【Q&A】アトピーはアレルギーじゃやないって本当?(3)

昨日まで、アトピー性皮膚炎という病気は、必ずしも「アレルギー」を原因として発症するのではないことを述べた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                           
今日は、ではアレルギーを原因と「しない」アトピー性皮膚炎は、「何を治せばよいのか」を考えてみたい。

まず、最初に忘れてならないことは、アトピー性皮膚炎の「症状」には、どういった場合であっても、「アレルギー」が関与してくる、ということじゃ。
したがって、現在の、痒みや炎症を抗炎症剤により治療することは、全く無意味、ということではもちろんない。
じゃが、症状の治療だけ行って、病気本体の治療を行わないと、病気から生じる症状は、繰り返し現れることになる。

例えば、インフルエンザの例を取り上げたが、高熱という症状を治そうとして服用する「解熱剤」は、インフルエンザのウィルスに感染した状態を直接治すことはできない。
どちらかと言えば、ウィルスの増殖速度を抑えようと体が高熱をわざわざ「出した」のに、それを邪魔しておるとも言える。
もちろん、熱を抑えることで体力を維持したり、睡眠をとりやすくしたりすることで、間接的に体がウィルスを退治できるように、働きかけることは可能じゃ。じゃが、解熱剤そのものは、熱を下げる薬剤ではあっても、風邪を治すために薬剤ではない。

アトピー性皮膚炎も同じじゃ。
痒みと言う症状の治療は、間接的に病気にアプローチすることは可能じゃが、アトピー性皮膚炎、という病気そのものの治療は別に行わなければならん。
もちろんインフルエンザと同様に、「かかない」ことでバリア機能を保つことはできるし、痒みがなくなれば、夜の睡眠がとれ、そのことが間接的にアトピー性皮膚炎の治療に役立つことはある。
実際、初発のアトピー性皮膚炎の8~9割は、ステロイド剤の短期使用で「治癒」するが、それは、アトピー性皮膚炎の原因も軽微であったため、症状を「抑えて」皮膚へのダメージを軽減しておる間に、「自然治癒」させることが可能だからじゃ。
じゃが、残りの1~2割は、長期化する。
それは、症状の治療として行っておることが、皮膚の細菌叢を乱したり、体内のインターロイキン4に影響を与えることで、IgEの受容体の一部(ガレクチン3)に関与して、IgEを逆に増強、アレルギーを悪化させておるからじゃ。
詳しくは、長くなるので、また別の機会に説明したいと思うが、とにかく病気の治療と症状の治療とは、基本的に異なることだけは理解しておいた方が良いじゃろう。

では、アトピー性皮膚炎の場合、「何を治せば良い」のじゃろうか?
それは、アトピー性皮膚炎の大元の原因である「皮膚のバリア機能」を治すことを目指すことが大切になる。
もちろん、日常生活内に「皮膚のバリア機能」を低下させる要因が大きく関わっておる場合には、そうした生活習慣や生活環境の改善は必須といえるが、まずは、皮膚のバリア機能を維持、改善するための治療を目標にすべき、ということじゃ。

話は、かなり飛びまくったかもしれんが、とにかく、アトピー性皮膚炎は「病気」の原因としては、アレルギー以外のアトピーが増加しておるが、「症状」の原因は、アレルギーが関与するものが中心、ということじゃな。
そして、症状の治療は、必ず病気の治療に繋がる、ということではないから、治療を長引かせないために、「症状」の治療だけでなく「病気」の治療も合わせて行うこと、そして「症状」の治療が「病気の悪化要因」につながる恐れがあるときには、しっかり見極めることが大切、ということじゃ。

Iさんの、いち早い回復を祈っておる。

                             
おまけ★★★★博士のつぶやき

アトピー性皮膚炎の治療法は、「一つ」に集約されるわけではない。
それぐらい、大元の原因は多岐にわたるということじゃ。
例えば、皮膚のバリア機能を低下させる原因だけ見ても、「エアコン」「洗浄剤やスキンケア」「紫外線」「大気中の化学物質」などいろいろある。
その中には、さらに症状の悪化要因となるものもあるから、分けて考えて対処するようにした方が良いじゃろうの。