったり症状の悪化要因になったりすることを述べました。
今日は、なぜ、アトピー性皮膚炎の方の場合、皮膚を守る防御機能が弱まったり失われたりするのかを考えてみましょう。

皮膚は「健全な細菌叢」「健全な皮脂膜」「健全な免疫機能」によって守られていることは昨日、述べました。
これらの機能は、日常の生活内の要因に影響を受けることが分かっています。

1.細菌叢

皮膚の細菌叢(フローラ)は、無害な常在菌(表皮ブドウ球菌など)で形成されていることが望ましいのですが、さまざまな要因でその形成が乱されます。

・角質層の乾燥

まず一つ目は、角質層の乾燥です。
いわゆる「乾燥肌」の状態は、通常、真皮内に留まっているはずの痒みを知覚する神経線維が、角質層内に侵入、皮膚の触角刺激などを痒みとして知覚しやすくなります。
また角質細胞は通常、キレイに積み上がったレンガ状の状態を保ちますが、その角質細胞を支える「角質間細胞」の水分が失われると(肌の乾燥)、支えがなくなることでレンガが崩れた状態になり、空いた隙間から異物の侵入を許しやすくなり、免疫反応を生じさせ炎症により痒みが現れます。
痒みが現れると、掻き壊しが生じますので、細菌叢は大きく乱れることになります。

その他、生活内の要因によっても角質層の乾燥が進むことがあります。
その一つが「エアコン」です。エアコンは大気中の湿度を下げ、角質層からの水分蒸散量を増やします。
また睡眠不足、運動不足も角質層の乾燥に大きく関わる要因です。
入浴も、温度が高い入浴(40度以上)を行うと、角質層の乾燥を招きます。

こうした生活内容の要因から角質層を乾燥させても、細菌叢は結果的に乱れることになります。

・大気中の汚染物質の影響

細菌叢自体は、堅固な「壁」のようなものですが、その壁を形成する一つ一つの細菌は、非常に脆く弱い状態です。
PM2.5や黄砂など、大気中の化学物質を付着させた汚染物質が細菌に付着することで、個々の菌に影響を与え、結果的に菌叢そのものを乱すことがあります。
長くなるので、「健全な皮脂膜」「健全な免疫機能」については、明日にしたいと思います。

                     
おまけ★★★★南のつぶやき

今日、大田さんが述べた角質層の乾燥状態に対しての対策は、基本的に「洗浄」と「スキンケア」が中心となります。
注意して欲しいのは、それらの洗浄やスキンケアの成分などにより、逆に乾燥を「促進」させることもあるので気をつけて欲しいと思います。