水道水中の塩素とアトピーと対策

大田です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                         
先週までの梅雨空と一転して、今週は、全国的に夏日を迎えるところが多くなりそうです。梅雨明けはまだ先ですが、少しずつお肌の対策も夏用のケアを意識するようにしましょう。

さて、先週から、水道水の塩素に関するご質問が目立つようになってきました。
また、毎年、梅雨が明けると、お風呂のシャワーや浴水の塩素が関係していると思われる症状の悪化のご相談も増えてきます。

水道水は、河川などの水を飲用水として利用するため、浄水場でさまざまな処理が行われていることは皆さんも良くご存じかと思います。
その処理の中で、アトピー性皮膚炎の方が気をつけたいのが、「塩素消毒」です。
浄水場における処理は、取水源により異なります。
汚染されていない上流の水、地下水などを水源としていた場合には、塩素消毒や砂濾過(緩速濾過)と塩素消毒の組み合わせの処理が中心でした。
しかし、最近は、工業化や宅地開発、農薬などの影響により、河川への汚染物質の流入が増えてきており、処理は複雑化する傾向があります。

最近は、主に次のような処理が行われています。

1.塩素の投入

2.PAC(硫酸アルミニウムなどの凝集剤)で汚染物質を凝集、沈殿させる

3.砂濾過(急速濾過)

4.最後にもう一度、塩素を投入

といった処理が一般的なようです。
夏場は、気温の上昇などにより有機物質の繁殖による水質の低下や病原菌の増殖をを防ぐため、塩素の投入量が増える傾向があります。
実際、神奈川県の浄水場(寒川町)における塩素の投入量を見てみると、7月より10月の半ば頃までは、残留塩素濃度が0.9g/mlという高値で維持されています。
グラフを見ても、気温と残留塩素濃度は、ほぼ比例関係にあり、気温が低い時期は少なくなり、高い時期は多くなります。これは、気温の上昇と病原菌の増殖や、揮発による塩素濃度の減少に対抗するため、濃度を高めることが関係しています。このように、夏場は、水道水中の塩素濃度によるお肌の影響が多くなりやすいことは確かでしょう。

水道水中の遊離塩素は、病原菌に汚染されていない安全な飲料水を確保するために必要な処理ですが、シャワーや浴水で使用した場合、皮膚への影響が見られます。
富山医科薬科大学の研究では、水道水中の遊離塩素とアトピーの関係について、温水と皮膚のバリア機能の研究から明らかにした報告がありました。
また、アトピー性皮膚炎の発症要因、症状の悪化要因には、皮膚の細菌叢が深く関わっています。
皮膚を「守る」常在菌は塩素に弱いことが分かっていますので、健常な方には影響が無くとも、皮膚のバリア機能が低下しているアトピー性皮膚炎の方は、細菌叢を乱すことで、アトピー性皮膚炎の症状悪化につながることがあります。

暑い時期の入浴は、「スキンケアにつながる汗をかく訓練」に適した時期です。
適切な入浴を「活かす」ためにも、水道水中の塩素への対策は、しっかり行うようにしましょう。

                      
おまけ★★★★博士のつぶやき

入浴は、毎日の生活習慣の一つじゃ。
反復して行われるからこそ、良い影響も悪い影響も「積み重なりやすい」ということが言える。
入浴方法も大切じゃが、入浴環境も「良い環境」で行えるような注意は必要じゃろうの。